2020年6月からの開催が予定されていたサッカーの祭典EURO2020は、新型コロナウィルス(COVID-19)の拡大により2021年に延期されました。
欧州12都市で大々的に開催される予定だったEURO2020、その開催地の一つがスコットランドはグラスゴーの伝統スタジアム・ハムデンパーク。
この記事ではEURO2020の開催を控える、グラスゴーのハムデンパークのアクセスや周辺情報をまとめて解説します。
観衆15万?!1903年完成の歴史ずくめのスタジアム
ハムデンパーク(Hampden Park)はサッカースコットランド代表とスコットランド2部リーグ(2019/20シーズン現在)クイーンズ・パークFCの本拠地で、完成は何と1903年。
日本でサッカーのプロリーグが発足する90年も前に誕生したスタジアムが、118年後にEURO2020の舞台になるというのはさすがサッカーの本場イギリスですね。
現在では収容人数約52000人と、ヨーロッパのスタジアムとしては特別巨大なスタジアムはありませんが、かつて20世紀初頭から1950年にブラジルのマラカナンスタジアムができるまでは、世界最大のスタジアムでした。
1937年に行われたスコットランド✕イングランドでは観衆14万9415人という、現在そして今後も破られることはないであろうヨーロッパの最多記録を更新。
惜しくも筆者はその場にはいませんでしたが(当たり前)、改修に改修を重ねたとは言えそのような伝説的な歴史を刻んできたスタジアムで現在でもサッカー観戦ができるのは、非常に貴重な経験と言えるのではないでしょうか。
また比較的最近では2002年のチャンピオンズリーグ決勝、ジダンの「あの」決勝ゴールでレアルマドリードがレヴァークーゼンを破って優勝した舞台としても、サッカーファンの記憶に鮮明に焼き付いています。
※【2021年4月更新】ハムデンパークで行われるEURO2020の試合では収容人数の25%〜33%の観客を動員する見通しであることが、UEFA公式サイトで発表されました。
電車orバス1本で行ける簡単アクセス!
そんな現代の生きるレジェンド、ハムデンパークはグラスゴー中心からの南に4㎞ほどの場所にあります。
かつては馬やロバに乗って行ってたのかもしれませんが(適当)、現代ではしっかり交通機関が整備され、ロバを所有していない旅行者でも簡単にアクセスできるので安心です。
ここではグラスゴーの中心で周辺に多くの観光スポット、ホテル、レストランが集まるグラスゴー・セントラル駅からハムデンパークの行き方をチェックしてみましょう。
電車で行く場合
グラスゴー・セントラル駅からスタジアムへはキャスカート・サークル線(Cathcart Circle Lines)で、マウント・フロリダ駅(Mount Florida)下車徒歩8分ほど。
全体の所要時間も約20分と好アクセスです。
またはその1つ前後の駅であるクロスヒル駅(Crosshill)とキングス・パーク駅(King’s Park)からでも徒歩15分前後なので、混雑具合によってはそちらを利用してもいいでしょう。
鉄道の公式サイト(英語)
バスで行く場合
バスの路線は電車より遥かに多く、ハムデンパークに行く路線は5、6、7、7A、31、34、90などがあります。
乗車前に係員やドライバーに「To Hampden Park?」と確認すれば安心です。
全体の所要時間は30分前後ですが、道路状況によってはもっと掛かることがあるので時間には余裕を持って出発しましょう。
バスの公式サイト(英語)
徒歩で行く場合
グラスゴー中心からスタジアムまでは約4㎞なので、普通に歩くと1時間ほどです。
それなりの距離ではありますが、賑やかな街中心からクライド川を渡りのどかな住宅街や公園を越えてたどり着く道のりでは、様々な風景も楽しめます。
試合当日の活気あふれる独特な雰囲気の街をじっくり味わいたい人は、ウォーキングがてらちょうどいいルートかも。
旅行者に便利なチケットは?
グラスゴーの交通手段は主に電車・メトロ・バス。
街中心部はとてもコンパクトにまとまっているものの、ハムデンパークをはじめ郊外にも観光スポットがあるため、うまく交通機関を使いこなすことでより効率よく動き回れます。
非常にたくさんのチケットがあるので、旅の日数・行きたい場所・同行者の人数や年齢などにより最適のタイプを選ぶといいでしょう。
参考に英語ではありますがこちらのページで旅行者のタイプや目的に合わせたチケットが検索できます。
代表的な例としていくつか挙げると、
・バス乗り放題1日/£4.6、1週間/£17から
・メトロ&近郊エリアの鉄道乗り放題1日/£7.4
・グラスゴーとエディンバラの周遊パス3日間/£55
グラスゴー・セントラル駅⇔マウント・フロリダ駅の往復運賃は£2.3〜なので、ほとんど交通機関を利用しない人ならシンプルに通常の乗車券で良いでしょう。
のどかなエリアでホテルや飲食店は多くない
ハムデンパークは距離的にはものすごく街中心から離れているわけではありませんが、緑が多いエリアということもあり雰囲気的には落ち着いています。
宿泊施設もない訳ではありませんが数はかなり限られているので、EUROのような大イベントで訪れる際には早めの予約は必須です。
同様に飲食店もマウント・フロリダ駅周辺にパブやカフェが数軒ありますが、選択肢はあまり多くありません。
試合の直前や直後にスタジアム周辺で1杯、という流れが好きな人もいるでしょうが、試合当日はむしろ街中心部の飲食店やナイトスポットがひしめくエリアの方が盛り上がります。
電車やバスですぐの距離でもあるため、特にサッカー観戦以外にも観光やグルメ、ナイトライフを満喫したい人は街中心に滞在した方が便利です。
まとめ
世界でも屈指の歴史を誇る、グラスゴーのハムデンパークのアクセスや周辺情報を解説しました。
ハムデンパークはスコットランド1部リーグのクラブの本拠地としては使用されていないこともあり、在住者以外ではなかなか訪れる機会は少ないと言えるでしょう。
そんな中で行われるEURO2020は、旅行者でも行きやすい大きなチャンスなので、ぜひこの機会にハムデンパークを訪れてみてはいかがでしょうか。
そのためにもまずはコロナウィルスが終息に向かい、2021年に無事にEUROが開催されることを願います。