イングランドの名門サッカークラブ、マンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラッフォードは、欧州を代表する伝統のスタジアム。
1世紀以上に渡り数々の栄光や名勝負を生み出してきたこのオールド・トラッフォードへのアクセスや周辺情報を、欧州在住の筆者がまとめました。
1910年開場!幾多のドラマを生んだ“夢の劇場”
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サッカーの母国イングランドには、19世紀生まれで今もバリバリ現役の超ベテランスタジアムがゴロゴロあります。
それを聞くと1910年誕生のオールド・トラッフォードは“ヤング・トラッフォード”に感じるかもしれませんが、実際にこの110歳を超えるオールド・トラッフォードでもイングランド最古のサッカースタジアムトップ10にすら入ってないそう。(参照サイト:SQaF)
それだけイングランドが高齢化社会歴史的建造物が多いということではありますが、このオールド・トラッフォードも1910年の開場以降、幾多の感動・興奮・挫折・悲劇・栄光etc.を刻んできました。
第二次世界大戦でドイツ軍から受けた爆撃もその出来事の1つで、これによりスタジアムの大部分が焼失。
その間、現在では同じマンチェスターのライバルクラブとしてすっかりおなじみのマンチェスター・シティのホームスタジアムを借り、1949年にようやく再建。
マット・バスビー監督の下でクラブが躍進していく中、今度は1958年に『ミュンヘンの悲劇』として知られる航空事故によって多くの主力選手を失うことに。
この悲劇の事故から奇跡的に生還・復帰し、その後再びクラブを立て直した当時のバスビー監督とボビー・チャールトン選手は、その多大な功績が讃えられ現在でもスタジアムに像が建てられています。
また代表戦としては、ホスト国イングランドが西ドイツを破って初優勝を飾った1966年のワールドカップ、さらにその56年後には女子イングランド代表がこれまたドイツを破り初優勝したEURO2022の開催地の一つにもなっており、マンチェスター・ユナイテッドサポーターに限らずイングランド人にとっても重要な意味を持つスタジアムと言えるかもしれません。
前述のクラブレジェンド・チャールトン氏が “The Theatre of Dreams(夢の劇場)”と命名したように、あらゆるドラマや名場面がこの地で誕生したわけですね。
また、サッカー以外にもラグビーワールドカップや世界的アーティストのライブにも使用されており、名実共にイングランドを代表するスタジアムとなっています。
街中心から約30分の簡単アクセス!
そんな輝かしい“夢の劇場”ですが、現実にはアクセスは簡単です。
オールド・トラッフォードはマンチェスター中心から西に約4kmのエリアにあり、公共交通機関を使えば30分前後で到着。
それではここでは例として、マンチェスターの主要駅の一つである『マンチェスター・ピカデリー駅(Manchester Piccadilly)』から、いざ夢の劇場へ旅立ってみましょう。(参照サイト:マンチェスター公共交通機関公式サイト)
トラムでのアクセス
鉄道駅と同じくトラムもピカデリー駅があり、
①Blue Lineの“Eccles駅”行きPomona駅下車し、スタジアムまで徒歩約15分
②Purple Lineの“Altrincham駅”行き、Old Trafford駅下車から徒歩約15分 ※
どちらも駅から少々歩く形ですが、ほぼ1本道で分かりやすく乗り換えも要らないので、土地勘のない旅行者にも便利な行き方の一つでしょう。
※歩く時間を短くしたければ、Cornbrook駅でRed Lineに乗り換え→Whalfside駅下車で、徒歩約7分
全体の所要時間は約30分です。
バスでのアクセス
トラムより路線がずっと多いバスは旅行者には少々複雑に感じるかもしれませんが、こちらも乗換なしで行けるため、良い選択肢の一つではあります。
いくつかの分かりやすい路線を挙げると、
