地中海は数々の美しいビーチがあることで知られていますが、その最も東に位置するキプロスはイタリアやスペインなどに比べるとまだ日本人にとっては馴染みの薄い国。
しかしそんなキプロスには他の有名ビーチに負けないぐらいの絶景ビーチがたくさんあるので、その中でも特におすすめの7ヶ所+1を紹介します。
ニッシ・ビーチ(Nissi beach)
しばしばヨーロッパベストビーチにも選ばれる、アヤナパ(Agia Napa)にあるキプロスで最も有名なビーチ。
歩いて渡れる無人の小島Nissiから名付けられたこのビーチは、眩しいほどに輝くターコイズブルーの海と白い砂浜での海水浴や日光浴はもちろん、多彩なマリンスポーツやビーチバレーといったアクティビティも豊富。
しかし何と言っても一番の特徴は、クラブやバーが完全にビーチと一体化したようにDJが流す音楽、泡パーティー、各種イベントが朝から晩まで楽しめること!
ビーチでの開放感抜群のパーティーは盛り上がること必至ですが、静かに過ごしたい人には対照的な雰囲気なので、オフシーズンの冬に行くのが無難です。
グレコ岬(Cape Greco)
こちらはうってかわって自然の醍醐味をそのまま体験できるスポット。
岬全体が豊かな自然に恵まれ国立公園に指定されていることもあり、ビーチのみならず自然観察や夕日鑑賞など1日を通して様々な過ごし方ができます。
ビーチは石灰岩でできた崖と岩場に囲まれているため横になれる砂浜はありませんが、崖から透き通る青い海にジャンプして飛び込むのはこの上ない爽快感!
透明度の高さはキプロスでもトップクラスのため、シュノーケリングやダイビングスポットとしても人気です。
コノス・ビーチ(Konnos Bay)
絶景ビーチの宝庫であるアヤナパの中でも特に地元民からも観光客からも愛されているのが、コノスビーチ。
湾にあるため波は穏やかで子連れファミリーでも安心して遊べる上、水温も高いので気温が上がれば5月から11月頃まで泳げます。
グレコ岬の緑豊かな丘の麓にありながら居心地の良いカフェやおしゃれなバー、マリンスポーツのオプションも多く、雄大な自然と利便性がバランスよく融合したビーチと言えます。
他のビーチにも言えることですが7月8月のピークシーズンはすぐに混むため、タオルを敷くためのスペース確保やパラソルをレンタルするには午前中の早い時間に行くのがベストです。
フィグツリー・ベイ(Fig Tree Bay)
そのコノスビーチから北に4kmほど行くと、アヤナパよりずいぶんと落ち着いた街プロタラス(Protaras)にあるフィグツリーベイに着きます。
こちらは数々のホテル、レストラン、カフェが建ち並ぶ街からすぐの場所にあるためアクセスは抜群。
黄金色の砂浜とゴツゴツした岩場、波の穏やかな海は、のんびり過ごしたい人にもアクティブにマリンスポーツに明け暮れたい人にもぴったり。
海で遊んで疲れたらホテルやカフェで一休み、そしてまた海へ・・・を延々と繰り返せる贅沢な環境が揃っています。
ただしやはり夏は混雑するので、一度場所を離れると戻った時にはもうスペースはない可能性もあるのでご注意を。
ブルーラグーン・アカマス(Blue Lagoon Akamas)
キプロス北西部、アヤナパと対角線上にあるアカマス半島(Akamas Peninsula)も希少な動植物が多く自然保護区に指定された国立公園になっています。
その中でも北東部に位置するブルーラグーンは、海好きなら見逃せない絶景スポット。
徒歩で辿り着くには険しい道のりなのでボートか4WDで行くのが一般的で、周辺には何の設備もない完全な自然の中のラグーンは絶好のシュノーケリングスポットです。
ちなみにアヤナパにも同じ名前で同様に美しいブルーラグーンがあるので、両方行ってみてブルーラグーン祭りを開催してみるのもいいでしょう。
また時間があればアカマス半島の南西、ウミガメの産卵地として知られるララビーチ(Lara Beach)もおすすめです。
アフロディーテズ・ロック(Aphrodite’s Rock)
