ヨーロッパの冬の風物詩と言えば、クリスマスマーケット。
寒く暗くなりがちなヨーロッパの冬を華やかに飾ってくれるクリスマスマーケットは、観光客にとっても地元民にとっても心躍るイベントです。
この記事では、2024年のヨーロッパ各地の人気クリスマスマーケットの情報をまとめました。【2024年11月情報】
欧州各地で魅惑のクリスマスマーケットがてんこ盛り!
今や冬の一大イベントとして認知されるようになった、クリスマスマーケット。
元々はドイツを中心としたヨーロッパの中でも寒さが厳しい中欧を中心に開催されていましたが、最近では規模こそ違えど、東西南北ヨーロッパのほぼ全域で楽しめるようになっています。
そのため12月頃にヨーロッパを旅すれば、各国各地で様々なクリスマスマーケットを巡ることもできるでしょう。
『王道』『伝統的』といった雰囲気に惹かれるならドイツやオーストリア、逆に少し趣の異なるクリスマスマーケットを覗いてみたければハンガリーや東欧各国も見逃せません。
旅の日程や予算にもよりますが、欧州各地はLCCや格安高速バスも非常に発達しているため、1週間程度の滞在でも異なる国・都市のクリスマスマーケットを複数周ることは充分可能です。
もしなるべく費用を抑えつつクリスマスマーケット巡りをしたいなら、なるべく12月上旬までに訪れると良いでしょう。
大体12月中旬を過ぎた辺りからフライトやホテル料金が上がる傾向にあり、またクリスマス休暇で各地も混みだすので、落ち着いてのんびり観光するのが難しくなってきます。
早いところでは11月中旬からクリスマスマーケットが始まるので、人混み嫌いの人は11月の平日を狙うと良いでしょう。
地元民にとっても観光客にとってもこの時期ならではの楽しみであるクリスマスマーケットですが、特に見逃せない各国各地のマーケットを紹介していきます!
・・・が、その前に、欧州在住で多数のクリスマスマーケットに訪れたことがある筆者が、クリスマスマーケットに行く際の基本的な注意点をまとめました。
特に海外旅行に慣れていない人や初めてクリスマスマーケットを訪れる人は、参考にしてもらえればと思います!
欧州のクリスマスマーケットに行く際の注意点!
- スリやひったくりには充分注意!・・・欧州内でも都市によって治安の良し悪しには大きな差があるものの、観光客が多い所=スリやひったくり、置き引きなどの軽犯罪が多いというのはほぼ共通しています。
せっかくのクリスマスマーケット体験が台無しにならないよう、財布やスマホ、パスポートなどの貴重品は厳重に管理しましょう。 - 防寒対策はしっかりと・・・屋外で行われるクリスマスマーケットでは、防寒対策は必須です。
特に雨風が強いと実際の気温よりずっと寒く感じるので、天気予報をチェックして適切な服装で出かけるようにしましょう。
なお、一般的にドイツやイギリスなどでは少々の雨では傘は差さずレインコートやポンチョで対応する人が多く、特にクリスマスマーケット会場のような混み合う場所で大きな傘を差すと嫌がられる可能性があるので注意しましょう。 - 交通機関の遅れやキャンセルは日常茶飯事・・・いくつものクリスマスマーケットをはしごしたい人に要注意なのが、一般的に欧州では電車・バス・フライトの遅延やキャンセルが当たり前のように起きること。これは人の移動が大幅に増えるクリスマスシーズンほど顕著です。
そのため少しの交通機関の遅延で予定が大きく狂ってしまうような忙しいスケジュールは、あらかじめ立てないのが無難です。 - 入場料金や予約が必要な場合も・・・一部のクリスマスマーケットの中には、入場料がかかったり事前予約が必要な場合もあります。
また入場料は無料でも特定のイベントは有料&チケットが必要ということもあるので、公式サイトや現地のインフォメーションで確認することをおすすめします。
ドレスデン(ドイツ)
まずはクリスマスマーケット界の中心的存在ドイツからは、ドレスデン(Dresden)をピックアップ。
ドレスデンのクリスマスマーケットはなんと1434年から続く、世界最古のクリスマスマーケットの一つとされています。
そのメイン会場であるアルトマルクト広場(Altmarkt Square)にはギネスブックにも載る世界最大の木製クリスマスピラミッド、観覧車、メリーゴーラウンド、クリスマスツリー、そして200店以上の屋台がひしめく、まさにおとぎの世界。
お土産にもピッタリの伝統工芸品やクリスマスオーナメントなどに加え、ドイツで最も美味しいと言われるシュトーレンも屋台で気軽に手に入ります。
ずっしりとした伝統と眩いばかりの華やかさを同時に体験できる、王道のクリスマスマーケットと言えるでしょう。
開催予定日:2024年11月27日〜12月24日