①ピカデリー駅から徒歩約10分のPiccadilly Gardens停留所からX50線“The Trafford Centre”行き、Waterside(Stop B)下車から徒歩約3分
②ピカデリー駅から徒歩約10分のChinatown(Stop CU)停留所から250線“The Trafford Centre“行き、Old Trafford Matt Busby Wayで下車し、徒歩約3分
他にもいくつか路線はあり、もし試合の日であればユニフォームやグッズを身に着けたサポーターがあちこちにいるでしょうから、どのバスがスタジアムに行くか尋ねても良いでしょう。
こちらも全体の所要時間は30分ほどです。
徒歩でのアクセス
マンチェスター・ピカデリー駅からスタジアムまでは5km近くあり、普通に歩くと1時間少々はかかります。
しかし道自体は複雑ではなく、ほぼ平坦な道をひたすら西に進むだけなので、特に天気が良い日であれば散歩がてら歩いて行くのもおすすめ。
ただし夜の試合の場合は試合終了が22時以降になることもあるため、行きはともかく、帰りは公共交通機関やタクシーを使うのが無難です。
ここでは例としてピカデリー駅からのルートを紹介しましたが、オールド・トラッフォード周辺にも宿泊施設はあるので、試合観戦が主な目的ならスタジアムに近い場所に泊まるのも良いでしょう。(その場合は街中心から少々外れますが)
旅行者にお得なチケットは?
マンチェスターの交通機関は非常によく網羅されており、サッカー観戦と共に観光も楽しみたい人にも使いやすくなっています。
それではいくつか代表的なチケットを見てみましょう。(料金はいずれも2023年2月時点)
・通常のシングルチケット(Single ticket)…例に挙げたマンチェスター・ピカデリー→オールド・トラッフォードの場合、トラムの片道チケットは£2.8・バスは£2以下(正確な金額が検索できず)。
マンチェスターの主な観光スポットは徒歩でも周りやすい中心地に多いため、もし他に交通機関を使う予定がないのなら、この通常のシングルチケットで問題ないでしょう。
・1日フリーパス(1-day travelcard )…バスは£5、トラムはゾーンによるがマンチェスター中心⇔オールド・トラッフォードを含むゾーンだと£4.3。
こちらは『24時間』ではなく、その日の終電(バスは翌3:59)までなので注意。
あら、つまりトラムは2回乗ればもう元が取れるので、シングルチケット×2よりこの1日フリーパスの方が良さそうですね。
バスも3、4回乗るならフリーパスがベター。
・週末フリーパス(Weekend travelcard)…金曜18:00から日曜の最終までトラム乗り放題、£6.8。
週末にマンチェスターに滞在して観光&試合観戦をする場合に便利そうですね。
他にも年齢や人数によって割引になるチケットもあるので、こちらのページから最適のチケットを探してみると良いでしょう。
スタジアム周辺には何がある?
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すでに少し触れたように、オールド・トラッフォードはマンチェスター中心から4kmほど離れてはいますが、周りに全く何もない荒野ということでもありません。
もちろん街中心ほどの数ではないものの、徒歩圏内に様々なランク・タイプの快適なホテルやアパートメントがあり、場所によっては客室からスタジアムが見渡せる宿泊施設も。
(例:Booking.com掲載のオールド・トラッフォード周辺の宿泊施設)
そのためマンチェスター・ユナイテッドのサポーターは言うまでもなく、試合だけではなくスタジアムに何度も足を運びたい人には大きなメリットと言えるでしょう。
他にもバブやカフェ、レストラン、あるいはショッピングモールなどもあるので、試合の前後の腹ごしらえ、1杯、休憩、時間つぶしなどなど、様々な過ごし方が可能。
特に試合の日の直前&直後は交通機関も混雑しがちなので、パブなどに寄りつつ、時間を少しずらして利用するのもおすすめです。
試合観戦は難易度高め?!
