【2022年】『世界寄付指数』ブービーの日本に海外在住者が思うこと

世界
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『世界寄付指数』というランキングをご存知でしょうか。
人助け指数などとも呼ばれるこのランキングはイギリスの慈善団体が毎年発表するもので、日本がことごとく低い順位になっている事がしばしば話題に。
果たして日本は本当に寄付や人助けをしない国なのか?海外在住の筆者が考察しました。

そもそも『世界寄付指数』とは?

本題に入る前に、まずこの『世界寄付指数』って何なの?という点から始めましょう。

英語では‘World Giving Index’と呼ばれるこのランキングは、イギリスの慈善団体Charities Aid Foundation(CAF)が2010年から発表しています。
(参照サイト:Charities Aid Foundation、以下同様)

ランキングは過去1ヶ月に3つの行動をしたかどうかというシンプルな質問に対し、『Yes』と答えた人の割合によって計算されます:

・Helped a stranger, or someone you didn’t know who needed help?(見知らぬ人または知らなかった人を助けたか?)
・Donated money to a charity?(チャリティーにお金を寄付したか?)
・Volunteered your time to an organisation?(団体にボランティアとして時間を捧げたか?)

つまり一人当たりいくら寄付したかや何時間ボランティアを行なったかは考慮されず、あくまでもこれらの質問に対して何%の人がイエスと答えたか、ということですね。

同サイトではコロナが世界に与えた影響についても言及しており、2018年にはトップ10のうち7カ国が国連により『高所得国(high-income countries)』と分類された国だったのが、2020年には逆に7カ国が『低・中所得国(low- and middle-income countries)』で占められる結果に。

もし寄付の額でランキングを作れば、必然的に高所得国が上位になるでしょう。

しかし、寄付をする人の割合人助けボランティアという必ずしも収入の高さと比例しない要素から指数を計算しているため、何十倍も所得の差がある国がそれぞれランキングに入り混じっているのは興味深いと言えるのではないでしょうか。

より詳しいレポートはこちらのPDF(英語)で確認できるので、より深く知りたければぜひ目を通してみて下さいね。

【悲報】2022年版・日本は119カ国中118位

で、ざっくりとした内容が分かったところでランキングの中身をチェックしていきましょう。

この世界寄付指数が毎年のように日本でいくらか話題になるのは、毎回ことごとくそのランキングがひどい結果だからに他ならないでしょう。

2022年版もその例にもれず、119カ国中118位という散々たる順位。

カンボジアのおかげでなんとか最下位は免れたものの、もし可もなく不可もなくな無難な順位なら、このランキング自体に日本人が注目することもあまりなかったかもしれません。

ではもう少し詳しく数値を見てみると、『人助け指数』が24%(=質問にイエスと答えた人の割合)で118位・『寄付指数』が18%で103位・『ボランティア指数』が17%で83位となっています。

この数値だけ見ると、日本人の大部分が人助けをしない・寄付もしない・ボランティアもしないというネガティブな印象を与えてしまうのはやむを得ないと言えるかもしれません。

では他にどういった国が上位&下位に入っているのでしょうか?

日本以外のランキングはどんな感じ?

この2022年版のトップ10は、

1位インドネシア
2位ケニア
3位アメリカ合衆国
4位オーストラリア
5位ニュージーランド
6位ミャンマー
7位シエラレオネ
8位カナダ
9位ザンビア
10位ウクライナ

ワースト10位が、

110位アルメニア
111位ラトビア
112位チュニジア
113位ラオス
114位ポルトガル
115位レバノン
116位エジプト
117位アフガニスタン
118位日本
119位カンボジア

となっています。

こうして見ると、先に書いた経済面だけではなく宗教・地域にもあまり相関性がなく、トップ10にもワースト10にもヨーロッパ・アジア・アフリカの国が最低1つはランクインしている結果に。

また1位に輝いたインドネシアはなんと5年連続のトップで、その理由の1つに『ザカート』と呼ばれるイスラム教の最も重要な基礎の1つであるいわば助け合いや喜捨が根付いていることが挙げられています。

が、その割にはワースト10にもイスラム教徒が大多数を占める国が3つもランクインしており(チュニジア・エジプト・アフガニスタン)、宗教という一面のみがランキングの順位を決定づけている訳ではなさそうです。

【海外在住者の独断】なぜ日本はこんなに低いのか?

