ひまわり、ラベンダーにチューリップ・・・鮮やかに咲き誇る花が見渡す限り広がる風景は、一度は目にしてみたいもの。
この記事ではヨーロッパ各地で見ることができる、絶景の花スポットをまとめました。
欧州旅行の際には、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ひまわり/スペイン・アンダルシア
夏の花の代名詞・ひまわりはヨーロッパ各地でも見ることができますが、そのイメージに最もお似合いなのはおそらくスペイン南部のアンダルシア地方ではないでしょうか。
“太陽と情熱の国”という何十年も使い古されたコテコテの慣用句よりずっと奥深いスペインで、21世紀の現代も割とその慣用句通りの特徴を強く感じさせてくれるのが、このアンダルシア。
真夏には40℃を超えることも珍しくないこの地のひまわりは、日本よりずいぶん早い5月下旬から6月に見頃に。
日本では過去に某CMが撮影されたことからカルモナ(Carmona)が特に有名ですが、大小のひまわり畑はあちこちで燦々と輝いています。
アンダルシアでは6月でも強烈な太陽が待っているので、水分補給や紫外線対策をしっかりして行きましょう。
主な名所:カルモナ、コルドバ(Córdoba)、カディス(Cádiz)、ロンダ(Ronda)など
開花時期の目安:5月下旬〜6月
ラベンダー/フランス・プロヴァンス
プロヴァンスとラベンダー。
地名と花の名前がここまでしっくりと来る組み合わせは、世界でもそう多くはないかもしれません。
そして例え一度も行ったことがなくても、その地名を聞いただけで情景がありありと目に浮かんでくるのも、稀な存在でしょう。
そんなフランス南東部プロヴァンス地方の名物ラベンダー畑は、7月に満開を迎えるのが一般的。
少し前まで緑や茶色だった大地が、どこまでも紫に続いていく光景は自然の織りなす芸術品のよう。
その絶景を視覚や嗅覚で堪能した後は、日本でも大人気のスキンケアブランドL’OCCITANE(ロクシタン)の本社で、ここでしか手に入らないグッズをお土産に買っていくのも良いでしょう。
主な名所:ヴァロンソル(Valensole)、ピュイモワッソン(Puimoisson)、ブルネ(Brunet)など
開花時期の目安:6月下旬〜8月上旬
チューリップ/オランダ・リッセ
プロヴァンス×ラベンダーに負けない黄金のカップルと言えば、やはりオランダ×チューリップ。
そんなチューリップは当然のごとくオランダの国花になっていて、季節に関係なくお土産屋や空港で球根が並ぶなどすっかりオランダのイメージがこびりついていますが、実はトルコ原産。
チューリップはトルコ生まれだー!というトルコ人の怒りのデモが起きても不思議ではない気もしますが、200万人とも言われるオランダ在住トルコ人はのんきにケバブ売って幸せそうなので、まあ大きな問題ではないのでしょう(適当)
トルコ人が口を挟むのもためらう程?オランダ人が溺愛するチューリップの最高の名所が、中西部リッセ(Lisse)。
中でも1年のうち3月中旬から約2ヶ月のみオープンするキューケンホフ公園(Keukenhof)は、世界最大の花の公園と言われています。
主な名所:キューケンホフ公園(有料、公園内に入場しなければ無料)
開花時期の目安:3月下旬〜5月上旬
ポピー/イタリア・トスカーナ
仮に360°どこにも花が咲いていないとしても充分魅力的な、イタリアのトスカーナ。
しかしそのトスカーナが野生のポピーによって真紅に染まる春は、より一層フォトジェニックに生まれ変わります。
その原始的で、しかし可憐なポピーが花開くのは、通常4月下旬からわずか2週間ほど。
とりわけ州の南部であるシエーナ(Siena)とグロッセート(Grosseto)にポピーの名所が多く、牧歌的なトスカーナの新緑の大地にビビッドな赤が加わるこの瞬間を求めて、多くの写真家や芸術家もやってきます。
油絵の中の世界のようなこの景色を思いっきり満喫するには、レンタカーで時間を忘れて散策するのがベストです。
主な名所:ヴァル・ドルチャ(Val d’Orcia)、マレンマ(Maremma)など
開花時期の目安:4月下旬〜5月上旬
ブーゲンビリア/ギリシャ・サントリーニ島
ブーゲンビリアは、この花を見るためにわざわざ旅行するような主役的な存在ではないかもしれませんが、咲いているか否かで街の印象がガラッと変わるのは事実でしょう。
暖かい南欧の国ならどこでも見ることができますが、この記事では代表としてギリシャのサントリーニ島をピックアップ。
ギリシャのポストカード、ガイドブック、SNSなどで誰もが必ず1度は目にしたことがあるであろう、青い空・エーゲ海・ドーム型の屋根に純白の壁が並ぶ街並み。
その爽やかな青×白の世界の中で華やかなアクセントになっているのが、濃厚なピンクのブーゲンビリアです。
世界一とも評されるイア(Oia)の夕日にブーゲンビリアをしれっと忍ばせれば、インスタでいいねの嵐が来るのは間違いありません。
主な名所:サントリーニ島・イア、ミコノス島・ミコノスタウン(Mykonos Town)など
開花時期の目安:4月〜10月
桜/ドイツ・ボン
“Sakura”はすでに世界共通語になりつつあり、このSakuraを一目見ようと春の日本を訪れる外国人観光客は少なくありません。