スタジアムへのアクセスは分かった、周りに宿泊施設や飲食店があることも分かった、よーしじゃあ早速今週の試合を観に行くぞー!\(^o^)/
・・・と言いたいところですが、ちょっと待って下さい。
財布とスマホだけ持って“夢の劇場”へさくっと行って、その場でチケットを購入して試合観戦ができればまさに夢のようですが、現実はもう少し厳しいかもしれません。
オールド・トラッフォードを本拠地とするマンチェスター・ユナイテッドは世界的なビッグクラブであり、それ故にいつでも誰でも簡単にチケットを手に入れられる訳ではありません。
まずチケット購入の基本中の基本として、転売サイトやダフ屋からではなく公式サイトから購入することが重要です。
その流れを画像と共にざっくりと見ていってみましょう。
まずマンチェスター・ユナイテッド公式サイトから“TICKETS”ページに行きます。
(※ちなみに公式サイトには日本語版もありますが、日本語版からはチケットページに行けないようです。)
少し下にスクロールすると色々なチケット情報が出てくるので、とりあえずベーシックな“MATCH TICKETS”をチェックしてみます。
するとチケット購入可能な試合が一覧で出てきます。
なんだ、簡単じゃん!・・・と思ったかもしれませんが、よく見ると『チケット販売は公式メンバーに限定』との説明が。
このメンバーシップは有料のため、例え1試合観るのみでも年会費を払うことになります。
それを聞くとえええ、、、と感じるかもしれませんが、メンバーシップは年間£20程度〜なので、定価の数倍の価格で売られることが多い転売サイトでチケットを購入するより安いはず。
価格もですが、転売サイトでチケットを購入するとチケットが届かない・入場できないといった致命的なトラブルが起こる可能性がゼロではないので、仮に公式サイトで完売しているからと言って安易に転売サイトに手を出すのはおすすめしません。
それでも有料メンバーシップはちょっと面倒だなあ、、、という人には、いくつかの別のオプションがあります。
ホスピタリティチケット
先ほど貼った画像の“BUY NOW”の右に“BUY HOSPITALITY”というボタンがありますが、これはメンバーでなくても購入可能ないわゆるVIPチケットです。
ホスピタリティチケットにはフードやドリンク、オリジナルギフトなどが含まれており、概ね£300〜とそれなりの価格設定ですが、特別な体験をしたい人には素晴らしいチケット。
こちらは地元サポーターはあまり買わないため、一般のチケットよりも購入できる可能性が高いと言って良いでしょう。
マンチェスター・ユナイテッド以外の試合
もしオールド・トラッフォードでの観戦が主な目的で特にマンチェスター・ユナイテッドの試合にこだわっていないのであれば、少しチャンスが広がるかもしれません。
上にも書いたようにオールド・トラッフォードでは代表戦やラグビーの試合が行われることもあり、2022年夏には女子EUROの開催地の一つにもなりました。
マンチェスター・ユナイテッドに限らず、クラブの試合は毎回欠かさず観戦する熱烈な地元サポーターも多く、代表戦や他の競技の試合の方がチケット争奪戦が激しくないかもしれませんよ。
スタジアムツアー
最後に試合観戦ではないものの、オールド・トラッフォードの歴史や裏側を存分に堪能することができる、スタジアム&ミュージアムツアーも挙げておきましょう。
マンチェスター・ユナイテッドにせよ他の試合にせよ、予め日程は決まっているので、365日いつでも試合が行われている訳ではありません。
しかしスタジアムツアーは試合開催日以外は常に行われているので、時間が限られた旅行者にも参加しやすいでしょう。
こちらも公式サイトから予約していくことが推奨されています。
まとめ
イングランドの名門クラブ、マンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラッフォードのアクセスや周辺情報と、基本的なチケット情報をまとめました。
世界的な人気を誇るクラブだけに誰でも簡単&安く試合観戦できるとは限りませんが、ファンであれば一度は実際に足を運んでみたいであろう“夢の劇場”。
チャンスがあればぜひ試合観戦やスタジアムツアーで、忘れられない体験をしてみてくださいね。