スペインの名門レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウ。
8万人以上の収容人数を誇る欧州を代表する巨大スタジアムは、レアル・マドリードやスペイン代表の数々の歴史的な試合の舞台になっています。
サッカーファンなら一度は訪れたい、サンティアゴ・ベルナベウのアクセスと周辺情報をまとめました。
暖房付きで冬でも快適な銀河系スタジアム!
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レアル・マドリードを銀河系と呼ぶと歳がバレますが、実際に筆者が初めてサンティアゴ・ベルナベウを訪れたのは銀河系真っ只中の2000年代。
まだ世界のサッカースタジアムをほとんど知らない初々しかったあの冬、マドリードの寒さを全く感じさせない暖房付きのスタジアムに感銘し、てっきり欧州のメジャーなスタジアムはどこも暖房付きなのかと思いましたが、全くそんな事はありません。
それから10数年の時を経てオランダに移住し、マドリードより寒いオランダやドイツの様々なスタジアムに足を運びましたが、どこも暖房なしで舐めてかかると普通に凍えるレベル。
いくら目の前で熱い試合が繰り広げられると言えど、寒い日に2時間近くじっと観戦するのはなかなかの試練です。
大きさ・見やすさ・デザインなどスタジアムに何を求めるかは人それぞれですが、機能性という意味では世界トップクラスと言っていいでしょう。
サンティアゴ・ベルナベウは1947年開場、大小の改修を経て最大12万5000人だった収容人数は、現在およそ8万人。
それでも欧州では同じスペインの永遠のライバル・バルセロナの本拠地カンプ・ノウ、ロンドンのウェンブリー・スタジアムに次いで3番目の大きさで、クラブの栄光の歴史を辿る本格的なミュージアムも併設。
そのため試合がない日でも、スタジアムツアーで足を運ぶ価値が充分にあります。
スタジアムツアー情報:https://www.realmadrid.com/ja/tour-bernabeu
マドリード中心からのアクセスも抜群!
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そんな銀河系スタジアムのサンティアゴ・ベルナベウですが、場所は銀河の果てではなく街中心から30分ほどと至って簡単なアクセス。
サッカー観戦やスタジアムツアーと共に、マドリード観光も併せて楽しみたい人にも便利ですよ。
ここでは例として、マドリード観光の中心マヨール広場(Plaza Mayor)からのアクセスを見てみましょう。
メトロでのアクセス・終電時間・運賃
特に土地勘のない旅行者に便利なのが、路線が分かりやすいメトロ。
最寄り駅はスタジアム名そのままのメトロ10号線Santiago Bernabéuで、マヨール広場からだと北に徒歩約4分のメトロ5号線Ópera(オペラ)駅→Alonso Martínez(アロンソ・マルティネス)駅で10号線に乗り換え、徒歩約7分。または徒歩約6分のメトロ1号線Puerta del Sol(プエルタ デル ソル)駅→Tribunal(トリブナル)駅で10号線に乗り換えでもほぼ同じ所要時間。
基本的にメトロの終電は1:30が目安で、曜日にもよりますが22時以降でも少なくとも15分に1本は運行しています。
ただしメトロに限った話ではありませんが、スペインの交通機関が時刻表通りにきっちり来るという幻想は捨てた方が良いので、あくまでも目安として捉えて、終電時刻ギリギリに駅に駆け込むような行動は避けるのが無難です。
マドリードのメトロの基本運賃は5駅以下→€1.5、6〜9駅→1駅ごとに€0.1プラス、10駅以上→€2となっており、オペラ駅からサンティアゴ・ベルナベウ駅は計7駅なので€1.7となります。ということで€0.1または0.2を節約したければ頑張って1〜2駅分歩いてみてはいかがでしょう:)
メトロ公式サイト:https://www.crtm.es/tu-transporte-publico/metro.aspx?lang=en
電車でのアクセス・終電時間・運賃
歩く距離は少し長くなりますが、全体の所要時間が最短で乗り換えもなしで行けるのがセルカニアス(Cercanías)という近郊列車です。
マヨール広場から東に徒歩約6分のプエルタ デル ソル駅からC3またはC4線で隣駅のNuevos Ministerios(ヌエボス ミニステリオス)駅下車徒歩約10分。
C4線のヌエボス ミニステリオス駅発0:29が最終電車で、頻度は10〜20分に1本目安。繰り返しますが、あくまでも目安です。
片道運賃は€1.7なのでメトロと同じ。マドリードは交通機関をよく使う人向けのお得なチケットが色々ありますが、それは後ほどまとめて解説します。
近郊列車公式サイト:https://www.crtm.es/tu-transporte-publico/cercanias-renfe.aspx?lang=en
バスでのアクセス・終バス時間・運賃
バスや電車より遥かに路線が多いバスは旅行者にはやや分かりづらいかもしれませんが、その分うまく利用すればどこへでも行けるのがメリット。
マヨール広場からだと北に徒歩約7分のCallao(カジャオ)停留所から147番線Barrio del Pilar(バリオ デル ピラール)行きでサンティアゴ・ベルナベウ停留所下車、徒歩3分。
終バスは23時頃で、午後〜夜の本数は6〜16分に1本。しつこいですが最後にもう一度、時間通りに来ることを確信してはいけません。
片道基本運賃は€1.5。ふむ、安さ重視ならわずかにバスが優勝ということですな。
バス公式サイト:https://www.crtm.es/tu-transporte-publico/autobuses-emt.aspx?lang=en
旅行者に便利なチケットは?
