ヨーロッパでも有数の温泉大国として密かに知られているのが、中欧オーストリア。
アルプスの大自然を間近に感じられるダイナミックな温泉から観光の合間に行ける都市型スパまで、オーストリアならではの個性派温泉を厳選して紹介します。
オーストリアの温泉の特徴は?
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古代ギリシャ人やローマ人も愛していたというオーストリアの温泉は、現代でもオーストリア人にとって憩いの場であり、癒やしの場であり、交流の場でもあります。
近年では世界的な健康に対する意識の高まりもあり、アジアンリゾート風からブティックホテルのようなスタイリッシュな施設まで、設備・サービス・雰囲気ともに趣向を凝らした個性豊かな温泉施設が充実。
地元民と同時に国内外の観光客も惹きつける、オーストリアの立派な観光資源の一つにもなっているわけですね。
オーストリアならでは温泉ルールや特徴も!
しかしそこは日本から遥か離れた中欧の温泉、日本とは異なる点がいくつかあります。
その特徴を大まかにまとめると、
・温泉の温度は低めで温泉プールという感じ
・温泉プールはスイムウェア着用、サウナは着用不可で混浴が多い(男女別のサウナがある所も)
・日帰り利用あるいはホテルを併設した宿泊もできる施設が多い
・ウォーターパークのようなファミリー向きの施設や療養用の施設まで様々
温泉の温度が35℃〜40℃ぐらいの低めというのは概ね欧州の温泉に共通していて、熱々のお湯が好きな人にはぬるく感じるでしょうが、その分ゆっくりと長湯するのに最適です。
そして多くの日本人にとって最も気になる点、はいそうです混浴&全裸のサウナですね。
まあ筆者が住む某オラ○ダはプールエリアすら基本スイムウェア着用不可なので、そこが着用なだけでもクレイジーさがマシな気もしますが、この点は抵抗がある人や逆にヒャッハーな人もいるのではないでしょうか。
個人的な見解では、オーストリアに限らずこの辺りの国々では自分自身の心身の健康やリフレッシュのためにサウナに行くという習慣が根付いており、他人のカラダをガン見してヒソヒソ…🤭などという人はまずいません。いればその人の方が異常です。
なのでちょっとダイエットに失敗して体型ガーとか筋トレが間に合わずシックスパックガーとか、そんなことを気にする必要は全くありませんし、逆に金髪のモデルみたいな美女の大群を期待して行くと中年以上が多くてガッカリする可能性も。
ただ、一応アンダーヘアの処理はマナーとされているので、変な意味で目立たないようにそれは行なってから行くことをおすすめします。
とにかく広い温泉は泊まりで訪れるのがおすすめ
例えば隣国のハンガリーでは数百年前の施設をほぼそのまま残しているいかにも老舗という温泉がありますが、オーストリアは極めてモダンでサウナ、各種マッサージやエステ、ジム、レストラン、ホテルなどを併設した大型スパ施設が主流。
場所も特徴的で、街ナカや駅前のアクセス抜群の場所もあればアルプスの山を目の前に眺めるド迫力な温泉も。
アクセスが良ければ気軽にデイスパとして利用するのも良いですが、基本的に広大な敷地&充実したサービスが売りなので、それを思う存分堪能したいのであれば最低でも2泊はするのがベストです。
オーストリアを代表する人気温泉マップ
数あるオーストリアの名物温泉施設の中でも特に人気の10ヶ所をマップにまとめると、このようになります。
特に山間部にある⑤〜⑦はスキーやハイキング客に人気で、疲れた身体を芯から温めてリラックスするのに最高のスポット。
逆に①はウィーン観光ついでに訪れられる立地で、日程にあまり余裕がなくても立ち寄りやすいのがメリットです。
注:2020年以降、新型コロナウィルス及びウクライナ侵攻によるインフレの影響で、営業状況や料金が頻繁に変更しています。必ず各公式サイトで最新の情報を確認するようお願いいたします。
【特に記載がない場合、下記情報は2023年6月時点】
①Therme Wien
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ウィーン中心からメトロ1号線で1本というアクセスが魅力のTherme Wien(テルメ ウィーン)は、まさに都会のオアシスという雰囲気。
都市型スパは時に狭くてゴチャゴチャしてて…という印象がありますが、こちらの四季折々の風景が見られる大きな庭園とそれを目の前に眺められる温泉プールやラウンジのおかげで、賑やかなウィーンとは別世界のよう。
サクッと短時間リフレッシュしに、あるいは温泉・プール・サウナ・フィットネス・レストランなどをまんべんなく満喫しに。
ウィーンの街同様、あらゆる過ごし方ができる万能スパです。
住所:Kurbadstraße 14, 1100 Wien, オーストリア
料金例:〜3時間/€26.5、1日(6月〜8月)/€29.5 【サウナ】€10.5(全曜日共通)
営業時間:9:00〜22:00
②St. Martins Therme & Lodge
