世界一の国土面積を持つロシアの中でも特に観光客に人気の都市といえば、サンクトペテルブルク。
かつてロシア帝国の首都として君臨した名残は今も色濃く残り、文化や芸術の中心地となっています。
2018年にサッカーワールドカップ、さらに2021年に延期されたEURO2020の開催地にもなっていることから、サッカーファンにとっても近年特に熱い注目を浴びている都市。
そんなサンクトペテルブルクを訪れる際に知っておきたい、気候とベストシーズンを解説します。
旭川に似た湿潤大陸性気候でやはり寒い!
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サンクトペテルブルクは広い広いロシアの中でも極めて西側、フィンランドに近い北緯60度に位置する都市。
湿潤大陸性気候に属し、日本では旭川や釧路が同じ気候に分類されます。
地球温暖化による影響は世界各地で見られ、サンクトペテルブルクでも過去37℃を記録したことがあり、30℃を超えるとフィンランド湾に面したビーチには人が溢れかえります。
とは言えもちろん毎日そんな真夏日を記録するわけではなく、平均気温は最も高い7月でも18℃ととても快適!
しかしそんな夏は長くは続かず、その前後の短い春と秋を挟み、あとは長い冬がサンクトペテルブルクを支配します。
当然ホテル、レストラン、劇場、美術館など屋内はバッチリ暖房が効いているので鼻からツララが生える心配はいりませんが、一歩外に出れば氷点下の世界なので防寒具はしっかりと用意していきましょう。
夏でも朝晩は涼しく、日によってもかなり気温が変動することがあるので、日本の感覚で夏から冬の始めぐらいの服装は準備した方がいいでしょう。
平均最高&最低気温・日照時間・降水量をチェック
基本的に気候データは過去の数値を元にしているため、いつのデータを用いているかによってサイトによっていくらか差異があります。
ここではHoliday Weatherを参考にしています。
さ、寒い・・・(T_T)
いやそんな腰抜けた事を言っていては旭川民に腰抜けと罵られそうですが、うかつに防寒具をおろそかにして渡航すると腰が抜けるほど寒いのは間違いないでしょう。
寒いだけではなく降雪シーズンも非常に長く、平均的に10月中旬から4月下旬までは降雪が観測されます。
また日本の冬は寒くても晴れたカラッとした日が多いですが、サンクトペテルブルクは雪が降らなくてもどんより曇り空の日が多く、晴天の日はかなり少なめ。というか1月と12月の平均日照時間ゼロって・・・
と、寒いのが苦手な人には絶望的なデータを突きつけてしまいましたが、希望もあります。
とにかく夏の涼しさと明るさは、日本のジメジメした酷暑から逃亡するには最高の環境と言えるでしょう。
夏至の日は日の出が3:34、日の入りが22:26と昼が実に18時間52分、6月上旬から7月中旬までは白夜のため、深夜まで薄明るい中で街歩きやナイトライフを楽しむことができます。
真夏でも不快なレベルの暑さになることは極めて稀なので、暑いのが苦手な日本の腰抜け共は(言い方)6月から8月を狙ってサンクトペテルブルクに飛びましょう。
言うまでもなくベストシーズンは夏!
ということで寒いの大好き雪愛してる、という人以外はサンクトペテルブルクのベストシーズンが夏なのは説明するまでもありません。
しかし中にはその時期に休みが取れない人もいるでしょうし、またその短い夏をめがけて世界中から観光客が押し寄せるので、人気観光スポットの混雑やホテル価格の高騰は避けようがありません。
そのため夏以外でも意外と見つかる、それぞれの季節のメリットや楽しみ方を解説していきます。
(注:2020年は新型コロナウィルスの影響で多くのイベントが中止や延期、観光スポットも営業時間などに変更が出ています)
春(5月)
4月から5月に移動祝日のロシア正教のイースターが祝われると、春の訪れ。
5月中旬になると雪が降ることはほぼなくなり、月の平均気温も12℃と上昇し、一面雪景色だった冬は去り花や樹々も息吹き始めます。
本格的な夏が始まる前の5月はピーク時よりは観光客も少なく、極寒&人混みを避けつつ観光したい人には非常に良い季節です。
5月27日は1703年のサンクトペテルブルク建都を記念する市の祝日で、パレード、花火、コンサートが盛大に開かれ、市民も観光客も共にお祭り騒ぎの1日を楽しめます。
夏(6月〜8月)
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日本人の感覚では夏と言うにはまだ涼し過ぎるものの、6月から日が暮れることのない白夜の街には昼夜を問わず観光客で賑わい、テラス席でのティータイムや食事も快適な季節。
5月末に始まる華やかな芸術の祭典・白夜祭も6月から7月半ばまでが最も賑やかで、本格的なバレエやオペラ、コンサートに加え花火などの屋外イベントもたくさん開催され、サンクトペテルブルクが誇る文化と芸術を体験するには最高の機会と言えるでしょう。
また2021年に延期されたEURO2020も6月から7月に行われるため、観戦者以外でもこの時期に旅行する場合は早めにチケットやホテルの予約を済ませましょう。
秋(9月)
8月半ばをすぎると涼しさが増し、9月はサンクトペテルブルクで唯一と言える秋らしいムードが楽しめる月。
平均気温は11℃ですでに朝晩は冬並みの寒さですが、前後の月に比べて雨が少なめなので屋外の観光スポットを散策するには絶好の季節。
エカテリーナ宮殿やペテルゴフ宮殿は建物内はもちろん周辺の庭園や公園も見事なので、短い紅葉の時期は貴重で希少な景観を満喫できます。
冬(10月〜4月)
10月に入ると約半年続く長い冬の始まり。
極寒の時期はミュージアムや大聖堂などの暖房が効いた屋内でアートや建築、歴史にどっぷり浸かるのが最適。
エルミタージュ美術館は毎月第3木曜日が入場無料になっているので、誰でも気軽に世界屈指の美術の宝庫を堪能できるチャンスです。
雪に包まれた幻想的な風景が楽しめる12月には街中がイルミネーションで彩られ、クリスマスマーケットも出現します。
サンクトペテルブルクのクリスマスは12月25日ではなく1月7日で、クリスマス・ミサや伝統料理で西側諸国とは一味違うロシア正教の聖なる1日を経験してみては:)
まとめ
ロシア第二の都市・サンクトペテルブルクの気候とベストシーズンを紹介しました。
1年の半分が冬と言えるサンクトペテルブルクでは、短い夏に観光客が集中し、その時期に静かに安く旅行するのはまず難しいのが現実。
しかし快適な気候に加え白夜祭を始めとした夏ならではのイベントも多く、間違いなくベストシーズンと呼ぶのにふさわしい魅力的な時期です。
少しでも人気観光地での混雑と旅行費用の高騰を抑えたいならその前後の5月と9月、寒さが問題ないなら新年から1月7日のクリスマスを除けば、冬ももちろんオフシーズンです。
夏と冬で全く異なる表情を持つサンクトペテルブルク、ぜひあなたの旅の目的やスタイル、予算などに合わせて最適の時期を選んでくださいね。