日本でサウナ人気がすっかり定着しつつある今日、欧州で屈指のサウナ大国として知られているのが、ドイツです。
健康・美容・リラクゼーションなどへの関心の高まりからクオリティの高い個性豊かなサウナが続々と誕生するドイツで、特に人気の12軒をまとめました。
ドイツの人気サウナマップ!
日本よりやや小さな国土であるドイツには2300以上のサウナがあると言われ、その規模やロケーション、コンセプトetc.は実にバラエティ豊かです。
サウナ以外にも温泉やスーパー銭湯が生活に根付いた日本人には想像しやすいかもしれませんが、駅からすぐのマチナカサウナや大自然に囲まれたサウナ、最低限の設備のみのシンプルなサウナに巨大なテーマパークのようなサウナ。
そのため観光の前後に気軽に立ち寄ることも、温泉やプールと共に1日中どっぷり満喫することもできます。
しかし日本のサウナと全く同じかと言うと、やや異なる点も。
それではこのドイツのサウナについて、もう少し詳しく解説していきます。
ドイツのサウナの特徴
この記事を読んでくれているあなたはすでに知っているかもしれませんが、ドイツのサウナは男女混浴&裸が基本です。
ドイツはサウナに限らずビーチ、湖、公園などあらゆる場所に通称“FKK”(ドイツ語でFreikörperkultur【=free+body+culture】の略)と呼ばれる裸エリアがあり、人々が何の恥じらいも躊躇いもなく服を脱ぎ去っている、ヌーディズム先進国。
ちなみに筆者が住むお隣のオランダも負けず劣らずの脱ぎたがり大国で、服なんて着てないで裸の自分を愛そうぜワールドカップがあれば(ないよ)ドイツと激しい優勝争いを演じることでしょう。
しかし注意点として、どこもかしこも裸で良い訳ではありません。
サウナエリアでは裸でもプールエリアではスイムウェア着用の施設がほとんどで、併設レストランやカフェを利用する場合も、バスローブなどを身に着けるのが一般的。
料金は『4時間』『1日券』などで指定している所が多く、マッサージやエステ、バスローブやタオルのレンタルがオプションとして追加できる点も、日本と同様です。
ドイツのサウナのマナーは?
男女混浴で裸、と聞くといかにも自由奔放なイメージを抱くかもしれませんが、ドイツ人はサウナに並々ならぬこだわりや情熱を持っているため、意外ときちんとしたマナーが存在します。
代表的なのはこのような点です:
- サウナの板に身体が直接触れるのはNG…座ったり横になる場合、足も含めて身体が板に触れないようにタオルを敷く。ただしスチームサウナの場合は何も敷かない。
- サウナ内では静かに…基本は無言。どうしても何か話す必要がある時も、なるべく小声で。男も女も黙って汗を流しましょう。
- サウナの前後にはシャワーで全身を洗う…一番最初にシャンプーやボディソープでしっかり全身の汚れを落とし、サウナ後は汗を流すイメージで。日本と同様ですね。
- アンダーヘアの処理…これを怠ると石を投げつけられるとかではないですが、一応していくのがベター。
日本でも、温泉やスーパー銭湯には様々なマナーやルールがありますが、守っていない人がいても必ずしも皆が面と向かって注意する訳ではないですよね。
ドイツでも同様で、これらのマナーを守らなくてももしかしたら誰も何も言わないかもしれませんが、心の中で不快に思っている人はいると心得ておくと良いでしょう。
持っていくと良い物
上で述べたように、多くのサウナでは主な必需品のレンタルが可能です。
特にバスローブのようなかさばる物は持って行きたくない人が多いでしょうが、とりあえずサウナに必要&便利なアイテムはこのような感じです:
- バスタオル…板に敷く用と身体を拭く用の2枚あるとベスト
- バスローブ…休憩エリアやレストラン利用時に
- サンダル…プールサイドなど濡れている場所を歩く際に必須
- ビニールバッグ…濡れたタオルなどを入れられる大きめのバッグや袋
- 本…長居したい時に便利
- スイムウェア…プールエリアも利用する場合に
サウナのみを利用するか、レストランやプールも利用するかで持ち物は異なりますが、スイムウェアやサンダルのように軽い物なら持参しやすいかもしれませんね。
ドイツ北部の人気サウナ
①ホルステンテルメ(HolstenTherme)/カルテンキルヒェン
