ベルギーの首都ブリュッセルは、世界一美しい広場とも言われるグラン・プラスを中心とした、ヨーロッパでも有数の景観と美食を誇る街。
そんなブリュッセルを旅行する際にぜひ知っておきたい気候とベストシーズンを、隣国オランダに住む筆者が解説していきます。
欧州で一番雨が多い?ブリュッセルの意外なデータとは
唐突ですが、ヨーロッパで最も雨が多い首都は?
と聞かれたら、どこが思い浮かぶでしょうか。
ロンドン?アムステルダム?北欧のどっか?
とあるサイトによると、欧州44の首都で年間降水量が最も多いのは、、、モンテネグロのポドゴリツァ!!
…はい、マイナー過ぎてリアクションのしようがありませんね。
しかし、降水日数のトップは、ベルギーのブリュッセル。
意外じゃないですか?
英国人やオランダ人は毎日挨拶のように自国の天気の自虐ネタや愚痴をこぼすのがお約束なのですが、ベルギー人は優雅にホットチョコレートを飲んでるイメージでした。
しかも年間降水日数の199日は、2位のアイスランド・レイキャビクの148日以下をぶっちぎっての優勝。
ちなみにアムステルダムは132日で5位、ロンドンに至っては109日の20位と、全く勝負にもなりませんでした。
まあこの手のデータはいつの記録から作成しているによって数字にかなり差があるのですが、ともかくブリュッセルは雨の日が多いというのは間違いないでしょう。
ただ、年間降水量としては852mmで9位となっており、軒並み1500mm前後の日本の各主要都市よりずっと少なめ。
ブリュッセルは前述のロンドンやアムステルダム、パリ等と同様に西岸海洋性気候に属しますが、これらの都市はいずれも“雨の日数=日本と同程度〜多い”・“雨の量=日本より少ない”という共通の特徴を持ちます。
筆者も春夏秋冬何度もブリュッセルを訪れていますが、確かに一日中大雨ということは極めて珍しいように思います。
一日の中で降ったり止んだりを繰り返すので、日数としては多くなる代わりに実際の量はさほど多くないということでしょう。
平均気温・降水量・日照時間をチェック!
それではブリュッセルのより詳しい気候データとして、平均最高/最低気温・降水量・日照時間を見てみましょう。
データはサイトにより多少差異があるので、この記事ではClimatestotravel.comを参照にしています。
まず雨のデータに注目してみると、年間を通して大きな差がなく一定量が降ることが分かりますね。
そのためどの季節に旅行するとしても、忘れずに雨具の用意はして行った方が良いでしょう。
そして気温に目を向けると、真夏の7月8月でも平均最高気温23℃・最低気温13〜14℃という低さ。
ごくまれに天変地異のように発生する熱波の際を除けば、酷暑が日常化している日本から行くと楽園のような気候。
逆に11月から3月までは平均最高気温10℃以下&最低気温5℃以下となっており、しっかりと防寒対策をしていかないと凍えます。
東京や大阪など日本の主要都市を基準にすると、1年を通して平均的に気温が5℃前後低いので、どの季節でも1枚プラスor一回り厚めの服装、という感覚で良いでしょう。
また南欧と比べると決して日照時間が長いとは言えないブリュッセルですが、サマータイムのおかげもあり4月から8月は6〜7時間/1日と、太陽の出番が多め。
単純に天候の良さで時期を選ぶとしたら、この春から夏がベストシーズンと言って良いでしょう。
目的別!ブリュッセルのベストシーズン
そうは言っても中にはその時期に休みが取れない人、人混みが嫌いな人、あるいは屋内のスポットやアクティビティをメインに考えている人もいるでしょう。
そこで目的別のブリュッセルのベストシーズンを解説していきます。
街散策や食べ歩きを満喫したい
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ブリュッセルの目玉でもある美しい建造物&絶品ストリートフードを存分に楽しむなら、4月〜6月と9月10月がおすすめ。
もちろん気候的には7月8月も素晴らしいですが、人気観光地やグルメスポットが軒並み混む点がマイナス。
雨に関してはどの季節もあまり変わらないので、気温的に寒すぎず混雑度もマシな春と秋は特に歩きやすくバランスが良いと言えるでしょう。
ミュージアム巡りをしたい
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気候が関係ないミュージアム巡りを楽しむなら、観光客が少なめな11月と1月〜3月中旬がゆっくりマイペースに鑑賞できます。
建築も見事な王立美術館、ブリュッセルが生んだシュールレアリスム界の巨匠ルネ・マグリット美術館、グラン・プラスに面した市立博物館などはブリュッセルを代表する人気ミュージアム。
また毎月第一日曜は多くのミュージアムが入場無料になるので、多少の混雑を受け入れられるならとてもお得です。
混雑を避けてのんびり滞在したい
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華やかなブリュッセルは年間を通して何らかのイベントやフェスティバルがあることもありガラガラの閑散期というのはありませんが、やはり相対的に落ち着いているのは夏より冬です。
具体的にはサマータイムが終わる10月下旬からクリスマス休暇前の12月上旬、そして休暇後の1月中旬からサマータイム開始前の3月中旬頃は、人気観光スポットやレストランにも落ち着いて足を運びやすくなる時期。
ホテルもハイシーズンに比べて安くなる場合が多いので、コスパ重視の人にも冬はベストです。
ロマンチックにハネムーンやデートを過ごしたい
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見どころたっぷりのブリュッセルはハネムーンやカップルにも大人気ですが、特に見逃せないのは冬のクリスマスマーケットと2年に一度夏に開催されるフラワーカーペット。
フラワーカーペットは8月中旬の週末3〜4日と短期間のため混雑は避けられませんが、ただでさえ美しいグラン・プラスが色とりどりの花で埋め尽くされる景色は間違いなく一見の価値があります。
一方クリスマスマーケットは通常11月下旬から年明けまでと期間が長いので、12月上旬までの平日であれば比較的落ち着いています。
いずれも2020年は新型コロナウィルスの影響で中止になってしまいましたが、来年以降に機会があればぜひ狙ってみましょう。
ブリュッセル旅行で避けた方が良い時期は?
ブリュッセルは例えばビーチリゾートのようにオンオフがハッキリしている都市ではないので、絶対避けるべきという時期はありません。
気候的にも冬の寒さは南欧に比べれば厳しいですが、雨が一年を通してまんべんなく&遠慮なく降ることもあり、圧倒的に良い季節というのも悪い季節というのも特にないと言っていいでしょう。
ただし自分の旅の目的や期待する雰囲気、予算によってはあまり向いていない時期というのはあります。
ブリュッセルに限らず欧州の多くの都市でも同様ですが、簡単にまとめるとこのような特徴になります。
夏→気候が良いためレストランやカフェのテラスでの飲食にも最適。
1年で最も活気が溢れるため、街は混雑しホテルの価格も高くなりがち。
冬→昼が短くクリスマスマーケットなどのイベント時以外は良く言えば静か、悪く言えば地味。ホテルやツアーは最安の時期。
春・秋→寒い日も多いが、新緑や黄葉、落葉などこの時期ならではの美しさも。混雑度や料金的にも並程度。
明るい陽キャなブリュッセルがいいなら夏、陰キャっぽくても落ち着いて観光がしたい場合は冬、雰囲気的にも予算的にも無難なのは春と秋といったところでしょうか。
どの季節でもそれぞれ異なる見どころや魅力があるので、ぜひあなたにとって最適の時期を選んでブリュッセル旅行を満喫してくださいね。