アジアとヨーロッパがひとつに重なった街、イスタンブール。
見どころの多いトルコの中でも最も観光客に人気のエキゾチックな街は、どのような気候なのでしょうか?
この記事ではイスタンブールを訪れる際にぜひ知っておきたい、気候とベストシーズンを解説していきます。
日本にも似た四季がハッキリとした気候
歴史・文化・地理などあらゆる面で東と西の交差点のような顔を持つイスタンブールは、気候も地中海性気候✕温暖湿潤気候✕海洋性気候の3つに分類される珍しい都市です。
と言うと複雑な感じがしますが、気温に関しては日本の主要都市にもよく似ているので、日本から旅行する場合は概ね同じような服装で大丈夫でしょう。
また主要観光スポットが集中するイスタンブール南側のマルマラ海に面したエリアは地中海性気候の色が濃く、一般の観光客にはあまり用がない黒海側の北に行くにつれ温暖湿潤気候や海洋性気候に近くなります。
つまり郊外に行かず王道エリアを観光するのみなら、地中海性気候の過ごしやすいイスタンブールがあなたを待っています。
ただ同じ地中海性気候でもコテコテの地中海代表であるシチリア島やイビサ島とは少し違うようで、冬はかなり寒くほぼ毎年雪も降ります。
その一方でイスタンブールもまた地球温暖化の影響を受けているようで、最高40℃以上を記録したことがある他、いわゆるゲリラ豪雨など極端な天候に見舞われることも。
そんな日本の気候との共通点も多いイスタンブールですが、相違点としては、雨が夏より冬に多いこと。
これは地中海性気候の典型的な特徴でもありますが、カラッとした冬晴れが多い日本から行くと余計にどんよりした雨や曇りの日が目立ちます。
それでも年間降水量としては日本の主要都市のおよそ半分程度(約820mm)なので、春から秋であれば何日も朝から晩まで雨に降られるという事はあまりありません。
日本よりはずっと少ないとは言えザ・地中海性気候の都市と違い真夏でも雨が月に数日は降るので、どの季節に訪れる場合でも一応雨具は持って行くのが安心です。
平均気温・降水量・日照時間をチェック
それではイスタンブールの気候データとして、平均最高/最低気温・降水量・日照時間をチェックしてみましょう。
データはサイトにより多少違いがあるため、ここではClimatestotravel.comを参照にしました。
先に書いた気温や雨の特徴が分かりやすく表れているのではないでしょうか。
“地中海性気候”という単語からイメージする冬よりはかなり寒いですが、日本との比較なら大きく変わらないので、防寒さえしっかりすれば冬でも変わらず観光やショッピングを楽しめるはず。
またトルコは2016年にサマータイムを廃止しましたが、それでも夏⇔冬の日照時間の差は大きく、6月〜8月は10時間とたっぷり明るい陽射しが降り注ぐ一方で、12月1月はわずか2時間。
冬は雨や雪が降らなくても気持ち良い青空が広がる日が少ないので、とにかく天気の良さを重視するなら冬はベストの時期ではありません。
しかしウルトラ観光都市イスタンブールさんの見どころや魅力は底知れずで、単純に気候の良し悪しでベスト&ワーストシーズンを判断するのは浅はかというもの。
そこで、目的別のイスタンブールのベストシーズンをまとめました。
目的別!イスタンブールのベストシーズン
モスクやミュージアム巡りをしたい
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数あるイスタンブールの観光スポットの中でも目玉と言えるモスクやミュージアムを周りたいなら、オフシーズンで観光客が少なめの11月から3月が狙い目。
この時期は気候的にイマイチですが、屋内のスポットを見学する際は外の天気は関係ないので、観光客で溢れかえる春から秋より落ち着いてゆっくり観光できるのが大きなメリットです。
ガッツリ周りたいなら5日間有効のミュージアムパスを購入すれば、さらにリーズナブル&効率が良くて便利です。
街散策やショッピングを楽しみたい
逆に屋外を歩くのをメインにするなら、寒すぎず暑すぎずの4月5月と9月10月がベストです。
春と秋に当たるこの時期は冬よりはずっと観光客が多いものの、夏のピークシーズンよりはマシ。
夏よりは雨も増えますが、グランバザールのような屋根付きの巨大市場や無数のカフェなどがあるので、急な雨でも雨宿りできる場所には困らないでしょう。
ただし6月〜8月と12月〜1月はそれぞれ夏と冬のセールシーズンなので、お得にショッピングをすることを重視するなら非常に魅力的です。
混雑を避けてのんびり観光がしたい
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世界のイスタンブールで人混みを避けて観光したいのであれば、やはりオフシーズンの11月から3月が良いでしょう。
欧米から大勢の観光客がクリスマス休暇で訪れる12月20日〜1月5日頃は街中が賑やかになりますが、それ以外の時期は好きな所を好きなペースで見やすい時期です。
トプカプ宮殿やタクスィム広場のような夏は大混雑する王道エリアをじっくり時間を掛けて周るのもいいですし、ローカル色の濃いアジア側を散策してイスタンブールの何気ない日常を覗くのも楽しいですよ。
ハネムーンや記念日をロマンチックに過ごしたい
ざっくり分けると、パーティーやイベントで賑やかに過ごしたければ夏、落ち着いた雰囲気の中で過ごしたければ冬がベターです。
夏は特に音楽系、秋はアートや映画のイベントが多く、それ以外にも4月はチューリップ祭り、12月には国際的なフードフェスなどあらゆるジャンルのイベントやフェスが開催されますが、最も静かなのは1月2月、逆に賑やかなのは7月8月。
暖かい季節は海沿いのテラスやルーフトップバーなど眺望も雰囲気も抜群の場所で飲食が楽しみやすい一方で、冬は高級ホテルも宿泊料金がぐっと下がり、同じコストでも夏よりワンランクあるいはツーランクアップの滞在が可能になります。
イスタンブール旅行で避けた方が良い時期は?
イスタンブールは屋外・屋内の観光スポットが共に充実し、オフシーズンでもお店や施設は変わらず営業しているので、絶対に避けるべき時期というのはありません。
ただし世界的な観光都市であること、そして四季がハッキリしていることから、それぞれの季節にメリット・デメリットがあるのは事実。
簡潔にまとめると以下のようになります。
夏・・・通常の観光以外にもイベントやフェスが多く、最も華やかで賑やか。時に暑さが厳しく、混雑具合とホテルや航空券の価格高騰もマックス。
冬・・・一応オフシーズンのため観光客が減り、安く・のんびり旅行しやすい。寒く、雨や曇りが多いので気候的にはポイントが下がる。
春と秋・・・気候的に暑すぎず寒すぎず、快適な日が多い。新緑や黄葉など季節ならではの美しさも。夏に比べると日照時間が短く、全体的に冬よりは混みがち。
春と秋はバランスが良いので、特定のイベントが目的の場合やとにかく安く!または人混みがイヤ!!というタイプの人以外は、無難な季節と言えるでしょう。
旅の目的や予算、期待する雰囲気などを考慮した上で、あなたにとって最適の時期を選んでイスタンブール旅行を楽しんでくださいね。