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ハンブルクから公共交通機関で約1時間、車だと約30分のカルテンキルヒェン(Kaltenkirchen)にあるホルステンテルメは、大人も子供も楽しめる大型施設。
7200m²の広大なエリアにはウォーターパーク・サウナ・フィットネスの他、快適な4つ星ホテルも併設。
そのためお目当てのエリアのみに短時間で訪れることも、何日も滞在して時間を気にせずサウナやプールを堪能することも可能です。
王道の『フィンランド』以外にも『ヒマラヤ』『アフリカ』『日本』など異なる温度やインテリア、アロマの香りが広がる、世界各地の個性豊かなサウナを再現。
とにかく汗を流したい、ストレス解消したい、日常から離れたい、家族やパートナーと楽しみたいetc.あらゆる目的で足を運べる、万能的なサウナ施設です。
公式サイト:https://www.holstentherme.de/en/(英語)
料金例:2時間€19.2、4時間€23.5、1日€26.5 ※プールエリア込み
※料金は2021年末時点情報、以下同様
②バーデランド ヴォルフスブルク(BadeLand Wolfsburg)/ヴォルフスブルク
フォルクスワーゲンの街として有名なヴォルフスブルクのほぼ真ん中にあるバーデランド ヴォルフスブルクも、1年を通して飽きることなく足を運べる万能サウナ。
アクセス抜群ながら自然豊かなアラー・パーク(Allerpark)内にあり、湖やキャンプ場にもすぐの恵まれた立地で、特に晴れた暖かい日には屋外の庭園で日光浴をするのに最適です。
もちろんプールもサウナも屋内外共に充実しているため、雨の日や冬でも安心!
ドライサウナ、スチームサウナ、ハーバルサウナなど、45℃から94℃まで温度・湿度・大きさの違うサウナが揃い、初心者から上級者まで満足できることでしょう。
アクティブ派や子供連れなら、ウォータースライダーや波のプール、さらに3メートル&5メートルの飛び込み台も完備しています。
公式サイト:https://www.badeland-wolfsburg.de/(ドイツ語)
料金例:3時間€19、5時間以上€23 ※プールエリア込み
ドイツ東部の人気サウナ
③ヴァバリ スパ ベルリン (Vabali spa Berlin)/ベルリン
ベルリン中央駅から徒歩わずか10分ほどのバリ風サウナ、ヴァバリ スパ ベルリン。
そんな都市の真ん中にバリ風サウナ?落ち着かないのでは??と疑いたくなるほど至便なロケーションですが、一歩敷地内に足を踏み入れると、そこは確かにゆるやかで穏やかな空気が流れる南国リゾート。
本家のバリより若干(かなり?)外の気温こそ低いものの、建築、インテリア、マッサージにレストランと、細部までこだわりぬいてそのバリの世界を見事に再現しています。
その素晴らしいアクセス・2時間〜の料金設定・バスローブやタオルのレンタルも完備している点から、観光客にとっても非常に行きやすい一軒。
同系列で同じくバリ風サウナがデュッセルドルフに、天然温泉施設がケルンにあり、いずれも極上のリラックスタイムを提供してくれるのは間違いありません。
公式サイト:https://www.vabali.de/online/en/home-en/(英語)
料金例:月〜金 2時間€23.5、1日€41.5 土日祝 2時間€25.5、1日€45.5
④クリスタル テルメ(Kristall Therme)/バート・クロスターラウスニッツ
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日本には大都市から遠く離れた街や村にひっそりと湧く『秘湯』が全国各地にありますが、ドイツのバート・クロスターラウスニッツ(Bad Klosterlausnitz)もそのような雰囲気。
人口3000人少々のこの小さな街に天然の温泉水が正式に認められたのは2003年と、そう遠い昔ではありません。
しかし胃腸の不調、関節や筋肉の痛みに良いとされるこの温泉はまたたく間に評判を呼び、今では遠方から足を運ぶ人も数多いのだとか。
クリスタル テルメではその温泉を屋内外31〜36℃の温水プールのような形で体験することができ、これにサウナも合わせれば至福のリラクゼーション効果が期待できるでしょう。
