【2021年夏】EUで導入予定のワクチンパスポートの情報まとめ!

ヨーロッパ
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2020年以降世界に甚大な影響を及ぼしている、新型コロナウィルス。
収束への道のりはまだ険しいものの、EUでは“ワクチンパスポート”の導入が注目されています。
この記事では、欧州在住の筆者が2021年5月時点での情報をまとめました。

そもそも“ワクチンパスポート”とは?

ワクチンパスポート、グリーンパスポート、コロナパスポートなどいくつかの名称で呼ばれることが多いですが、この記事では“ワクチンパスポート”で解説していきます。

簡潔にまとめるとEUが導入を目論むワクチンパスポート(公式名称“EU Covid-19 certificate”)とは、新型コロナウィルスのワクチンを接種した人などに対し、国外への渡航前のPCR検査や渡航後の隔離などの制限を免除するというもの。

ちなみに分かりやすいので“ワクチンパスポート”で解説しますが、EUは誤解が生じないようにその名称を否定しています。

2021年5月11日時点で、EU各国は一部の例外を除き国境をまたぐ移動は自由にできず、渡航できても指定施設や自宅での隔離が求められますが、ワクチンパスポートを提示することでそれらの免除に活用できるということですね。

それではより具体的に重要なポイントをチェックしていきましょう。

(参照元:SchengenVisaInfo.comEuropean ParliamentEuropean Best DestinationsBBC

ワクチン接種者だけが対象ではない!

このワクチンパスポートという呼び名に反応して、「体質などでワクチン接種できない人もいるのに差別だ、ムキーーー!!」みたいなコメントをしばしば見かけるのですが、対象となるのはワクチン接種者だけではありません

EUで導入予定のワクチンパスポートでは、

①EUが承認するワクチンを接種済み
②COVID-19検査が陰性
③COVID-19から回復済み

のいずれかが該当すれば、その恩恵を受けられます。

つまり、ワクチンを接種していなくても②か③を満たせば良いということですね。

①の承認ワクチンには2021年5月11日現在Pfizer-BioNTech(ファイザー/ビオンテック)・ Moderna(モデルナ)・ AstraZeneca(アストラゼネカ)・ Janssen(ヤンセン)の4種があり、今後増える可能性もあります。

②の対象期間はまだ明記されていませんが、現在入国に陰性結果を要求する多くの国では、搭乗前72時間以内と定めています。

同様に③も詳細は不明ですが、例えばポルトガルのマデイラ諸島では過去90日以内感染→回復したことの証明書があれば、別途PCR検査は不要としています。今後公式に詳細が発表されたら、情報更新しますね。

日本はEUが指定していた『安全国リスト』から2021年1月末に除外され、日本からの渡航者は居住者などの例外を除き原則入国不可になっており、その渡航可能な一部の例外者でも②COVID-19検査が陰性が入国条件になっている国がほとんどで、コロナ以前のようにパスポートのみで入国してそのまま自由に動き回れる国は一切ありません。(参考サイト:日本橋夢屋

つまり、ワクチン接種が免罪符かよ、ムキーーーー!!!と憤ってちゃぶ台をひっくり返すのではなく、2021年5月現在②しかない入国条件に①と③が加わる、という見方もできるのではないでしょうか。

【※2021年6月5日更新】EUは日本を再び安全国リストに追加しました。これによりワクチン接種の有無に関わらずEU渡航が可能になります。

デジタル版&紙版がある

 
 
 
 
 
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このワクチンパスポートは、スマートフォンで提示できるデジタル版&紙版での運用が見込まれています。

スマホ一つで利用できるのは非常に便利ですが、持っていなくて紙版があるため、年齢などを問わず誰でも利用できるでしょう。

ワクチンパスポートには氏名・生年月日・パスポート番号などの基本情報に加え、①ワクチン接種の場合は接種日やワクチンの種類、②陰性結果は検査の種類や日時、そして③感染後回復した場合はその証明が記載されます。

これらの情報は、QRコードで読み取られます。

ただしこちらもまだ実際にアプリは完成していないので、どのようにワクチン接種歴やPCR検査結果、そして感染歴と行った情報を反映させるのかはハッキリしていません。

メリット・デメリットは?