しかしこの日本の象徴とも言える桜には日本の外でもしばしば出会うことができ、ヨーロッパで特に人気なのが、かつての西ドイツ時代の首都・ボンです。
世界的な作曲家ベートーヴェンの出生地であるにもかかわらず、その平凡な名前のせいかイマイチ観光地としては印象が薄いボンですが、そのガッカリ元首都の汚名返上を果たす?絶好の瞬間が、まさに春の桜の満開時。
長く厳しい冬を越え、3月下旬にサマータイムが始まり、春最大のイベント・イースターが祝われる頃、ボンの小路には春の訪れを喜ぶかのように桜が花を咲かせます。
ボンがロマンチック街道以上にロマンチックになる奇跡の数週間を、目と心に焼き付けましょう。
主な名所:ヘーア通り(Heerstraße)、ブライテ通り(Breitestraße)など
開花時期の目安:4月
ジャカランダ/ポルトガル・リスボン
日本では『紫の桜』と呼ばれることもある、ジャカランダ。
少し遠くから見るとその姿は確かにそう呼びたくなるほど色を変えた桜に似ており、満開時には頭上に・散り際には足元に、紫の絵の具を散らしたようなカラフルな光景が広がります。
南米原産のジャカランダはオーストラリアや南アフリカ、日本でも宮崎や熱海など暖かい所で育つため、欧州でも見られるのは南欧のみ。
スペインのバレアレス諸島やイタリアのサルデーニャ島などと同様に見事なジャカランダで知られているのが、ポルトガルの首都リスボンです。
似ているとは言え赤の他花なので桜とは明らかに異なる特徴がいくつかあり、1つは開花時期がリスボンでは初夏と言える5月であること、そして開花時期が長いこと。
桜が潔く数週間で完全に散ってしまうのに対し、ジャカランダは夏を越え秋になってもちらほら咲いていることも。
しかしやはり満開時の美しさが別格なので、ベストシーズンは6月頃です。
主な名所:エドゥアルド VII 公園(Parque Eduardo VII)、ドン・カルロス I 通り(Av. Dom Carlos I)など
開花時期の目安:5月〜8月
アーモンド/イタリア・シチリア島
そしてジャカランダ以上に桜にそっくりなのが、アーモンドの花。
それもそのはず、アーモンドは『バラ科サクラ属』で、いわば桜の姉妹のような関係なのです。
もし何も知らずにこの花を見れば、多くの日本人は桜だと勘違いしてレジャーシートを広げて勝手に花見を始めそうですが、どれだけそっくりでもカレイとヒラメのようにわずかな違いはあるもの。
主な見分け方は、桜が長い花柄(かへい)で枝から花がぴょこんと飛び出ているようになっているのに対し、アーモンドは枝にへばりつくように花が咲くのが特徴。
イラン生まれのアーモンドさんは暖かくて乾燥した地がお好みとのことで、雨が多い日本ではあまりお目にかかれず、欧州では地中海性気候の各地でその可憐な姿を拝むことができます。
主な名所:シチリア島・アグリジェント(Agrigento)、マジョルカ島・マラチ(Marratxí)など
開花時期の目安:1月下旬〜3月(地域による)
エーデルワイス/スイス・ツェルマット
♪エーデルワーーイス、エーデルワーーイス♪、ナントカカントカ・・・(そこしか憶えてない)♪
の歌でおなじみのエーデルワイスは、厳しい環境の高地で凛と育つ、強さと美しさを兼ね備えたアルプスの女王。
その名前はドイツ語で“高貴な白”を意味し、スイスの国花にもなっている他、様々な国で通貨・切手・ロゴ・エンブレムetc.のデザインに。
そんなアイドル級のエーデルワイスはよく見ると寒さから身を守るために花びらが毛むくじゃらで、アイドルも大変なのね😭…と、ますますヨーロッパ中のおじさんおばさんの心をわしづかみにします。
かつては薬草としても重宝されたエーデルワイスは長年に渡る乱獲により一時絶滅の危機に瀕したため、現在ではスイス全土で採集は厳禁に。
標高1700m以上の高地に夏の1ヶ月ほどしか咲かない、まさに高嶺の花のような存在ですが、山好きなら一度は訪れてみては:)
主な名所:ツェルマットの標高1700m以上のエリア
開花時期の目安:7月〜8月
アジサイ/ポルトガル・アソーレス諸島
このアジサイの写真を見て「わあ、なんてキレイなの😍自分も行きたい!!」と思って、グーグルマップでアソーレス諸島を見たら遠すぎて絶望しているあなた、安心してください。
アジサイなら鎌倉にも咲いてます。
と言うか、何を隠そうアジサイは日本原産!
そして、日本から遥か10000km以上離れたこのアソーレス諸島のアジサイも、19世紀に日本から持ち込まれたそう。
あら、じゃあ日本からわざわざ飛行機2回以上乗り継いで丸1日以上かけてこんな世界地図の隅っこの島まで行かなくても、鎌倉でいいわね・・・まあそうなんですけど、そんな遥か大西洋の彼方で日本生まれの花がインスタ映えスポットとして大人気なのも、気になりません?
ポルトガル人は16世紀に船で何ヶ月もかけて日本に来たんですから、飛行機で30時間で行ける21世紀は、ずっと恵まれているはず。
温暖なアソーレス諸島では半年近くアジサイが咲いていることもありますが、ベストシーズンは夏の6月〜8月と言われています。
主な名所:ファイアル島、サン・ミゲル島セッテ・シダーデス(Sete Cidades)など
開花時期の目安:4月下旬〜9月
※花の開花時期は毎年気候などによって変動するため、実際に訪れる際には最新の開花状況を確認するようお願いいたします。