今も昔も何かと話題になる国、イスラエル。
歴史、文化、自然、グルメetc.のどれもがユニークで、1年を通して世界中からの観光客が途絶えることはありません。
この記事では欧州在住の筆者が、イスラエルで特に人気の各都市の気候とベストシーズンをまとめました。
小国ながら地域によって気候の差が大きい!
View this post on Instagram
イスラエルは四国を一回り大きくしたぐらいの、国としては決して大きいとは言えないサイズですが、その気候は地域によって非常に異なります。
大きく分けると北部から中部の沿岸部は地中海性気候、中部の内陸部はステップ気候、そこから南はネゲヴ砂漠(Negev desert)が広がり、砂漠気候となります。
ざっくりとした特徴として北から南に行くにつれて雨が少なくなり、紅海に面したイスラエル最南端の都市エイラット(Eilat)を含めネゲヴ砂漠以南は文字通り砂漠なので、ほぼ雨は降りません。
気温も南の方が高く、特に夏の暑さは激烈。
一方で地理的には沿岸部テルアビブ(Tel Aviv)より南でもエルサレム(Jerusalem)など内陸部で標高が高いエリアは稀に降雪も見られるなど、冬には日本の主要都市と変わらないぐらい冷え込みます。
そのため北部から南部まで周回したい場合は、気候の変化に合わせた服装を準備することが重要です。
また砂漠気候の南部は言うまでもなく、イスラエルの中では比較的雨が多いテルアビブでも年間降水量は日本の1/3程度なので、乾季である4月〜10月頃は強烈な紫外線&乾燥への対策はマスト。
普段は肌の手入れなんて不要だぜ、というワイルド系男子とかでも、かかとがガッツリひび割れたり日焼けを通り越して火傷したりするレベルなので、保湿クリームや日焼け止めは必ず使用しましょう。
イスラエルの人気都市の気候データ
View this post on Instagram
それでは続いて観光客にも特に人気の都市の中から、地中海沿岸部のテルアビブ・内陸部のエルサレム・そして南部エイラットの気候データを見てみましょう。
気候データはサイトにより多少差異があるので、ここではClimatestotravel.comを参照にしています。
テルアビブ
エルサレム
エイラット
まず最高気温・最低気温に注目してみると、いかにエイラットが異次元の暑さかが一目瞭然ですね。
またテルアビブ→エルサレム→エイラットと南に進むにつれて1日の中の気温差が大きくなるのも特徴で、7月8月の平均最高気温が貫禄の40℃のエイラットでも1月の平均最低気温は10℃なので、普通に防寒具が必要な気温です。
エイラットが突き抜けすぎてマシに見えますが、テルアビブやエルサレムでも真夏には35℃を超えることはあるので、紫外線と共に熱中症対策も必須です。
見どころたっぷりのイスラエルではついあちこちを観光したくなりますが、暑さが厳しい日はこまめな水分補給や屋内での休憩を挟むなどして、無理のないペースで予定を組むと良いでしょう。
降水量と日照時間に目を向けると、年間を通してほぼ雨が降らないエイラットに対し、テルアビブ&エルサレムは冬にそれなりの雨が見込めます。
そのため冬に旅行する際は、一応折りたたみ傘やレインコートは持っていると安心ですね。
気温や降水量は結構バラツキがあるのに対し、年間の日照時間は各都市とも3300〜3400時間と、さほど大きな差はありません。
この数字は東京の1.5倍以上で、雨がほぼ降らない夏は言うまでもなく、冬でも各地で1日平均6〜8時間と日本の夏並みの日照時間!
真夏の猛暑は充分注意する必要がありますが、1年を通して気持ち良い青空の下で観光できる日が多いのはイスラエルの大きなメリットと言えるでしょう。
目的別!イスラエルのベストシーズン
世界的な観光大国イスラエルを訪れる目的は、人それぞれ。
2020年のコロナ以降は当然観光業界に大打撃を受けているもののそれを除けば年々観光客も増加しており、時期により混雑度やツアー・航空券・ホテルetc.の料金もかなり変動します。
上記の通り気候も各地で違いがあるため、ここでは目的別のベストシーズンを解説していきましょう。
史跡巡りや街歩きを楽しみたい
View this post on Instagram
聖書の舞台となった各地の探訪や迷路のようなエルサレムの旧市街を歩き尽くすなら、秋から春に当たる10月中旬〜5月上旬がおすすめ。
とにかく夏の暑さが半端ないので、多少雨が増えることを考慮しても屋外を歩くには暖かい〜涼しい時期の方がベターです。
全体的には乾いた荒涼とした大地が目立つイスラエルですが、春は新緑の季節でもあり、北部のガリラヤ湖などはより一層美しくなります。
エイラットなど南部はさらに夏が長いので、11月〜3月頃に訪れると良いでしょう。
ビーチや死海で遊びたい
View this post on Instagram
イスラエルは地中海・紅海・死海というみんなの憧れの海ベスト10(非公式)に入る3つの海に面した、世界唯一の国。
泳げる時期の目安として、地中海なら6月〜10月・死海と紅海は4月〜11月頃。
ただし死海は塩分の濃さからそもそも長時間泳ぐのには向いていないため、数分プカプカ浮いてインスタ映えする写真を撮るだけで良いなら冬でもまあ大丈夫でしょう。寒いですが。
また、紅海は世界的なダイビングスポットとして有名で、適切なスーツを着用すれば当然365日潜れます。
いずれの海も混雑度&気候の厳しさを考慮すると、7月8月は外すのが無難。
地中海なら6月&10月、ダイビング目的の紅海なら11月〜4月、死海は4月&5月と10月〜11月辺りが良いでしょう。
イスラエルグルメを味わい尽くしたい
全国1億1000万人のフムスファンの皆さん、イスラエルではフムスが365日年中無休で食べられます!