サウナは45℃のスチームから100℃のドライまで15以上のタイプが揃っているため、何回訪れても飽きることはありません。
公式サイト:https://www.kristall-saunatherme-bad-klosterlausnitz.de/index.php(ドイツ語)
料金例:2時間€18、4時間€24、1日€30 ※温泉エリア込み
⑤オーバーマイン テルメ(Obermain Therme)/バート・シュタッフェルシュタイン
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続いて人口1万人ほどのバート・シュタッフェルシュタイン(Bad Staffelstein)も、観光地としては他のドイツ各地に比べるとマイナーと言わざるを得ませんが、良質な温泉地としてここ数十年で急速に発展している街。
その自慢の温泉をサウナや本格トリートメント、ヘルシーなグルメと共に堪能できるのが、オーバーマイン テルメ。
こちらも電車やバスの駅から徒歩で数分の申し分ないアクセスながらそれを全く感じさせない、自然と一体化した広大な施設が印象的です。
屋内外合わせて12のサウナはそれぞれ温度や趣が異なり、誰もがお気に入りのサウナを探せるはず。
天気が良ければ湖で泳ぎ、庭園を散歩。寒い日には温泉や暖炉で身体を温め、ラウンジで休憩。
さらにマッサージやエステをプラスすれば、極上の癒やし体験が完成するでしょう。
公式サイト:https://www.obermaintherme.de/(ドイツ語)
料金例:2時間€17.5、4時間€21.5、1日€26.5 ※温泉エリア込み
ドイツ西部の人気サウナ
⑥メディテラーナ(Mediterana)/ベルギッシュ・グラートバッハ
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ケルンから公共交通機関で30分ほどで行けるベルギッシュ・グラートバッハ(Bergisch Gladbach)のメディテラーナは、20年前のオープン以来数々の受賞歴を誇るドイツを代表する人気スパ/サウナ。
館内はエリアごとにスペイン・モロッコ・インドなど異なるテーマで装飾されており、さながら世界を旅しているかのようなエキゾチックな気分に。
地下100メートルから汲まれるマグネシウムや硫黄を豊富に含んだ温泉のプール、ハーブやアロマ、キャンドルを巧みに利用したバラエティ豊かなサウナ、そして異国の高級リゾートのような休憩エリア。
そのどれもが洗練されながらもリラックスできる空間で、カップル、友達同士、あるいはおひとり様で優雅なスパ時間を過ごせるでしょう。
公式サイト:https://www.mediterana.de/(ドイツ語)
料金例:月〜金4時間€25、1日€48 土日祝4時間€30、1日€53
⑦カロルス テルメン(Carolus Thermen)/アーヘン
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オランダとベルギーに隣接するアーヘン(Aachen)は、古代ローマ帝国時代から知られる温泉地。
その由緒ある温泉をスタイリッシュに満喫できるのが、カロルス テルメンです。
アーヘン中心から徒歩で行けるため時間が限られた観光客にも行きやすく、散策ついでに温泉で一息つけるのは大きなメリット。
しかしカラスの行水で去ってしまうにはあまりに惜しいほど、素晴らしいサウナやサービスがここにはあります。
日本でもおなじみになりつつある本格アウフグースで汗を流したり、庭園で本を読んだり、休憩エリアでシエスタをしたり、マッサージやフェイシャルメニューを追加したり。
古代ローマ人と同じように、時間を忘れて心身に休息を与えてみては:)
公式サイト:https://carolus-thermen.de/en/home/(英語)
料金例:3.5時間€30、4.5時間€34、1日€38 ※温泉エリア込み
ドイツ中部の人気サウナ
⑧タウナス テルメ(Taunus Therme)/バート・ホンブルク
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バート・ホンブルク(Bad Homburg)?また聞いたことない謎の温泉地か・・・と思ったあなた、こちらはフランクフルトから30分で行けるので僻地でも何でもないですよ!