コルマール(フランス)
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フランスでも特に人気のクリスマスマーケットは東部のドイツに近いエリアに多く、コルマール(Colmar)もその中の一つです。
人口約7万人のコルマールはアルザス地方らしいフォトジェニックな街並みが印象的で、そこにクリスマスマーケットやイルミネーションが加われば、誰もが心を奪われてしまうようなロマンチックな景観に。
徒歩で充分周れる小さな旧市街ながら、期間中には屋内外6つのマーケットが登場し、グルメやショッピング、イベントなど充実した施設&内容のおかげで、何時間過ごしても飽きることはありません。
教会やミュージアムなど通常の観光スポットと合わせて、大都市とは一味違う温かみのあるクリスマスマーケットを満喫しましょう。
開催予定日:2024年11月26日〜12月29日
バーゼル(スイス)
そのお隣のドイツやフランスに比べると、クリスマスマーケットの目的地としてはスルーされがちなスイス。
が、European Best Destinationsによると、バーゼル(Basel)は2021年のベストクリスマスマーケットにも選ばれたそう。おめでとう!(よく分からんけど)
バーゼルのクリスマスマーケットは、バールフュッサー広場(Barfüsserplatz)とミュンスター広場(Münsterplatz)の2ヶ所がメイン会場。
ドイツ&フランスとの国境に面した都市らしく、バラエティ豊かなフード、ドリンク、スイーツ、お土産、クリスマス雑貨etc.が屋台にずらりと揃います。
丁寧に装飾された一つ一つの屋台はそれぞれ個性やこだわりがあり、カメラを片手に散策するだけでも充分楽しめるでしょう。
開催予定日:2024年11月28日〜12月23日
公式サイト:https://www.basel.com/en/events/christmas/christmas-market
ブリュッセル(ベルギー)
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“Winter Wonders”との名で開催されるクリスマスマーケットを含めたブリュッセル(Brussels)の冬の一大イベントは、その名の通りあらゆる年代の人に感動や驚きに満ちた時間を与えてくれます。
ただでさえ世界一美しい広場との呼び声高いグラン・プラス(Grand-Place)を中心に、街のあちこちにはイルミネーションがきらめき、クリスマスツリー、アイスリンク、観覧車、イベントステージなどが設けられ、冬の寒さを吹き飛ばすかのような幻想的なムードに。
美食の街としてすっかり認知されつつあるブリュッセルだけに、絶品スイーツからホットワインまで、極上グルメは数知れず。
隣国オランダ在住の筆者も歯ぎしりをしたくなる、ベルギーならではの上質な食と共に街歩きやイベント、アートを味わい尽くしましょう。
開催予定日:2024年11月29日〜2025年1月5日
エディンバラ(スコットランド)
続いては海を越えて、スコットランドの古都エディンバラ(Edinburgh)へ。
世界遺産にも登録されたその美しく重厚な街並みに、冬はカラフルでポップな、時に遊び心のあるイルミネーションやデコレーションが違和感なく融合。
その目玉であるプリンシズ・ストリート・ガーデンズ(Princes Street Gardens)のクリスマスマーケットは、一部の例外日を除いて午前10時から午後10時までオープンしているため、観光の前後にも気軽に立ち寄れます。
12月のエディンバラは日の入りが15時台と言う早さでとにかく夜が長いので、そのロマンチックな夜景やナイトライフをとことん楽しみましょう。
中世から時が止まったかのような旧市街とエネルギッシュな新市街、そして自然豊かな公園が見事に一体化したエディンバラでは、アクティブ派ものんびり派も食いしん坊も、思い思いの過ごし方ができるはずですよ。
開催予定日:2024年11月15日〜2025年1月4日
プラハ(チェコ)
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景観の良さでは欧州随一のチェコの首都、プラハ(Prague)。
そんなプラハがさらに輝きを増すのが、通常11月下旬から1月初旬まで開催されるクリスマスマーケットの期間です。
絵画のような旧市街をさまよい歩けば、大小のマーケットからほんのりと漂うシナモンやグリルソーセージの香りに誘惑されることでしょう。
厳しい寒さになることも多いプラハの冬は、しっかりと防寒具を着込んで温かいスープやホットワインで身体を温めるのが一番!