そのためフムス目的でイスラエルに行くならいつでも問題ないのですが、あちこちで食べ歩きを楽しみたいなら猛暑で食欲減退の恐れがある6月〜9月は外した方が良いかも。
とは言え日本と同様季節ごとに旬の野菜やフルーツがあり、基本的にレストランやカフェ内はエアコンが効いているので、食い意地が張っている人なら絶対ダメという時期はないでしょう。
また春の過ぎ越し祭や秋のユダヤ暦の新年祭などユダヤ教の重要なイベント時には、日本ではなかなかお目にかかれない特別な食事が見られます。
混雑を避けてのんびり観光したい
View this post on Instagram
怒涛の観光客の波を避けたければ、10月中旬〜11月、そして1月下旬〜3月上旬辺りがゆっくり観光しやすい時期です。
イスラエルの観光客のメインはアメリカ&ロシアを含めた欧州からの人々なので、やはり夏のバカンスやクリスマス&イースターシーズンは混む傾向に。
さらにユダヤ教の祝祭日には国内外のユダヤ人も集結するため、それも考慮した方が良いでしょう。
クリスマスシーズンを除いた秋から冬は航空券やホテル価格も下がりやすいので、安く旅行したい人にもお得な時期です。
ハネムーンや特別な記念日を贅沢に過ごしたい
View this post on Instagram
具体的な目的地や予算によって異なりますが、コスパの良さや落ち着いた雰囲気を重視するなら一般的なオフシーズンである11月〜3月頃が良いですし、逆に華やかなムードが好きなら夏の方が各種イベントやビーチなど遊ぶオプションが多くなります。
例えば近代的なビーチリゾートであるテルアビブの夏は開放的で賑やかなので、とにかく明るく・楽しく過ごしたい人向き。
逆に砂漠&紅海という非日常的な環境のイスラエル南部は、ホテルに完全に引きこもるのでない限り夏は暑すぎるので、冬の方がベター。
死海周辺にもリゾートホテルが多いですが、やはり猛暑・混雑度・価格高騰を考えると夏は避けた方が良いでしょう。
イスラエル旅行で避けるべき時期はある?
View this post on Instagram
行けば行ったでどの季節にも魅力はある訳ですが、まず気候的な特徴から7月と8月、エイラットなど南部はそれに加えて5月・6月・9月も外した方が無難です。
もちろん特定のイベントやその時期限定の宗教行事・グルメ・フェスなどが目的の場合は別ですが、年間を通して訪れられる観光スポットに行くなら、あえて暑い・混む・高いの3拍子が揃った夏のピークシーズンを選択するメリットはあまりありません。
また観光のしやすさという点を考えると、ユダヤ教の祝祭日と欧米のホリデーシーズンもできれば避けた方が良いでしょう。
毎週金曜の日没から土曜の日没まで続く安息日と同様、多くのユダヤ教の祝祭日には公共交通機関や飲食店、ショップがストップするため、観光やグルメの選択肢がかなり限定されます。
イスラエルの宗教的な祝祭日はユダヤ人が家族で集まったり巡礼をしたりするタイプが多く、観光客が一緒に楽しんだり盛り上がったりできるような日は多くありません。
イスラエルの祝祭日は年により日付が変わる移動祝日が多いので、毎年情報を確認すると良いでしょう。
※イスラエルの祝祭日の参考情報:https://www.jetro.go.jp/world/middle_east/il/holiday.html
またクリスマスやイースター休暇を利用して聖地巡礼で訪れる欧米の旅行客も多いことから、12月中旬〜1月上旬と3月下旬〜4月下旬も混雑し、旅行価格も高騰しがち。
基本的には旅行費用の安さや落ち着いた雰囲気を重視するなら冬、半袖1枚で過ごせて開放的で活気あふれる雰囲気を期待するなら夏が向いています。
まとめ
欧州在住の筆者が、イスラエルの気候とベストシーズンを解説しました。
イスラエルや欧州各国は2020年以降コロナで観光業が大打撃を受けていましたが、2022年にコロナ関連の規制はほぼ撤廃され、以前のような活発な人の流れがほぼ戻っています。
イスラエルを訪れる人の目的は聖書の舞台めぐりからビーチリゾート、食べ歩きまで千差万別。
東西南北で違いはあるものの、基本的には気候・混雑度・価格の面では10月中旬から5月中旬頃(クリスマスやイースターを除く)が観光しやすい時期なので、イスラエル旅行を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。