観光大国ギリシャの数々の島の中でも特に旅行者に人気なのが、青い屋根と白い壁が目印のサントリーニ島。
その突き抜けるような澄んだ青い空と海のイメージからベストシーズンは夏だと思われていますが、冬のサントリーニはどうなのでしょうか?
この記事では冬のサントリーニの特徴を踏まえ、旅行に行く場合の長所と短所をまとめました。
閑散期の冬のサントリーニにはメリットも多い!
率直に言うと、冬のサントリーニにはメリットがいくつもあります。
より正確なニュアンスとしては、夏にデメリットが多すぎるので冬を選択するのはアリ、と言うのが正しいかもしれません。
夏のデメリットとは、簡単に言うと観光客多すぎ問題。
ギリシャ政府も頭を悩ますほどの大人気っぷりは、日本に例えると最近の京都の桜や紅葉シーズンに近いイメージです。
しかし閑散期である冬はさすがに観光客も減るので、そこで得られる数々の利点は見逃せません。
それを一つずつ解説していきます。
有名観光地や街がとにかく空いている
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もうこれに尽きます。
多くの人はインターネットやガイドブックで見た、『あの』サントリーニを求めて、『あの』サントリーニのためにはるばるエーゲ海まで飛ぶわけです。
ところがハイシーズンに行こうものなら、道を埋め尽くす人に圧倒されることになるでしょう。
数万人の宿泊客に加えて、最多の時期にはクルーズ船の乗客だけで1日に18000人が島を訪れるそう。
wikiさんによるとサントリーニは八丈島を一回り大きくしたぐらいのサイズで人口約15000人だそうなので、いかにハイシーズンの観光客数が天文学的かが想像できるでしょう。
その点閑散期の冬に行けば、まさに『あの』サントリーニに近い景色を独占することができます。
観光スポット、狭い路地、有名レストラン、人気ホテルなど夏は人で溢れかえりぎゅうぎゅう詰めになったり予約が取れなかったりする場所でもゆったりと過ごせるのは優越感そのものです。
例えばサントリーニでなくても、夏のハイシーズンにヨーロッパに旅行して溢れかえる人混みにうんざりした、なんて経験がある人にはこのポイントは非常に大きなアドバンテージに感じられるはず。
航空券やホテルが安い
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サントリーニは特にハネムーンでの旅行先として絶対的な人気と知名度を誇るため、イア(Oía)を中心にロマンチックでラグジュアリーさを売りにするホテルが充実しています。
しかしハイシーズンにさりげなくホテル予約サイトをチラ見すると、間違えてマンスリーマンションのサイトを見てるのかと錯覚するような宿泊料金が平然と並びます。
もちろん冬でも全ての宿泊施設が同様に安くなるわけではないですが、平均料金がだだ下がりするのは間違いありません。
それは航空券も同様なので、クリスマスから年末年始の期間を除けば12月から3月上旬頃は1年で最もお得に旅行ができる季節です。
好きな場所で好きなだけ写真が撮れる
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これも観光客が少ないことによる利点ですが、写真好きやSNSでいいねをもらいまくりたい人には大事なポイントです。
ハイシーズンに人気観光スポットを訪れた場合、景色や自分の写真に他人が写り込まない写真を撮るのが極めて困難なのがモテモテのサントリーニ。
せっかく美しい一瞬を目にしても、カメラやスマホを構えている数秒の間にも絶え間なく人が行き来します。
その解決策としては人がまだ少ない早朝に動き出すことですが、世界一とまで言われるイアの夕日は撮影時間も場所も限定されてしまうため、もはやガンジス川みたいな光景に。
その点冬であれば周りの人を気にすることなく、好きな場所でお気に入りの1枚が撮れるまで好きなだけ写真を撮ることができます。
観光で歩き回っても疲れにくい気候
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サントリーニを旅行する場合、結構な坂や階段を上り下りすることになります。
特にイアは崖にへばりつくように建った街で、狭い路地が迷路のように入り組みアップダウンが激しいのが特徴。
そのため暑い夏は地図で見る以上に体力を消耗しがちなのですが、涼しい冬であればずいぶんラクになります。
サントリーニの12月から2月の平均最高気温は15℃前後なので、街歩きやハイキングをするには気持ちのいい季節。
夏のように大量の水分を持ち歩く必要もないので、体力に自信がない人でも観光しやすいですよ。
冬のサントリーニには明確なデメリットも
