東地中海の島国キプロスは美しいビーチや古代遺跡、冬はスキーもできる雄大な山などの見どころに加え、温暖な気候と絶品グルメも自慢の観光大国。
この記事では有名ビーチリゾートから時が止まったような穴場的な村まで、個性溢れるキプロスの人気宿泊エリアを厳選して紹介します。
王道エリア以外にも魅力的な街がたくさん!
キプロスは北部をトルコ系住民が住む北キプロス・トルコ共和国、南部をギリシャ系住民が住むキプロス共和国に分断されており、主な観光都市や観光地は南のキプロス共和国側に集中しています。
さらに言うと内陸部より沿岸部に宿泊施設が充実した街が多いため、初めてのキプロス旅行ではほとんどの人が西から南の沿岸部に滞在します。
ただしキプロスは四国の半分ほどのかわいらしいサイズながら山あり谷あり海ありの豊かな地形に恵まれているため、沿岸部から1、2時間ドライブすると全く別の風景が出現するのが大きな特色。
2004年以降は南北の往来も自由化されているため両側の街に滞在することも可能で、南沿岸部のいわば王道エリア以外にも多彩な選択肢があります。
それではそんなキプロスのおすすめ宿泊エリアを、沿岸部と内陸部からそれぞれ解説していきます。
海派におすすめ!ビーチリゾート×5
パフォス(Paphos)
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キプロス西部に位置するパフォスはギリシャ神話や新約聖書にも登場する、世界遺産に登録された街。
愛と美を司る女神アフロディーテが誕生されたとされるペトラ・トゥ・ロミウ(Petra tou Romiou)、古代から中世までの遺跡が現在進行形で発掘されているパフォス考古学公園(Paphos Archaeological Site)など、歴史好きにはたまらないスポットが目白押し。
歴史に全く無頓着な人でも古代遺跡、美しいビーチ、おしゃれなショッピングストリート、質も量も申し分ない宿泊施設や飲食店、そして国際空港が全て揃った街と言えばきっと魅力を感じるはず。
キプロス有数のビーチリゾートでありながら、宿泊料金の水準が低めなのも嬉しいポイントです。
パフォスのおすすめポイント
・史跡巡り、ビーチ、ショッピングなど多彩な過ごし方ができる
・世界史の教科書に登場する歴史的スポットが満載
・ホテルやレストランのコスパが良いと評判
リマソール/レメソス(Limassol)
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リマソールはキプロス第二の都市で、過去と現在、未来が交錯する港町。
中世の面影そのままのお城の周辺には多国籍料理のレストラン、ナイトクラブ、モスクに大聖堂が違和感なく建ち並び、そんな風景を背にセルフィーを撮る観光客の『特別』と、通勤・通学・買い物をする地元民の『日常』の一瞬が重なり合います。
大学都市であることから居心地の良いカフェ、スタイリッシュなバーやクラブは街のいたる所にあり、朝から夜遅くまで出かける場所に困ることはありません。
眺めの良い海沿いの遊歩道は定番の散策コースで、雰囲気の良いレストランやひと休みするのにちょうどよい公園、こぢんまりとした動物園もあり一日中観光客と地元民で賑わいます。
リマソールのおすすめポイント
・中世から19世紀の英国支配下時代、そして近代の建造物が融合
・センスの良い衣・食・泊・遊のお店がたくさん
・観光地ながらローカルの雰囲気も濃い
ラルナカ(Larnaca)
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キプロス最大の国際空港を抱えるラルナカは、実質キプロスの玄関口と言える港町。
あらゆるタイプ・ランクの宿泊施設が充実し、地理的にもリマソール、首都ニコシア、一大ビーチリゾート・アヤナパの中間辺りにあるため、滞在拠点にすることで様々な場所にアクセスしやすい便利な都市です。
また時に街から離れた場所にあることも多いキプロスのビーチの中で、ラルナカは街のど真ん中に2つの公共ビーチがあるため、無数のホテルやカフェ、南国ムード溢れるヤシの木が生い茂る遊歩道のすぐ目の前にビーチが広がるザ・ビーチリゾート。
聖ラザロ教会(Church of Saint Lazarus)や18世紀に作られた水道橋などの歴史的な建造物が、自然豊かで開放的な雰囲気の街並みにしっくりと溶け込んでいる街です。
ラルナカのおすすめポイント
・史跡、ビーチ、湖、多彩な飲食店、国際空港がコンパクトに凝縮
・宿泊施設が充実し、予算や目的に適った宿が探せる
・多数の名所に車で1時間以内でアクセス可能
アヤナパ(Ayia Napa)
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“アヤナパ”ってなんとなくチャラそうな響きですが、全くその通りです。
キプロスでぶっちぎりのナイトライフの充実度で、バー、クラブ、パーティー、イベントが休むことなくフル稼働で世界中からの観光客を熱狂させていることからポスト・イビサとのニックネームも。
そしてアヤナパのもう一つの魅力は、何と言っても絶景ビーチの数々。
ヨーロッパベストビーチに選ばれることもあるニッシビーチ(Nissi beach)、シュノーケリングに最適の透明度の高いグレコ岬(Cape Greco)など特徴の異なる質の高いビーチの宝庫なので、ビーチ好きには第一候補と言えるエリア。
ナイトライフの街ということはパーティー好きの若者向き?