期間中、旧市街広場(Old Town Square)にはヒツジやヤギ、ロバも登場し、特に子供連れの観光客に人気のスポットに。
ライトアップされたクリスマスツリーや荘厳な建造物に囲まれながら聴く野外コンサートも、また格別です。
開催予定日:2024年11月下旬〜12月下旬または2025年1月上旬(マーケットにより異なる)
参考サイト:https://www.pragueexperience.com/events/christmas-markets.asp
ウィーン(オーストリア)
同じドイツ語圏であるオーストリアも、ドイツと同様に一度はクリスマスマーケットのために訪れたい国。
ザルツブルクやグラーツ、インスブルックなどなど、どの都市にも魅力的なクリスマスマーケットがありますが、やはり首都のウィーン(Vienna)は外せません。
ウィーンのクリスマスマーケットはこれまたびっくりの1296年発祥・世界最古との説が。
が、ちゃんと記録に残ってないんだかで、ドイツのミュンヘンや前述のドレスデンなどと世界最古の称号を巡って火花を散らしてるとかいないとか。ザッハトルテもそんな感じだったような・・・
ともかくそんな歴史あるウィーンでは、ウィーン市庁舎(The Vienna City Hall)やマリア・テレジア広場(Maria Theresien Square)、シェーンブルン宮殿(Schönbrunn Palace)など主要スポットのほとんどでクリスマスマーケットが開かれるため、通常の観光のついでに行けてとても便利。
またカフェ文化の中心でもあるウィーンはあらゆるタイプのカフェが街中にあるため、クリスマスマーケット巡りや観光に疲れてもホっと休める場所に困ることはありません。
食べ歩きやお土産探し、イベント鑑賞など、どんな目的でも満足したひとときが過ごせるでしょう。
開催予定日:2024年11月中旬〜12月下旬または2025年1月上旬(マーケットにより異なる)
参考サイト:https://www.austria.info/en/things-to-do/skiing-and-winter/christmas-markets/vienna
ブダペスト(ハンガリー)
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『ドナウの真珠』との異名を持つハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)がダイヤモンドの輝きさえも凌ぐような美しさを纏うのが、このクリスマスマーケットのシーズン。
ハンガリーはクリスマスマーケットというキーワードから最初に思い浮かべる国ではないかもしれませんが、このブダペストは2022・2023・2024年の3年連続でベストクリスマスマーケットに選ばれたそう。
ブダペストの主なクリスマスマーケットは中央広場(Vörösmarty Square)と聖イシュトヴァーン大聖堂(St. Stephen’s Basilica)の2ヶ所で、共に徒歩で容易にアクセスできる街の中心部にあります。
そのためイベントの時刻や混雑度によって両方のマーケット、そして観光スポットやカフェなどを自由に行き来できるのがメリットで、食・飲・買・遊を疲れることなくリピートできるでしょう。
いくらソーセージにかぶりついてもホットワイン飲んでもウルトラヒートテックを着込んでも寒いものは寒い😩・・・という寒がりのあなた、ブダペストには温泉がありますよ!
クリスマスマーケット×温泉という素敵なコラボが楽しめるのは、ハンガリーならではの特権です。
開催予定日:2024年11月下旬〜2025年1月上旬
公式サイト:https://budapestikaracsony.hu/en/、https://adventbazilika.hu/en
クラクフ(ポーランド)
敬虔なカトリック教徒が多いポーランドも、魅力的なクリスマスマーケットが各都市で見られる国の1つです。
その中でも南部のクラクフ(Krakow)は第二次世界大戦による被害が少なかったことから、おとぎの世界のような中世の時代の建造物がそのまま残っている、ポーランドでは非常に貴重な都市。
かつて首都として栄えた世界遺産の古都の冬は雪に覆われることも多く、真っ白の世界がイルミネーションに灯されると、息を呑むような幻想的な風景が広がります。
ハンガリーと同様、EU加盟国ながらユーロ(€)を導入していないポーランドは西欧各地に比べて物価が安めなのも特徴で、特に円安やインフレが加速している現在、なるべく低予算で楽しみたい人にはとてもおすすめの国。
クラクフで寒さに凍えたなら、クリスマスマーケット定番のお土産である伝統的なウール製の手袋やマフラー、セーターで身を包んでみてはいかがでしょうか。
開催予定日:2024年11月29日〜2025年1月1日
ザグレブ(クロアチア)
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アドリア海の鮮やかなブルーが印象的すぎてあまり冬のイメージがないクロアチアですが、首都ザグレブ(Zagreb)は実は2016・2017・2018と3年連続でベストに選ばれた、もはや殿堂入り?の知る人ぞ知る大人気のクリスマスマーケット。
その特徴は伝統に忠実なグルメや工芸品、そして街の至る所で見られるインスタ映えもバッチリのデコレーション。
ドイツ語圏各地などに比べると屋台の数も装飾も控えめで素朴な印象ですが、その飾りすぎない昔ながらの雰囲気が逆に新鮮さを与えるのかも。
それでいて特に女子心をくすぐるようなかわいいイルミネーションや仕掛けは忘れておらず、思わずカメラを向けたくなるスポットが盛りだくさん!
