新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で2021年に延期された、サッカーの祭典EURO2020。
その開催地の一つだったアイルランドの首都ダブリンは、除外されることが決定。
この記事ではEURO開催が流れたことでもはや誰も興味がないであろう、ダブリンのアビバスタジアムのアクセスや周辺情報を解説します。【2022年6月更新】
2010年完成のスタイリッシュなスタジアム!
2021年にEUROの舞台になる予定だったダブリンのアビバ・スタジアム(Aviva Stadium)。
スタジアムはクラブには所有されておらず、主にサッカーとラグビーのアイルランド代表戦に利用されています。
完成が2010年ということもあり、ふんわりしたなめらかなデザインが女子ウケしそうなスタイリッシュなスタジアム。
収容人数は約52000人と充分立派な感じですが、今回のEURO2020開催予定だった12のスタジアムの中ではコペンハーゲンに次いで2番目に少ない数です。
さらに総合スタジアムのような陸上トラックがないサッカー&ラグビー専用スタジアムなので、見やすさという点では上位にランクするスタジアムと言っていいでしょう。
そんな見た目も中身もイケメンなスタジアムですが、完成が新しいことに加え使用が代表戦やカップ戦の決勝などに限られていることから、日本人にとってはEURO2020が観戦の絶好の機会だったのですが。。。
歩いて行ける!アクセス抜群の街ナカスタジアム
おそらくアビバ・スタジアムの一番の推しポイントは、アクセスの良さ。
街中心から約2kmというのはEURO開催の12スタジアム中、ビルバオに次いで2番目の近さ。(※2021年4月にダブリンもビルバオもEURO開催地から除外されました)
ここでも1番になれないところにもどかしさを感じますが、歩いても行けるというのは旅行者にとっても非常に便利です。
それではダブリンの中心エリア、テンプルバー(Temple Bar)からスタジアムへのアクセスを確認してみましょう。
バスで行く場合
テンプルバー及びダブリン中心からスタジアム方面に向かうバスは数多く、便利な反面旅行者にはややこしい面も。
乗換なしで行けるのは1、7A、39、70などがありますが、いずれもテンプルバー→バス停+バス停→スタジアムで計20分前後歩きます。
乗り換え有りなら歩く距離が短くなるルートもあるので、グーグルマップまたは公式サイトで詳細を確認するといいでしょう。
電車で行く場合
タラ・ストリート駅(Tara St)からDARTという電車でランズダウン・ロード駅(Lansdowne Road)下車、徒歩1分。
テンプルバーからタラ・ストリートは徒歩だと18分、バス65、68、150などだと3分ほど。
同サイトで電車のルートも確認できます。
徒歩で行く場合
スタジアムはテンプルバーから南東に3km少々です。
時間にすると40分ほどかかることになりますが、ほぼR815線をひたすら進めばよく、試合開催日にはたくさんのサポーターが同様に歩いて行くので道のりとしては複雑ではありません。
バスや電車を使う場合でもそれなりに歩くうえ、途中には多くのパブやスポーツバーもあり、試合当日の熱狂を感じながらスタジアムに向かうには最高の手段と言えるでしょう。
観光客に便利なチケットは?
ダブリンには主にバス・電車・トラムの3つの交通機関があります。
バスは街の隅々までカバーしている分使いこなせば便利ですが、路線が多すぎて旅行者には分かりづらくまた渋滞で遅れることもあります。
一方で電車やトラムは路線が限られているものの渋滞の心配はないため、時間の正確性ではバスより上です。
そのため行き先や滞在日数によってそれぞれを上手く使い分けることで、よりダブリンを効率よく動き回れます。
ここでは特にEURO開催時のような観光客が激増する時に便利なチケットで代表的なタイプをいくつか紹介します。
Leap Card(リープカード)
いわゆるダブリン版PASMOと言えるのがLeap Card。
Leap CardにはRegularとVisitorがあり、Regularは使う分だけチャージするタイプ、Visitorは乗り放題タイプで、各交通機関に共通で利用できます。
Regularは初めに€5でカードを購入すると€5がすでにデポジットとして含まれており、最低€5からチャージできます。
Leap Cardで交通機関を利用すると運賃も自動で割引になるので、時間とお金を同時に節約できるとても便利なカードです。
交通機関をガッツリ使う人ならVisitorがお得です。
料金は24時間/€10、3日間(72時間)€19.5、7日間(168時間)€40です。
Leap Cardを購入できる場所はこちら(英語)で確認できます。
Dublin Pass(ダブリンパス)
観光をたくさんするなら、30ヶ所以上の人気観光スポットの無料入場や各種割引が付いたDublin Passが便利です。
料金は1日券€69〜とそれなりの価格ですが、各入場料も高めなので特に数日間じっくり観光したい人なら元は取れるでしょう。
注意点として、Dublin Passには主要観光地を周る観光客向けのHop on Hop off Busは含まれていますが、公共の交通機関は含まれていません。
そのためアビバ・スタジアムを始めHop on Hop off Busのルートに含まれていない場所に行く場合は、別途交通機関を利用する必要があります。
徒歩圏内にホテルや飲食店も充実
街から近いスタジアムなので、当然周辺にはホテルや飲食店もあります。
快適な4つ星ホテルからグループでの滞在に最適なアパートメントまで徒歩圏内に様々な宿泊施設がありますが、EURO開催期間中は混雑は必至。
スタジアム周辺に滞在したい場合は、観戦日程が決まり次第早めに予約することが大切です。
同様に飲食店も本場アイリッシュパブからゆっくり食事を楽しめるレストラン、手軽なファストフードなどバラエティ豊かです。
ただしランズダウン・ロード駅は実質スタジアムの目の前のため、駅付近にはほぼ何もありません。
そのため電車で行く場合は事前に食事を済ませるか、ランズダウン・ロード駅からやや戻る形になるベッガーズ・ブッシュ(Beggar’s Bush)辺りのお店に行くと良いでしょう。
【2022年6月追記】実際に試合観戦してみた
さてEURO2020の開催地から無念の除外となり、アイルランド人以外には大きな意味を持たないスタジアムとなっていましたが、そのEURO2020から1年後、ついに筆者がこのアビバ・スタジアムで試合観戦してきました。
筆者が観戦したのは、2022年6月8日に行われたUEFAネーションズリーグのアイルランドvsウクライナ戦。
結論から言うと、アクセス・見やすさ・デザインなど、どれを取っても文句なしの素晴らしいスタジアムだと感じました。
実際に観戦してみて、改めてこの見事なスタジアムでEUROが開催できなかったことが残念だと感じましたし、またそのような大きな大会の舞台になって欲しいと勝手に思ったものです。
そして近年大舞台であまり輝いていないサッカーアイルランド代表が、そんな優等生スタジアムに負けじと存在感を発揮してくれることこそが、アイルランド人の何よりの願いではないでしょうか。
まとめ
EURO2020開催予定だったダブリンのアビバ・スタジアムの情報をまとめました。
EUROの開催が流れたことで多くの日本人にとってはどうでもいい情報になってしまいましたが、モダンで機能的なアビバ・スタジアムがアイルランドを代表する人気スタジアムというのは変わりありません。
街の中心からのアクセスも良いので、サッカーやラグビーのアイルランド代表戦が行われる際にはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。