 
 
 
 
 
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このワクチンパスポートの構想は2020年から活発にされており、いよいよそれが具現化して導入を目前に控えた2021年5月でも、依然として賛否の声が聞かれます。

主なメリットとデメリットはこのような感じでしょうか。

ワクチンパスポートのメリット

・EU内を自由・容易・安全に移動できる
・経済を活性化させられる

メリットに関しては、説明が不要なほど分かりやすいですよね。

コロナ以前は、旅行やビジネスに加え、家族訪問や買い物など大小の用事で毎週のように国をまたいで移動するEU市民は珍しくありませんでした。

それがコロナで分断され、感染状況により厳格化と緩和を繰り返してはいるものの、コロナ前の状態には程遠いのが現状。

当然経済的なダメージは計り知れなく、その筆頭格であるイタリアの観光業では2020年に約16兆円の損失、33万7000人が失業し10万の企業が倒産危機というデータも。

そのような壊滅状態ではワクチンパスポートの導入が渇望されるのはごく自然ですし、各国の国民もまた長く続くロックダウンに辟易しており、状況さえ許せばすぐにでも渡航してバカンスを楽しみたいでしょう。

日本からの旅行を想定しても、例えば複数の国を周遊したい場合現行のルールだと72時間を超えたPCR検査は無効のため、単純計算で1つの国に3日以上滞在する場合は国境を越えるたびに検査を受けなくてはなりません。

その点、ワクチン効果は少なくとも数ヶ月は有効のはずなので、旅行中に追加で検査を受けなくて済むのは利点と言えるでしょう。

・・・と書くと、ワクチンパスポート最高かよ、今すぐやろう!\(^o^)/と飛びつきたくなりますが、実際のところ反対意見や懸念は少なくありません。なぜでしょうか?

ワクチンパスポートのデメリット/課題

・ワクチンの具体的な効果(持続期間など)が未だに不明
・偽造による悪用
・個人情報の漏洩

まずワクチンの効果が不透明/不完全なため、EU内外から入国後の隔離なしの渡航者が一気に増えることで再び感染が拡大する恐れが指摘されています。

各ワクチンの効果がどれぐらい持続するかはまだ明らかではなく、また感染を完全に防ぐ訳ではないため、無症状感染→現地で人に感染させる可能性が。

そして現在世界中の国々や航空会社で求められている陰性証明でも偽造問題が多発しているため、これもクリアしないといけない壁です。

さらに氏名・パスポート番号・ワクチン接種履歴といった個人情報が正しく保護される事も、絶対条件となるでしょう。

これらの課題や不安点を、導入開始までにどのように解決していくかが注目されます。

いつから始まるの?

 
 
 
 
 
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このワクチンパスポートは夏のバカンスシーズンが始まる前、2021年7月1日に導入が予定されています。

ワクチン接種が進むEU各国やイギリスでは4月〜5月にかけて夜間外出禁止令の撤廃・飲食店の営業再開・イベントの上限人数拡大など、まずは国内の規制緩和が続々と進んでいます。

その延長線上に、渡航制限の解禁も視野に入っている訳ですね。

が、実はこのワクチンパスポート導入を待たず、すでに条件付きで国外からの渡航を許可している/する予定の国は少なくありません

バルト海に面したエストニアでは2021年2月に早々とワクチン接種者&感染から回復した人の受け入れを開始し、バルカン半島のクロアチアモンテネグロ(※EU非加盟)もワクチン接種などを条件に国境を開放。

さらにフランスは6月9日、イタリアも5月中旬から世界からの観光客の受け入れを再開する予定で、それに向けて段階的な規制緩和を行なっている最中です。

当初からEU内でもより観光業が経済に大きな割合を占める南欧の各国は積極的で、北〜中欧は慎重な姿勢だと言われていましたが、最終的に各国は足並みを揃えてスタートできるでしょうか?