王道を体験した後、2回目以降のクリスマスマーケット訪問の人に特におすすめです。
ちなみにザグレブはクロアチア内陸部のためイメージほど暖かくなく、ウィーンやプラハと同程度の気温なので、ウルトラスーパーミラクルヒートテックをしっかりと着込んで行きましょう。
開催予定日:2024年11月30日〜2025年1月7日
ボローニャ(イタリア)
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世界でも指折りの観光大国であるイタリアも、クリスマスマーケットとなると最初に思い浮かべる行き先ではないかもしれません。
しかし規模こそ他国の有名どころに比べるとやや小さめでも、イタリアでもクリスマスツリーやイルミネーションと共にクリスマスマーケットが、暗い雰囲気になりがちな冬を鮮やかに彩る名物になりつつあります。
ボローニャ(Bologna)はエミリア・ロマーニャ州の州都で、1088年創業のヨーロッパ最古の大学があることでも知られた、学問の街。
ふーーーん、でもクリスマスマーケットに行くのに学問は別にどうでもいいかな・・・と思ったあなた、ボローニャはグルメ大国のイタリアの中でも有数の美食の街でもありますよ!
日本でももはや知らない人はいないであろうボロネーゼソースやパルメザンチーズ、パルマハム、バルサミコ酢などが誕生したのがこの州で、美味しいものに目がない人にはピッタリの旅先。
マッジョーレ広場(Piazza Maggiore)を中心に広がる旧市街は、今が21世紀であることを忘れてしまいそうな程、360°中世の時代の建造物がひしめき合います。
その淡いレンガ色の世界を視覚や嗅覚に任せて歩けば、目も心も舌も大満足できるはずですよ。
開催予定日:2024年11月下旬〜12月下旬または2025年1月上旬(マーケットにより異なる)
参考サイト:https://www.bolognawelcome.com/en/blog/christmas-markets-in-and-around-the-city-centre
タリン(エストニア)
最後に紹介するのは、さらにマイナーなエストニアの首都タリン(Tallinn)。
しかしこのタリンも2019年にベストに輝いた、実績あるクリスマスマーケット。
ふーーーーーん、よく分からんけどどうせドイツとかで人気になってるのを見てうらやましくなって真似したんでしょ?(鼻ほじ)
・・・と鼻ほじってるあなた、実はこのタリンのクリスマスマーケットも1441年開始の超老舗、さらにクリスマスツリーが初めて置かれた地としても知られているそう。何げにすごいタリン!
サンタクロースの国フィンランドの対岸にある街だけに、トナカイのそりに乗ったサンタさんがやってくるのもタリンならでは。本当にすごいぞタリン!!
冬の特別メニュー、音楽やダンスのイベント、ハンドメイドの伝統工芸品など、この時・ここでしか手に入らない&体験できないグルメやお土産、経験を堪能しましょう。We love タリン!!!
開催予定日:2024年11月22日〜12月27日
【おまけ】マデイラ島(ポルトガル)
うーーーーーーーん、確かにドイツもプラハもタリンもタリンも素敵だけど、どこもかしこも寒そう・・・とブツブツほざいてる寒がりのあなた、希望を捨てないでください。
クリスマスマーケットの多くは寒い地域の伝統行事であることは間違いありませんが、“常春”と呼ばれる類まれなる温暖な気候を持つ場所でも楽しむことができます。
ポルトガル本土から西に約1000km離れたマデイラ島(Madeira island)がそれで、クリスティアーノ・ロナウド選手の出身地としても知られるマデイラ島・フンシャルの12月の平均気温はなんと約18℃!
そのためクリスマスシーズンでも日中は半袖で歩いている人もいるほど暖かく、どれだけロマンチックでもインスタ映えしても凍えながら散策なんてしたくない!という寒がり共には最高のクリスマスマーケットです。
規模こそ有名どころに比べると控えめですが、伝統工芸品や温暖な気候がもたらすエキゾチックなフルーツなど、他の各国はもちろんポルトガル本土とも一線を画す雰囲気のフンシャル。
王道派とは異なる個性派のクリスマスマーケットを求めている人は、タリンはスルーしてぜひ大西洋の彼方に飛んでみてはいかがでしょうか。
開催予定日:2024年12月1日〜2025年1月7日
参考サイト:https://visitmadeira.com/en/whats-on/events/christmas-and-new-year-festivities/