確かに賑やかな中心部は若者中心ですが、巨大ウォーターパークがありビーチのアクティビティも豊富、グレコ岬は国立公園にも指定された自然豊かなスポットで、実際には子連れファミリーやアウトドア派にもとても人気の街です。
アヤナパのおすすめポイント
・ヨーロッパ屈指の魅惑のナイトライフ
・キプロスで最高のビーチエリア
・子供から大人まで楽しめるスポットが満載
キレニア(Kyrenia)
ここまで挙げた4都市がいわゆる王道の南キプロス側なのに対し、キレニアは北キプロスにある港町。
北キプロスに滞在する最大のメリットは、南キプロスに比べて観光地化が進んでいないので混雑度がマシなこと。
もちろん7・8月の有名ビーチは人で埋まりますし人気ホテルが満室になることもありますが、全体的には素朴でゆったりとした時間が流れているので、いかにも観光地!という雰囲気が苦手な人には良い選択肢になります。
街のシンボルであるキレニア城を中心に広がる街には当然ながらトルコ料理レストランが増え、街の標識や人々の様子からもイスタンブールに飛んできたかのような錯覚に陥りそう。
コスパの良い宿泊施設が多く、バックパッカーや宿泊費を抑えたい旅人にもおすすめの街です。
キレニアのおすすめポイント
・北キプロス観光をする際に拠点にしやすい
・宿泊施設が多く料金水準も低い
・東ローマ帝国やオスマン帝国時代の遺跡がたくさん
落ち着いた雰囲気の内陸エリア×3
ニコシア(Nicosia)
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世界で唯一2つの国に分断された首都、それがニコシアです。
と言われると不穏な空気が漂いますが、現在ではパスポート1つで自由に南北を行き来できるためギリシャとトルコを1日で味わえるようなユニークな体験ができます。
城壁で囲まれた旧市街にはギリシャ正教会、モスク、各種ミュージアムがひしめき、キプロスならではの歴史や文化に入り浸るのにはこれ以上ない都市。
首都らしく多種多様な飲食店、ナイトスポット、ショッピングストリートがありながらビーチエリアに比べると落ち着いた佇まいで、じっくりと街歩きやグルメを満喫できるでしょう。
ただし夏の暑さは容赦ないレベルなので、滞在するなら夏以外の時期にするのが無難です。
ニコシアのおすすめポイント
・ギリシャとトルコを合体させたような首都
・伝統的な文化・食に触れられる歴史ある都市
・活気と静寂感がバランスよく同居
カロパナジオティス(Kalopanayiotis)
残りの2ヶ所はこれまでの6ヶ所とは全く規模の違う、人口数十人〜数百人の村を紹介。
キプロス中央部から西部に連なるトロードス山脈周辺には数百年前から時が止まったかのような、伝統的で慎ましい村がいくつも点在しています。
そのうちの一つ、カロパナジオティスはその絶対覚えられないような厄介な名前に反して、静かに、ゆっくり、大人な休暇を過ごしたい人にピッタリの小さな村。
同じくらいフォトジェニックで美しい村は他にもありますが、カロパ(以下略)には世界遺産に登録された聖ヨハネ修道院(St John Lampadistis)と、天然温泉があるのが自慢。
一見何もないように見える小さな村でも味のある教会巡りにハイキング、特産のワインやチーズを片手に天体観測をした後に温泉で〆、なんていうのもなかなか贅沢な休暇ではないでしょうか。
カロパナジオティスのおすすめポイント
・賑やかな大都市とは正反対の山の中の静かな村
・世界遺産の教会と天然温泉
・アウトドア派にもインドア派にも◎
ロフウ(Lofou)
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ロフウはリマソールから車でおよそ30分、25kmほどの距離ながら全く別世界に飛び込んできたかのような昔ながらの風景がそのまま残った村。
『ロフウ 人口』でググったらまさかの10人(2001年)という検索結果が出てきて、いやこのインスタ画像にすでに12人いるのにそんな摩訶不思議なことが…と思ったら、どうやら2011年には46人まで増えているようです。
きっとこの人達が色々頑張ったんでしょうね!(果てしない憶測)
ロフウには、特別な観光名所もミシュラン星付きのレストランもありません。
いくつかの教会と、洞窟と、伝統キプロス料理レストランと宿があるのみです。
しかし春にはアーモンドの花が咲き乱れ、秋にはブドウの収穫祭が祝われ、また冬には雪で白く覆われるその村は、激動の歴史を歩んできたキプロスにおいてまるで何世紀もの間何一つ変わっていないかのように、その日常を今日も刻んでいます。
ロフウのおすすめポイント
・リマソールから30分で行ける静寂の村
・キプロス伝統料理や建築を体験できるレストランやホテル
・喧騒知らずの隠れ家的な雰囲気
まとめ
各地をマップに示すとこのようになります。
キプロスの顔とも言える島の南側の沿岸部は宿泊施設の数もタイプも充実しているため、一人旅のバックパッカーから子連れファミリー、ロマンチックな旅がしたいカップルまであらゆる旅人に適した宿が見つけられるでしょう。
逆に山間部は大きな都市はなく小さな村が無数に点在しているため、各村の宿泊施設数は限られていますが、プライベート感溢れる隠れ家的な宿が多くなります。
どちらも異なる魅力があるので、日程に余裕があるなら対照的な雰囲気の海側と山側の両方に宿泊するのもいいでしょう。
目的や予算に合わせて最適の宿泊エリアを選び、キプロス旅行を楽しんでくださいね!