日本からの渡航者でも使える?

 
 
 
 
 
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で、ここまで読み進めてきたあなたはきっとこのような疑問を持つでしょう。

これはEU各国に住んでいる人だけのシステム?日本在住者は蚊帳の外?

いえ、このEUのワクチンパスポートは日本を含む世界中の国々からの渡航者が共通で利用できるとEUは明言しています。

日本側もまた、日本国内の独自のワクチンパスポート導入については否定的な見解を示しているものの、EUを始め国際的にこのようなシステムが出入国に必要になれば、それに対応する構えを見せています。

まあ対応できないといつまで経っても入国できなかったり、できても10日とか14日とか隔離されたりすることになるでしょうから、ここは迅速に動いてほしいものですな。

ただしこの点も、EU内のみならず世界中で接種したワクチンの記録や感染から回復した証明を実際にどのようにシステム化させるのかは不明。

行くのは良いが帰った時に問題が?

と聞くといよいよ欧州旅行も間近に!!と鼻息が荒くなってきますが、日本からの渡航の場合は少し冷静になる必要が。

なぜなら外務省は東西南北欧州全域を『レベル3:渡航中止勧告』に指定しており、この中には前述のクロアチアやフランス、それ以外にもコロナの状況が非常に安定しているアイスランドなどもバッチリ含まれています。

この勧告は法的な強制力はないのでなりふり構わず渡航することは可能ではありますが、日本帰国時に14日間の自主待機などが待ち受けています

つまり予定通り2021年7月にワクチンパスポートが導入され、EUが世界からの観光客を受け入れても、日本が水際対策を緩和しない限り日本帰国時に非常に面倒な状況になる、と。

この水際対策がいつ緩和されるかを予想するのは難しいでしょう。

イギリスやインドのように変異株が発生すればたちまち強化することも考えられるので、あまり楽観的にはなれないかな、と個人的には思います。。。

各国の入国制限や国内の規制と同様、日本の水際対策も常時変更・更新しているので、最新情報を必ずチェックするようにしましょう。

参照:厚生労働省

すでに独自のワクチンパスポートを導入済みの国も

 
 
 
 
 
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ここまでEUが導入予定のワクチンパスポートについて解説してきましたが、すでに独自のワクチンパスポートをバリバリ運用している国があるのをニュースで見た人もいるのではないでしょうか。

EU加盟国ではないものの、その代表格が中東イスラエルです。

ワクチン接種レースでも抜群のロケットスタートを切ったイスラエルは、グリーンパスと呼ばれるシステムを2021年2月に早々とスタート。

ワクチンを2回接種した人や感染して回復した人がグリーンパスを提示することで、レストラン・ジム・スタジアム・劇場などあらゆる場所に入場が許可されます。

また、世界3大ガッカリ像の人魚姫で有名なデンマークも、“コロナパス”により規制緩和が快調に進んでいます。

こちらもワクチン接種済み・72時間以内に受けた陰性結果・感染して回復済みのいずれかに該当すれば、同様にパスの提示でレストランやバー、美容院の利用が可能に。

さらにまたまた登場のエストニアも、4月末にワクチンガードという屈強そうなシステムをスタートしています。

コロナ後の世界では、ワクチンパスポートが旅行や観光に必須になるのか?

EUのワクチンパスポートと同様に、各国の今後の動きが注目されます。

まとめ

2021年7月に導入が予定される、EUのワクチンパスポートについて解説しました。

すでに最終的なステップに突入しているもののまだ不明な点はいくつかあり、多くの市民にとっても期待と不安が入り混じっているのが現状です。

課題があるのは事実ですが、再び欧州を自由&安全に旅行できるように、また大打撃を受けている観光業が復活できるように、ワクチンパスポートがコロナ後の新しいシステムとして順調にいくよう願います。

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