ドイツの首都ベルリンにあるオリンピア・シュタディオンは、その名から想像できる通りベルリンオリンピック開催に合わせて開場した歴史あるスタジアム。
オープン以来、オリンピック以外にも数々の白熱した試合やイベントの舞台となってきたこのスタジアムへのアクセスや周辺情報を、欧州在住の筆者がまとめました。
1936年開場!欧州最大級の歴史あるスタジアム
1936年、ナチス政権下で行なわれたベルリンオリンピックの開会式でスピーチを行なうヒトラー、そしてそれに熱狂する大観衆。
この象徴的なシーンを白黒の映像で見たことがある人もいるかもしれませんが、この時ヒトラーと10万人と言われる観衆が詰めかけていた場所こそ、今日のオリンピア・シュタディオン(Olympiastadion)です。
この1936年のオリンピックというと、水泳の『前畑がんばれ』やサッカー日本代表が優勝候補のスウェーデンを破った『ベルリンの奇跡』(※この試合は別のスタジアム)などが、日本では特に知られた大会。
筆者はこの世代ではないのでライブでは観てませんが(当たり前)、この時代からドイツの第二次世界大戦敗戦、ベルリンの東西分裂、そして壁崩壊から今に至るまで、激動の歴史を刻んできたベルリンと共に生き続けているオリンピア・シュタディオン。
この80年以上の間には、オリンピック以外にも地元西ドイツが天才ヨハン・クライフ率いるオランダを破って優勝した1974年の西ドイツワールドカップ、ジダンの頭突きでおなじみの2006年ドイツワールドカップ、さらには2022年現在も破られていない男子100m&200mのスーパー世界記録が誕生した2009年の世界陸上など、まさに記憶にも記録にも残る数々の名イベントの舞台に。
この2006年のワールドカップに合わせて大規模な改修を実施したことで現在の収容人数はおよそ75000人となっていますが、これは立ち見席を除いた数としてはドイツ最大です。
そんなオリンピア・シュタディオンには、どのようにアクセスできるのでしょうか?
ここでは例として、ベルリンのアイコン的な観光スポット・ブランデンブルク門(Brandenburger Tor)からの行き方をチェックしてみましょう。
ベルリン中心から電車1本の抜群アクセス!
さすがは人口350万人以上の大都市ベルリンなだけあり、公共交通機関はしっかり網羅されています。
東京や大阪の交通マップを見慣れている人ならかわいいものかもしれませんが、ベルリンの主な交通手段であるメトロ(U-bahn)と電車(S-bahn)の路線図はこのようになっています。
これ以外にもトラムとバスがあるため実際にはさらに交通網は複雑なのですが、スタジアムへの行き方は限られているので、そう難しくはありません。
電車での行き方
電車ではブランデンブルク門から最寄りのベルリン=フリードリヒ通り駅(Friedrichstraße)まで徒歩約12分→S3または9号線でオリンピア・シュタディオン駅下車徒歩5分ほど。
全体の所要時間は40分ほどで乗り換えもないので、旅行者でも分かりやすいですよね。
歩く距離&所要時間を少しでも短縮したければ、ブランデンブルク門駅からメトロ5号線→ベルリン中央駅(Berlin Hauptbahnhof)でS3または9号線に乗り換え。
S3と9号線がスタジアムに行く路線だと頭に入れておけば、ベルリンのどこからでも迷わず行けるでしょう。
メトロでの行き方
同様に、メトロでは2号線がスタジアムに向かいます。
ブランデンブルク門から徒歩約12分のモーレン通り駅(Mohrenstraße)→オリンピア・シュタディオン駅下車徒歩7分ほど。
全体の所要時間はおよそ45分で、こちらも乗換なし1本なのでとても便利!