フランクフルト自体は観光地としては大したことなかったりしますが(失礼)、ここには日本から欧州に旅行する際にも非常に便利な、ヨーロッパ最大級のハブ空港が。
そのためフライトの前後にも立ち寄りやすい魅惑の温泉&サウナ施設が、タウナス テルメなのです。
温泉プールは32℃前後なので日本人にはぬるく感じるでしょうが、サウナと組み合わせてじっくり時間をかければ、身体の芯から温まってくるはず。
伝統的なフィンランド式サウナの他に日本式庭園やアジア料理レストランも備えた、東洋と西洋を融合させたような造りが印象的です。
公式サイト:https://www.taunus-therme.de/(ドイツ語)
料金例:月〜木2時間€19、1日€29 金〜日・祝2時間€21、1日€31 ※温泉エリア込み
⑨ミラマー(Miramar)/ヴァインハイム
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ヴァインハイム(Weinheim)のミラマーは元々1973年にウォーターパークとしてオープンした、なかなかの老舗スポット。
それから拡張と改修を重ね、現在の主なサウナとリラクゼーションエリアが開設されたのは、1998年のこと。
その後もニーズや流行に合わせてサービスやインテリアはアップデートされているため、古さは全く感じさせない開放的で明るい雰囲気です。
ツリーハウスならぬ“ツリーサウナ”はその代表で、湖を眼下に見渡しながら汗を流せるユニークなサウナ。
このサウナエリアの他に、大迫力のウォータースライダーが目玉のプールエリア&定期的に通う地元民も多い温泉エリアの計3つがあり、元気に遊ぶ子供やデートで訪れるカップル、健康促進目的のシニアなど、老若男女問わず親しみやすい施設と言えるでしょう。
公式サイト:https://miramar-bad.de/(ドイツ語)
料金例:4時間€28.9、1日€32.9 ※温泉&プールエリア込み
ドイツ南部の人気サウナ
⑩テルメ エルディング(Therme Erding)/エルディング
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ミュンヘンから電車1本約1時間で到着するテルメ・エルディングは、世界最大と言われる巨大スパ施設。
主に『ウォーターパーク』『温泉』『サウナ』の3つのエリアに分かれ、これに加えてホテル、レストラン、バー、マッサージ&エステ、各種イベントetc.、欲しい物や必要な物は全て揃っています。
プールエリアはキッズフレンドリーなだけに特に夏は非常に賑やかですが、サウナエリアは16歳以上限定なので季節を問わず落ち着いたムード。
サウナで汗を流し、本物のヤシの木に囲まれながら最高38℃の温泉に浸かり、トロピカルカクテルで乾杯という、ここならではのユニークな経験を楽しみましょう。
公式サイト:https://www.therme-erding.de/en/(英語)
料金例:平日2時間€30、4時間€36、1日€52 土日祝は+€4 ※温泉&プールエリア込み
①①テルメ バート ヴェーリスホーフェン(Therme Bad Wörishofen)/バート・ヴェーリスホーフェン
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バート・ヴェーリスホーフェンもドイツが誇る幾多もの温泉地の1つですが、特にこの地を有名にしているのがバスソルトやスキンケアでおなじみのブランド、クナイプ(Kneipp)。
バート・ヴェーリスホーフェンはこのクナイプが19世紀に生まれた街であり、それから120年以上が経った今も温泉やサウナで人々の健康に貢献しているのは、偶然ではないかもしれません。
テルメ バート ヴェーリスホーフェンでは地下1100メートルから汲まれた温泉を34〜37℃のプールにし、鮮やかな緑や花を散りばめたトロピカルリゾート風に。
サウナでは本場フィンランド式から日本やアルハンブラをモチーフにしたタイプまで、一つ一つが凝った造り。
屋内外の広大なリラクゼーションエリアと往復すれば、いつまでもリピートできそうです。
公式サイト:https://www.therme-badwoerishofen.de/?lang=en(英語)
料金例:2時間€25、4時間€31、1日€44 日祝は+€3 ※温泉エリア込み
①②フリードリクスバート(Friedrichsbad)/バーデン=バーデン
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日本語にすると「風呂・風呂」という意味のバーデン=バーデン(Baden-Baden)。
思わず2回繰り返したくなるほど?古代ローマ時代から温泉で有名なこの地は、現代でも欧州を代表するスパタウンとして国内外からこの水を求めて訪れる観光客や旅人が絶えることはありません。
そんな歴史ある温泉街らしく、フリードリクスバートは1877年オープンの超老舗スパ。
映画で見たような古代ローマ浴場の世界に誘われ、温泉やスチームサウナ、マッサージを体験できる、至高のリラックスタイム。
こちらは温泉がメインで高温のドライサウナはないため、より充実したサウナを求めるなら同系列ですぐご近所のカラカラ スパ(Caracalla Spa)に行くと良いでしょう。
公式サイト:http://www.carasana.de/en/friedrichsbad0/(英語)
料金例:€27 ※温泉エリア込み