この記事を書いている筆者はオランダ在住ですが、オランダは総合ランキング29位

あーはいはい、要は海外バンザイ\(^o^)/、日本はク○💩!って言いたいんでしょ・・・と思われるかもしれませんが、そうではありません

確かにオランダは日本より遥かに高い順位ですが、同じヨーロッパでも例えばスペインは99位、フランスが100位、イタリアは109位、そしてすでにワースト10に名前が出てたポルトガルは114位と、決して褒められた結果にはなっていません。

こうした日本と大して差のない下位の欧州各国をスルーして、日本だけをディスるのは不公平ですよね。

折しもこの記事を書いている2022年11月、ワールドカップの試合後にスタジアムのゴミ拾いをする日本サポーターが世界から称賛されており、この順位だけでク○のレッテルを貼るのは早計でしょう。

しかしなぜ日本がここまで低い順位なのか、海外在住者の視点で勝手に考えてみました。

アピール<謙遜する国民性

この3つの質問のうち『寄付』『ボランティア』はイエスorノーの答えが分かりやすいですが、『人助け』は基準が曖昧ですよね。

例えば飛行機の中で急病人が出て、お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかっー!?レベルの『人助け』なのか、道を教えたり電車で席を譲るレベルの『人助け』なのか。

日本人は何かと謙虚で謙遜する傾向が強いので、仮に小さな親切や気遣いを行なっていても「この程度なら人助けとは言えないか」と、いちいちアピールしない可能性は充分あると思います。

他人に迷惑をかけることを極度に嫌う

もう一つの日本人の典型的な特徴が、とにかく人に気を遣うことではないでしょうか。

人に迷惑を掛けてはいけないという風潮が強いため、多少困ったことがあっても簡単には人に頼らず自分で何とかしよう、という人が多い気がします。

実際に現代はスマホで何でも調べられるため、道が分からなくても美味しいレストランが知りたくても、人ではなくグーグルに聞く人が大多数なのは当然と言えるかもしれません。

何事にも慎重

特に『寄付』の低さの1つの要因な気がするのが、慎重な国民性です。

寄付はしたい、けどどこにしたらいいか分からない、ちゃんと使われるか不安、詐欺だったら・・・などなど。

慎重なのは決して悪いことではなく、実際にコロナやウクライナ侵攻に乗じて世界的に詐欺も増加しているそうなので、まずはきちんと調べてから寄付したいというのはごく当然のことです。

しかしその慎重さ故にあれこれ調べてたら面倒になっちゃった、結局どこが一番いいのか分からなかったetc.、ゴールに辿り着く前に脱落してしまう人が一定数いるのではないでしょうか。

人と比較して判断する

人と比べるのも大好きな日本人。

例えば大規模な災害が起きると、有名な芸能人やスポーツ選手が多額の寄付をすることがニュースになったりしますよね。

素晴らしいことです。

が、だからといって寄付の額が少ないと意味がないということではありません。

有名人や周りの人がいくら寄付しようがボランティアをしようが、自分にできることをすれば良いはずですが、判断基準が『自分』ではないと「自分以外の人がもうやってるから」と他人任せになってしまうかも?

コロナによる人との接触の減少

コロナは世界中に甚大な影響を及ぼしましたが、コミュニケーションの変化もその1つでしょう。

オフィスに出勤してたのがリモートワークになったり、マスク着用やソーシャルディスタンスが当たり前になったり。

良いか悪いかは別として、欧州では義務でなくなるのと同時にマスクもソーシャルディスタンスもやめる人が多数派なのに対し、日本はそもそも義務になってもいないのにマスク着用が大多数

顔の2/3が隠れれば人が悲しんでいる・困っている・体調が悪いetc.といったことにも気づきにくくなり、そんな生活が何年も続けば、正常なコミュニケーションを取るのに支障をきたすのも当然ではないでしょうか。

オランダはなぜ寄付指数が高い?

 
 
 
 
 
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総合ランキングでは29位のオランダですが、特に目を引くのが『寄付指数』3位・過去1ヶ月に68%の人が寄付をしたという数字。

すごくないですか??

ちなみに『寄付指数』の1位は総合ランキングでも1位のインドネシアで84%、2位は総合ランキング6位のミャンマーで73%。

インドネシアは約9割がイスラム教徒、ミャンマーは約8割が仏教徒なのに対しオランダは約5割がキリスト教徒ではあるものの4割以上が無宗教となっており(参照:countrymeters)、宗教的な目的での寄付がメインではなさそうです。

