地中海の数ある島々の中でもフランスのコルシカ島は手つかずの大自然がそのまま残る、雄大な景観が魅力。
美しい海はもちろん2700mを超える山もあるため、夏の海水浴から冬のスキーまで楽しみ方は様々。
この記事ではそんなコルシカ島の気候の特徴とベストシーズンを解説します。
温暖な地中海性気候の沿岸部とスキー客で賑わう山間部
コルシカ島はすぐ南のお隣イタリア・サルデーニャ島が3倍近い巨大な島なので小さく見えますが、地形は実に起伏に富み、沿岸部と山間部では気候も全く異なります。
沿岸部は島の東西南北どこでも地中海性気候なので、気温の差は±3℃程度に収まります。
逆に沿岸部と山間部では標高が上がるにつれ気温差も10℃以上広がるので、真夏でも長袖は必須。
米粒のような形のコルシカは概ね島中央の北から南に最高峰2706mのチント山を始め2000m超の険しい山脈が連なり、自然保護区に指定された地域も多く、温泉もあります。
そこから沿岸部に向けて標高が下がっていくので、特に滞在場所を決める際には場所をよくチェックしましょう。
地中海のどこまでも透き通るビーチの印象が強いコルシカ島ですが、冬は国内外からスキー客も訪れる隠れスキーリゾートとしての一面も。
そのため沿岸部は夏のビーチリゾート&冬の避寒地、山間部は夏の避暑地&冬のスキーリゾートと、それぞれが異なる対照的な特徴を持つのがコルシカ島の最大の魅力といえるでしょう。
コルシカ島各地の平均気温・降水量・日照時間
それではコルシカ島西部の最大都市アジャクシオ(Ajaccio)と南東部のビーチリゾート、ポルト・ヴェッキオ(Porto-Vecchio)の気候のまとめです。
この2都市を始め宿泊施設が多い観光客に人気の街は圧倒的に沿岸部に多いですが、標高1000m以上のエリアにも宿泊施設はちらほら点在しているので、山間部に滞在する場合やハイキングに行く場合は標高に合わせて気温も下がると認識しておきましょう。
(一般的に標高が100m上がるにつれ気温が0.6℃下がる)
また山間部に行くほど降水量が多いのも特徴で、沿岸部ではほとんど雨が降らない夏でも、突然の雨に備えて雨具は持参した方がいいでしょう。
アジャクシオ
ポルト・ヴェッキオ
データ参考:Weather Atlas
いずれも年間を通して暑すぎず寒すぎずの穏やかな気温、夏より冬に雨が増える典型的な地中海性気候の特徴が見られます。
両都市の気候にさほど大きな差はありませんが、アジャクシオの方が1日の中での気温差が大きいので、温度調節がしやすい服装が便利。
夏は他のヨーロッパ諸国と同様サマータイムを導入し雨も非常に少ないことから、1日平均10時間以上の日照時間をたっぷり満喫できます。
春と秋は平均15℃〜20℃の快適な気温ですが、1年で最も降水量が多い11月を始め、夏よりは確実に雨が増えるので天気予報を見つつ雨具や防水ジャケットなどを用意して出かけましょう。
過ごし方は色々!目的別ベストシーズン
コルシカ島への観光客の75%は夏に訪れるそうですが、ただのビーチリゾートではないコルシカにはビーチ以外の魅力もたくさん。
またそれだけ多くの観光客が夏に集中するということは、当然ビーチ以外でも人気スポットの混雑やホテル宿泊料金の高騰は避けられません。
その点も踏まえて、目的別のベストシーズンを挙げていきます。
美しいビーチで泳ぎたい
ただのビーチリゾートではなくてもやはりビーチリゾートなので、泳ぎたいのは当たり前。
7月から9月はほぼ確実に泳げますが、9月は午前中や夕方になると気温が下がり涼しく感じることもあるので、日中がベターです。
6月と10月は平均水温が21℃前後で7月〜9月よりは当然下がりますが、気温が上がれば泳げる日も。
真夏の大混雑を考慮すると、6月下旬から7月上旬と9月がベストと言えそうです。
街歩きやグルメを満喫したい
歩きやすい気候としては暑くも寒くもなく、雨も冬ほど多くない4月〜6月、9月と10月がいいでしょう。
食という意味では四季折々の山の幸・海の幸があるため、ダメな月はありません。
秋は特産の栗、冬はウニなど多彩な旬の食材を使った郷土料理は季節ごとの特色がありますが、オフシーズンの11月から3月頃は閉まるお店もあります。
そのためオフシーズンに行く場合は、飲食店の数に限りがある小さい街や村よりアジャクシオのような都市部に滞在する方が良いでしょう。
ハイキングを楽しみたい
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希少な動植物が多く自然保護公園にもなっているコルシカ島でのハイキングのベストシーズンは春から秋に当たる4月から10月と言われており、それぞれの季節で美しい風景を楽しめます。
やはり7月中旬〜8月はピークシーズンで混雑するため、その前後が雄大な自然を比較的静かに満喫できる時期。
眩しいばかりの新緑と共に花が咲き始める春、山歩きには最も適した気候の夏、そして秋は紅葉・黄葉・落葉と、コルシカ島ならではの自然の醍醐味を体験しましょう。
のんびりリラックスした休暇を過ごしたい
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10月末になるとサマータイムとほぼ同時に賑やかなビーチシーズンも終わり、11月〜3月はオフシーズンに入ります。
クリスマスから年末年始のみ休暇で帰省する地元民や観光で訪れる人が増えるものの、それ以外は怒涛の観光客の波に押されるもことなく、のんびり過ごしやすい季節。
ホテルの宿泊料金も夏のピークシーズンに比べると非常にお得な上に人気有名レストランにも足を運びやすいため、ワンランク上の上質な休暇を過ごしたい人にもピッタリ。
もっとも冬は雨が多いので青い海と晴天が広がる典型的なコルシカ島のイメージを期待して行くと、その通りにはならない日もあります。
まとめ
雨が最も少なく暑さも極端ではない夏はやはり断トツの一番人気で、とりわけ7月中旬から8月は主要観光スポットは非常に混雑し人気ホテルもすぐ満室になるため、可能なら避けるのが無難です。
その前後の春〜初夏と秋はビーチで泳げる日は限定されているものの、それ以外は心地よい気候とピークシーズン程ではない混雑度の中で、街歩きからハイキング、史跡巡りにグルメツアーなど様々な楽しみ方ができる季節。
そして冬はスキー以外では自然の中でできるアクティビティは選択肢が減りますが、観光客がぐっと減った落ち着いた街でゆっくりと冬の味覚を味わったり写真撮影したりするには良い時期です。
ただし冬のオフシーズンの間はクローズしてしまう宿泊施設や飲食店も多いので、気になるお店やスポットは事前に公式サイトで情報を確認することをおすすめします。
どの季節でも素晴らしい体験や発見ができるはずなので、目的や予算に合わせて最適の時期を選んで訪れてくださいね!