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ハンガリーまで約10km、貴重な動植物の宝庫である国立公園のすぐ隣の湖畔に建てられたユニークな“レイクスパリゾート”が、St. Martins Therme & Lodge(セント マーティンズ テルメ & ロッジ)。
夏の気温が高い日には遊泳やシュノーケリングもできるほど綺麗な湖と、それに見事に調和したモダンなスパ施設は日頃のストレスや疲れを流し去るのに理想的です。
屋内の温泉プールやサウナからも湖をダイナミックに鑑賞できる設計になっているため、寒い冬や雨の日でも魅力が失われることはありません。
ぜひ周辺のエリアでの自然散策とセットで楽しみましょう。
住所:Im Seewinkel 1, 7132 Frauenkirchen, オーストリア
料金例:〜3時間/€28、1日/€36【サウナ】€15
営業時間:日〜木9:00〜21:00、金土9:00〜深夜
③Rogner Bad Blumau
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数多くのオーストリアの良質な温泉施設の中でも特に人気なのが、Rogner Bad Blumau(ログナー バード ブルマウ)。
電車だとグラーツから約2時間、ウィーンからは約2時間半というお世辞にも良いアクセスとは言えないこのスパが世界的に知られているのは、オーストリアの奇才建築家フンデルトヴァッサーの設計だから。
一歩入ればカラフルで遊び心に溢れたデザインながらも自然と一体化したいかにも彼らしい施設で、温泉プール・サウナ・レストラン・ホテルはいずれもワクワクとリラックスがミックスしたような特別な空間。
ただの温泉じゃ物足りない!という人は、フンデルトヴァッサーの魔法にかかりに訪れてみてはいかがでしょうか。
住所:Bad Blumau 100, 8283 Bad Blumau, オーストリア
料金例:【月〜金】1日/€54【土日祝】1日/€63【17:00〜23:00】€41.9(全曜日共通)
営業時間:9:00〜23:00
④Thermenresort Warmbad Villach
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2000年前にはすでにローマ人のお気に入りだったというオーストリア南部の歴史的な温泉地にできた大型スパリゾートが、Thermenresort Warmbad Villach(テルメンリゾート ヴァルムバード フィラッハ)。
観光客が主に利用する温泉施設や3つの4&5つ星ホテルの他にも、リハビリ施設や整形外科を併設していることからも、この地が療養地としてしっかりと根付いていることが分かります。
スポーツ好きは25mプール、子供はウォータースライダー、リラックス目的ならサウナやハマムでしっかりと汗を流し、マッサージやフェイシャルで締めくくればとびきりの休暇を過ごせるでしょう。
あまりの施設の充実っぷりで、駅の目の前ということを忘れてしまいそう。
住所:Kadischenallee 23, 9504 Villach, オーストリア
料金例:【サウナなし】〜3時間/€18.9、1日/€23.9【サウナ込み】〜3時間/€28.5(※2020年12月時点)
営業時間:9:00〜22:00
⑤AQUA DOME
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AQUA DOME(アクア ドーム)は、アルプスでのスキーやハイキングで疲れた身体を癒せるチロル地方最大の温泉リゾート。
山々に囲まれた巨大な50000㎡の敷地内に浮かぶのは、ガラスを多用した近未来的なデザインの建物。
しかし谷から汲まれる硫黄がたっぷり含まれた温泉は16世紀から親しまれており、過去と未来が交錯したような感覚を味わえます。
日が暮れると満天の星空を頭上に眺めながらライトアップされた温泉や水中から音楽が流れる温泉が楽しめ、この上なくロマンチックなムードになるのでカップルにも最適。
住所:Oberlängenfeld 140, 6444 Oberlängenfeld, オーストリア
料金例:【サウナなし】1日(9:00〜18:00)/€46 【サウナ込み】1日(9:00〜18:00)€61
営業時間:9:00〜23:00
⑥TAUERN SPA
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TAUERN SPA(タウエルン スパ)も、スキーとセットで訪れるのに最適な温泉リゾート。
温泉、サウナ、ウォーターパーク、そして4つ星ホテルを融合させた施設は、大人も子供も喜ばせる要素が盛りだくさん。
12種類のプールに10種類のサウナ、極上の癒やしのひとときをもたらす各種マッサージやトリートメントに加え、3歳以上の子供対象の託児サービスも。