メトロ2号線はアレクサンダー広場(Alexanderplatz)を始めとした観光スポットや、バラエティ豊かな宿泊施設やグルメ、ショッピングスポットが多いエリアを走る路線なので、スタジアムへのアクセスが容易なこの2号線沿線に滞在するのも良いでしょう。
バスでの行き方
最後にバスのオプションですが、ブランデンブルク門からスタジアムに行く場合、最低1度は乗り換えが必要で所要時間も約1時間と長いため、このルートでバスを使うメリットはあまりありません。
例として挙げたブランデンブルク門以外のベルリンの主要スポットからも基本的に電車かメトロで行けるので、よほどぶっとんだ場所からスタジアム行かない限りは、路線がさらに難解なバスはあえて利用しなくても良いでしょう。
チケット料金
ベルリンの交通機関は、中心部をAゾーンとしそこから離れるにつれてBゾーン・Cゾーンとなり、ゾーンごとに料金が設定されています。(以下参照:Berliner Verkehrsbetriebe)
例に挙げたブランデンブルク門を始め、ほとんどの観光スポットはAゾーンで、オリンピア・シュタディオンはBゾーンとなるため、Aゾーン→Bゾーンのシングルチケットは€3になります。
つまり往復料金は€6となり、もし他に交通機関をほぼ利用しないならこのシングルチケット×2で良いでしょう。
逆に観光も兼ねて何度も利用するなら、いくつかお得なチケットがあります。
- 24-hour ticket・・・その名の通り24時間有効のフリーパスで、A・Bゾーンは€8.8。シングルチケット×3で元が取れるので、使い勝手良し。
また有効期限は購入時刻からではなく、駅構内の刻印機でパチっと刻印した時刻からなので、購入後すぐに使い始めなくても無駄にならないのも安心です。 - 7-day ticket・・・こちらも説明不要ですが、7日間のフリーパス。A・Bゾーンは€36。
同じく刻印した時刻から連続した7日間有効なので、例えば1週間ベルリンに滞在し、なおかつ交通機関を1日平均2回以上使うならお得に。 - 24-hour small group ticket・・・24時間フリーパスのグループ版。5人まで利用可能でA・Bゾーンは€25.5。
つまり2人までなら1人1枚ずつ、3人以上ならこのグループ版を購入した方がお得ということですね。
スタジアムからの終電時間
欧州ではキックオフの時間がかなり遅いことがあるので、スタジアムでの試合やイベント後に帰りの足があるかは気になるところですよね。
結論から言うと、例えばサッカーの試合なら90分で終わらず延長、それでも終わらずPKで150人ぐらいまで決着が付かないような事態にならない限り、終電に間に合わないことはありません。
電車とメトロは、平日は基本的に午前4:30から翌1:30、そして週末はなんと24時間運行!
つまり週末ならPKで280人まで決着が付かなかろうがピッチに乱入者がいてアディショナルタイムが20分ぐらいあろうが、帰りの電車を心配する必要はありません。
さすがベルリン!!\(^o^)/
スタジアム周辺にホテルや飲食店は?
さてスタジアムがベルリン中心からのアクセスが良いのは分かりましたが、スタジアム周辺にもホテルやレストランはあるのでしょうか?
こちらも率直に答えると、あるにはあるが、やはり街中心の方が圧倒的に数は多いです。
もちろんイベント時にはスタジアム内にスナックやドリンクを売るスタンドがズラッと現れるので、食べる物や飲む物に困ることはありません。
ドイツ名物のソーセージにかぶりつきながら白熱した試合やイベントに一喜一憂するのも、生観戦ならではの醍醐味。
ただし落ち着いてゆっくり食事を楽しみたいなら、観戦の前後にベルリン中心で探すのがおすすめ。
ベルリンは欧州屈指のインターナショナルな都市のため、伝統的なドイツ料理はもちろんエキゾチックなグルメからセンス抜群のカフェ、開放的なビアガーデンまで、多種多様な食が楽しめますよ!
同様に宿泊施設もスタジアム周辺は非常に数が限られているため、ランク・タイプ・予算など自分好みの1軒を選びたいなら、ベルリン中心の宿を取るのが賢明です。
チケットは公式サイトから購入可能!
このオリンピア・シュタディオンは、1963年以降ヘルタ・ベルリンのホームスタジアムとなっています。
ドイツ最大の歴史的スタジアムにしてはなんとも微妙なクラブの本拠地なのね(失礼)、、、という気もしますが、この壮大なスタジアムで行なわれるのは中堅クラブの塩試合だけではありません(再度失礼)
サッカーでは毎年ドイツカップ『DFBポカール』の決勝、そして前述の通り2度のワールドカップや2015年UEFAチャンピオンズリーグ決勝、さらに2024年にはEURO2024の会場の1つにも。
そしてライブ会場としてもドイツでは定番のスタジアムで、U2からマドンナ、ローリング・ストーンズまで、世界のビッグアーティストがこの地でライブを行なっています。
オリンピア・シュタディオンで開催されるイベント情報は、スタジアム公式サイトから確認できます。
チケットの購入も基本的に同サイトから行えるので、気になる試合やイベントがあればぜひチェックしてみましょう。
まとめ
ドイツの首都ベルリンにある、オリンピア・シュタディオンの情報をまとめました。
距離的にはベルリン中心から10kmほど離れているものの、電車またはメトロで容易にアクセスできるため、旅行者でも訪れやすいスタジアムです。
1年を通して何らかのスポーツや音楽のイベントが行われているので、ベルリン観光とセットでぜひ足を運んでみてくださいね!