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ここまでのメリットを読むと、冬のサントリーニ最高かよ!と早速スーツケースを引っ張り出して来たくなりますが、ちょっと待ってください。
やはりメリットとデメリットは常に同居するものであり、冷静に分析するとマイナスポイントもあります。
それを簡潔に説明していきます。
多くのレストランや店が閉まっている
夏は超絶忙しかったんだから冬ぐらい休もうぜ、それがサントリーニというか南欧でよくあるスタンダードです。
インターネットやガイドブックで調べた気になる観光スポットや飲食店、商業施設も無慈悲に閉まっていることが充分あり得るのが、閑散期のサントリーニ。
そのため行きたい場所は実際に足を運ぶ前に、あらかじめホームページや公式SNSで訪れる時期にオープンしているかどうかをチェックすることを強くおすすめします。
1年で最も雨が多く日照時間が短い
気温は暑すぎず快適なのですが、残念極まりないことに冬は雨が多い季節。
6月から8月にはほぼ降る心配のない雨が、12月から2月は平均で月10日ほど降ります。つまり単純計算で1週間滞在すると2〜3日ほどは雨になる可能性があるということ。
上にも挙げたサントリーニの最大の魅力の1つでもあるイアの夕日も、当然雨や曇りだとその美しさは快晴の日より劣ってしまいます。
またギリシャはサマータイム導入国なので夏とは昼の時間のギャップもけたたましく、毎日の日照時間の平均は夏の約13時間に対し、冬は約4時間です(´・ω・`)
公共バスの本数が減る
これもサマータイム導入国のビーチリゾートにありがちな現象ですが、冬は公共交通機関の本数が減ります。
サントリーニの主な移動手段はバスなのですが、どの路線も本数が減るのに加え最終バスも早くなるため、観光に使える時間が短くなりがち。
そのためバスの時間を考慮して観光するか、あるいはレンタカーで周る必要があります。
ビーチや屋外プールで泳げない
前述の通りサントリーニの冬の平均最高気温は15℃なので、寒中水泳のエキスパートでもない限りまず泳ぐのは厳しいです。
サントリーニにはおしゃれなプール付きのホテルが多いですが、室内プールか、屋外なら温水でない限り歯ぎしりをして眺めるだけになるでしょう。
それはビーチでも同様で、いくら有名なビーチに足を運んでも地団駄を踏みながら散歩することしかできません。
冬のサントリーニをおすすめできる人&できない人
以上のメリットとデメリットを踏まえると、冬のサントリーニはどのような人にはおすすめできるのでしょうか。
ここまで読んでくれたあなたはもう想像ができるかもしれませんが、夏と冬では気候だけではなく雰囲気や趣もかなり異なるので、それぞれの特徴をしっかりと頭に入れて旅行する時期を選ぶといいでしょう。
おすすめできる人
・とにかく人混みや行列が嫌い
・家族、カップル、ひとりでゆっくりのんびり過ごしたい
・少しでも安く旅行したい
・ガツガツ観光するよりリラックスするのが好き
・暑い中で歩き回るには体力が不安
おすすめできない人(=他の季節に行った方が良い)
・気になる観光スポットやレストランは必ず欠かさず行きたい
・クラブやイベントで賑やかに遊びたい
・典型的なサントリーニを満喫したい
・泳げないビーチなんてビーチとは呼べない
例えば冬は昼が短く1日当りの観光に使える時間が短くなる代わりに宿泊施設の値段が下がる傾向にあるため、アパートメントに滞在してマイペースに地元の食材で料理をしたり、天体観測をしたり、地元民が集まるバーやカフェに足を運んだり・・・と、オフシーズンならではののんびりした過ごし方をするのもおすすめ。
逆に1〜2日の短い滞在だと、サントリーニらしい爽やかな青空や名物の鮮やかな夕焼けが全く見れずに終わる可能性もあると覚悟しておいた方がいいかもしれません。
なおいつからが冬でいつからが春や夏なのかをハッキリと定義するのは難しいですが、1つの目安としてサマータイムが終わる10月下旬から3月下旬までがオフシーズンと考えればいいでしょう。
日本のように時間にきっちりした文化ではないので、あらゆる飲食店やホテルが一斉に同じタイミングで冬季休暇に入る訳ではありませんが、10月→11月辺りで観光客のボリュームがぐっと減って静かになる印象です。
まとめ
欧州在住の筆者が、自らの体験も踏まえて冬のサントリーニ島のメリット・デメリットを解説しました。
また、この記事ではギリシャの中でも旅行先として最も人気の高いサントリーニ島を取り上げましたが、ミコノス島やコルフ島など、他の島々でも概ね同じ傾向だと言えます。
あまりにも小さな島だと冬はゴーストタウン化する可能性があるので、冬のオフシーズンの旅行先としては少なくとも国際空港がある規模くらいの島にするのが無難。
ぜひ冬にサントリーニなどのギリシャの島々に旅行に行く際の参考にしてみてくださいね(^^)