他の多くの温泉施設と同様サウナは子供入場不可なので(15歳以上限定)、温泉と同様サウナも時間を気にせず堪能したい子連れファミリーには嬉しいポイントですね。
住所:Tauern Spa Str. 1, 5710 Kaprun, オーストリア
料金例:〜3時間または18:00〜/€32、1日/€38.5【サウナ】+€18
営業時間:9:00〜21:00
⑦Alpentherme Gastein
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ザルツブルクから行きやすいスタイリッシュな温泉リゾートとして絶大な人気を誇るのが、Alpentherme Gastein(アルペンテルメ ガシュタイン)。
温泉でのリラックスは言うまでもなく、健康、スポーツ、エステ、マッサージ、グルメなどあらゆる目的や興味を持つ人を満足させてくれる多機能型の施設です。
非常に珍しい温泉でできた2つの湖は皮膚の不調に良いとされ、山々の絶景を眺めながら浸かれば身体・心・肌を瞬時に充電できそう。
女性専用エリアが充実しているのもポイントで、見ず知らずの男性と共にサウナに入ることに抵抗がある人や、女子旅や母娘同士であれこれ気を使わず利用したいという人にもピッタリです。
住所:Senator-Wilhelm-Wilfling-Platz 1, 5630 Bad Hofgastein, オーストリア
料金例:【サウナ込み】〜4時間/€36、1日/€43
営業時間:日〜水9:00〜21:00、木〜土9:00〜22:00
⑧Therme Geinberg
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ドイツとの国境に近いTherme Geinberg(テルメ ガインベルク)は、カリブ海風の屋外エリア&中東風のサウナエリアが魅力のエキゾチックなスパリゾート。
しかしながらこの地の温泉は古くから医学用にも使われていた由緒ある泉質で、リウマチや筋肉、関節の不調の他、肌のトラブルにも良いとされています。
少々カリブより涼しい気もしますが、ヤシの木にトロピカルカクテル、プカプカ浮かびやすく肌にも良い海水プールなどで、南国気分になれるのは間違いなし。
サービス、アロマ、お茶など全てにおいて本場の雰囲気さながらのハマムも要チェックです。
住所:Thermenplatz 1, 4943 Geinberg, オーストリア
料金例:【月〜金】1日/€34【土日祝】1日/€37【サウナ】+€16(全曜日共通)
営業時間:日〜木8:00〜22:00、金土8:00〜23:00
⑨Eurotherme Bad Schallerbach
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同じオーバーエスターライヒ州に3つのスパリゾートを展開する注目の施設のうちの一軒が、Eurotherme Bad Schallerbach(ユーロテルメ バード シャラーバッハ)。
大きく分けて『リラックス』がメインのスパゾーン、『スッキリ』のサウナゾーン、そして『エキサイティング』なウォーターパークゾーンに分かれていて、それ以外にも世界各地の高級ホテルのラウンジのような趣たっぷりの休憩エリア、豊富なドリンク&フードメニューが揃うレストランやカフェ、そしてそれらをフルで体験するのにベストな4つ星ホテルも併設。
元気いっぱいの小さい子供からロマンチックなデート目的の若いカップル、健康や癒しを求めるシニア世代まで、誰でもそれぞれの理想的な休日を過ごせるでしょう。
住所:Promenade 1, 4701 Bad Schallerbach, オーストリア
料金例:【月〜金】サウナなし 〜4時間/€26.5、1日/€30.5 サウナ込み €42【土日祝】サウナなし 〜4時間/€28、1日/€32 サウナ込み €44
営業時間:9:00〜0:00
⑩Therme Laa
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20分ほど歩くとチェコというギリギリオーストリアなTherme Laa(テルメ ラー)は、様々なオプションで自由にアレンジ可能な本格派の温泉施設です。
ヘルスセンターやメディカルトリートメントも備わる施設には大人のための癒し空間サイレント・スパや子供が安心して楽しめるキッズ・スパなど、老若男女の喜ぶツボを押さえた仕掛けがたくさん。
温泉やサウナに加えてドリンクやフード、マッサージなどがセットになった各種パッケージも好評で、誕生日には入場料無料サービスも。
家族で、カップルで、あるいはおひとり様で、定番とは一味違ったオーストリアの休暇を過ごしてみては。
住所:Thermenpl. 3, 2136 Laa an der Thaya, オーストリア
料金例:〜3時間/€24.5、5時間〜/€36.5【サウナ】€11.5
営業時間:9:00〜22:00