ではなぜオランダはここまで『寄付指数』が高いのかを考えると、やはり習慣なんだろうな、と。

ワールドカップのゴミ拾いに話を戻すと、多くの日本人はこの行為を「学校や家庭で片付けをしつけられたから」と考えるでしょう。

もちろん日本人の全員が全員同じようにゴミ拾いをするわけではなくても、腰が抜けるような驚愕の行為とは感じないはずです。

しかしそれが習慣になってない国の人からすると、腰を抜かして顎も外さんばかりの行為に映るわけです。

オランダの寄付文化がいかに根付いているかを感じさせる例が、こちらの記事。

光熱費の補助を受けずに寄付で、すでに10万ユーロ
光熱費の補助を受けずに寄付で、すでに10万ユーロ

ロシアのウクライナ侵攻により光熱費が急騰する中、オランダ政府が全世帯に€190の補助金を2回払うことを決定したのですが、それを不要とする人が早速その補助金をそのまま寄付しようという、その名も『190euro』というサイトを立ち上げ、20日も経たないうちに10万ユーロが寄付されたそう。

もしこれが光熱費の高騰でも寒い冬を乗り切れるようにちゃんこ鍋セットを支給!とかいかにも微妙な補助なら他人に譲る人は日本でもいそうですが、お金をそのまま他人に寄付、それもただ自分がするだけではなく他人も続けられるように短期間でサイトも立ち上げるというのは、驚異的に感じます。

これも「自分に不要なものは必要としている人に与える」という習慣が、子供の頃からしっかりと教えられているからこそできる行動ではないでしょうか。

もう一つ加えると、オランダには日本のようにスーパーやコンビニのレジに募金箱が置いてあることはほとんどなく、「気が向いたら」「たまたま小銭があれば」寄付するというよりは、毎月定額をチャリティー団体に寄付する人が多いのだと思います。

例:UNICEFより・毎月定額を寄付する人も多い

寄付に限らず勉強や運動、ダイエットなども計画的に継続できる人と三日坊主で終わってしまう人が必ずいますよね。

もちろん1回きりの寄付でも0回よりは良いですが、多くのオランダ人のように寄付していることを意識しないほど当たり前のように寄付できるのは、理想的ではないかと感心します。

日本がランキングを上げるには?

では、日本がランキングを上げるには何が必要なのでしょうか?

すでに書いたように、筆者の個人的な見解ではこのランキングの低さは「ただ謙遜してるだけ」も要因の1つだと思っていますが、それにしても低いよりは高いほうが良いですよね。

ということでこれまた甚だしく勝手ながら、日本の寄付ランキングを上げよう大作戦を考えてみました:

①謙遜せずにYESと言う・・・はい、もうこれだけでランキングは跳ね上がる気がします。
席を譲る、ゴミを拾う、困っていそうな人に気軽に話しかけるなどなど、小さなことでも人の役に立てば人助けとしてカウントして良いのではないでしょうか。

②『人助け』に興味を持つ・・・まずはこのステップがないと、行動には移せません。
寄付はお金がある人、ボランティアは時間がある人がやればいいというのではなく、自分にできることは何か?を考えることが最初の一歩。
日本より経済水準が遥かに低い国でもより多くの人が寄付を行っている以上、「お金がない」は言い訳にならないはずです。

③習慣化する・・・寄付にしてもボランティアにしても、「時間orお金があれば」「いつかそのうち」というスタンスでは、なかなか実践できません。
たとえどんなにわずかな額や時間でも、あらかじめ確保しておく意識を持つことで、長期的に継続しやすくなるはず。

④人との距離感を縮める・・・元々日本は人との距離感が感覚的にも物質的にも長い国ですが、コロナでさらに強調されている気がします。
コロナに感染しないことがベターなのは間違いありませんが、そのために他人とのコミュニケーションを犠牲にするのも良いとは思えません。

⑤自分が無理なく続けられることをする・・・例えばボランティアなら様々な内容・日程・場所で行われていますが、興味がないことや日程が合わないことだと長期的に行なうのは難しいでしょう。
寄付も同様で、自分にとって負担にならない額をよく考えてから実践するのが大事です。

⑥信頼できる情報をすぐにチェックする癖をつける・・・寄付をする場合、UNICEFのような世界的な機関もあればコロナなどを機に急に立ち上がる機関もあります。
残念ながらその全てが信頼できる機関とは限らないので、まずは寄付をしようという機関や団体について、数分でも良いので情報収集をする意識を持つのが無難です。

まとめ

毎年のように日本が著しく低い順位になることで密かに有名な?『世界寄付指数』についての見解でした。

実際のところ、国民性や習慣をガッツリと変えるのは簡単ではありません。

謙虚や慎重といった国民性も決してネガティブな面だけではなく、必ずしもそれを変える必要もないと思います。

まず最初の一歩は、興味を持つこと。

そこから自分ができることを探し、行動に移していくことが大切ではないでしょうか。

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