アフロディーテズロックはバシャバシャ無邪気に海水浴をする目的ではベストビーチという訳ではありませんが、キプロスを語る上では欠かせない場所。
というのもその名前から想像がつくように、ギリシャ神話の愛と美を司る女神アフロディーテが海の泡から誕生し、流れ着いたのがこの岩という伝説があるからです。
はて、アフロディーテさんてどなただったかしら、という人は名画『ヴィーナスの誕生』で貝殻の上に立っているお方と言えば思い出すのではないでしょうか。
残念ながら今行ってもあんな美女が裸で立っているわけではありませんが(当たり前)、崇高な夕日スポットとしても有名なこの地でそんな伝説に思いを馳せながら、ロマンチックなひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ガバナーズ・ビーチ(Governor’s Beach)
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ガバナーズビーチは南海岸のちょうど真ん中、人気ビーチリゾートタウンのリマソール(Limassol)とラルナカ(Larnaca)の間に位置する真っ白の石灰岩と黒っぽい砂でできたワイルドなビーチ。
小国キプロスではピークシーズンともなると有名ビーチは早々と人で埋まってしまうのに対し、こちらは比較的空いているのも嬉しいポイント。
シュノーケリングに夢中になる観光客とのんびり釣りを楽しむ地元民が共に見られることが、多種多様な魚が生息していることを物語っています。
目の前で優雅に泳ぐ魚達を見て不覚にもおなかが空いたら周辺にシーフード自慢のレストランがゴロゴロあるので、自分で釣り竿やモリを用意しなくても大丈夫ですよ。
【おまけ】パーム・ビーチ(Palm Beach)
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最後にもう1ヶ所、特殊なスポットを紹介します。
パームビーチは一見ごくごくありふれたビーチに見えますが、フェンスの向こうは半世紀に渡って時が止まったゴーストタウンという異質なロケーション。
これは1974年、当時欧州有数のビーチリゾートとして名を馳せていたこのファマグスタ(Famagusta)にトルコが侵攻した際に、全てのギリシャ系住民が退去したため。
その後ファマグスタの一部にはトルコ系住民が住み始めましたが、ヴァローシャ(Varosha)という地区はトルコ軍の管轄下にあり、ずっと一般人の立ち入りは禁止されていました。
2020年に数十年ぶりにヴァローシャ地区の一部が観光客にも開放され、鮮やかなターコイズブルーに輝くパームビーチ×半世紀前から時間が止まった廃墟という、実にユニークな風景を生み出しています。
まとめ
7ヶ所+1のビーチをマップにするとこのようになります。
南東部のアヤナパは大小のビーチがあちこちに点在する、一大ビーチリゾート。
のんびり海水浴派にもアクティブにマリンスポーツ派にもぴったりのビーチが見つかりますが、ホテルやナイトスポットが密集するエリアなだけに夏のピークシーズンは大混雑します。
より自然の中のビーチを満喫したい人には北西部のアカマス半島が最適。
国立公園に指定されたこのエリアにはアクセスが困難な場所もありますが、山と海の壮大な自然を同時に満喫できるためアウトドア派には特におすすめです。
南海岸ではアヤナパから西に進んだラルナカ、リマソール(レメソス)、パフォスなどの都市周辺にもビーチは多数あり、宿泊施設も非常に充実しているため、そのうちの1ヶ所を拠点にして色々足を伸ばすのもいいでしょう。
穴場的な雰囲気が好きな人や、コスパ重視派なら全体的に物価が安い北キプロスがベター。
南のキプロスがEU加盟国&ユーロを使用しているのに対し、北キプロスはトルコ以外の国からは承認されておらず通貨もトルコリラのため、雰囲気も物価もずいぶん変わります。
個性溢れるキプロスの各ビーチ、ぜひ訪れてみてくださいね。