マドリードで交通機関を利用する際にまず必須なのが、PASMO的なマルチカード(Tarjeta Multi)という赤いカード。
メトロの駅の券売機やキオスクで€2.5で入手でき、複数人での利用も可能、10年間有効なのでマドリードをよく訪れるなら特に便利です。
このマルチカードに前述のメトロや電車の1回券等の他、お得な10回券やフリーパスタイプのチケットをチャージできる仕組み。
マドリードの交通機関は中心部をAとしてそこから円状に離れるごとにB1、B2、、、で最も外側のE2まで8つのゾーンに分かれ、そのゾーンごとで料金が変わるゾーン制というシステム。
サンティアゴ・ベルナベウに加えマヨール広場やプラド美術館(Museo Nacional del Prado)など王道の観光スポットはAゾーンに集中しているものの、世界遺産のアランフエス(Aranjuez)やエル・エスコリアル修道院(Monasterio de El Escorial)など郊外にも魅力的なスポットが点在しています。
例えばメトロ・バス・電車などが乗り放題のツーリスト・トラベルパス(Abono Turístico de Transporte)ではAゾーンのみのAゾーンパスと全てのゾーンをカバーするTゾーンパスの2タイプがあり、12際以上の大人料金は
Aゾーンパス
€8.4/1日 €14.2/2日 €18.4/3日 €22.6/4日 €26.8/5日 €35.4/7日
Tゾーンパス
€17/1日 €28.4/2日 €35.4/3日 €43/4日 €50.8/5日 €70.8/7日
と、約2倍の差があるので、行きたい観光スポットや日程に合わせたチケットを選ぶことが重要です。またこのツーリスト・トラベルパス入手時に初めてチャージする場合、マルチカードは無料になる利点があります。
他にもAゾーンのメトロ・バス・トラム共通で使える10回券€12.2は、中心部の観光メインでそこまで交通機関をガッツリ使わない人には良いオプションと言えるでしょう。
周辺には宿泊施設や飲食店も多数
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サンティアゴ・ベルナベウはマドリードの心臓部から北に約5km、ビジネス街の色が濃くなるチャマルティン(Chamartín)地区に位置します。
そのため試合開催時以外は洗練された、それでいてどことなくマイペースなスペインの首都の日常的な雰囲気が漂います。
スタジアム周辺にはレストラン・バル・カフェの選択肢は充分にあり、気軽にタパスで1杯からゆっくりディナーまで、好きなスタイルで食事やドリンクを楽しめるでしょう。
また、数こそ街中心部ほどではありませんが、快適な中級ホテルを中心に徒歩圏内にホテルやB&Bなどの宿泊施設も多数。
観光に最も便利なのはやはり街中心ですが、チャマルティン地区も電車で1〜2駅なので、少し落ち着いた&ローカル的な雰囲気が好みならチェックしてみると良いでしょう。
参考:Booking.com
その他ショッピングモールやデパートもあり、試合前後に立ち寄ったり天候が良くない日に時間をつぶすことも可能。
スタジアム周辺に気軽に立ち寄れるグルメやショッピングスポットがあって時間を過ごせることは、試合の直前&直後の大混雑するメトロや電車を避けるのにも役立ちますよね。
まとめ
スペインが誇るメガクラブ、レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウについての情報を解説しました。
マドリードの中心から30分ほどというアクセスの良さ、そして周辺のグルメやショッピングスポットの充実度のおかげで、旅行者にも非常に優しいスタジアムと言えるでしょう。
さらに試合開催時以外でもスタジアムツアーでその歴史や裏側を覗くことができ、特にファンにとっては見逃せません。
新型コロナウィルスの影響で満杯の観衆を動員できるのはもう少し時間がかかるかもしれませんが、この危機が去ったら、ぜひこの欧州を代表する巨大スタジアムを訪れてみてくださいね。