2020年6月に予定されていたサッカーの祭典EURO2020は、拡大する新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で2021年に延期されました。
EURO2020は欧州各地11都市で行われる史上初の大会で、その中の1つがデンマークの首都コペンハーゲン。
この記事ではそんなコペンハーゲンのスタジアムのアクセスや周辺情報をまとめて解説します。
11開催地で最小!開閉式屋根付きサッカー専用スタジアム
EURO2020の舞台になるコペンハーゲンのパルケン・スタジアム(Telia Parken)は、1992年にデンマーク代表及びFCコペンハーゲンの本拠地として完成しました。
特別新しい訳でも歴史がある訳でもない中途半端な感じですが、開閉式の屋根が付き、もうすぐ三十路を迎えるスタジアムとしては優れた機能を発揮しています。
そして注目したいのは、その収容人数。
コンサート時には拡大するもののサッカーの試合時は約38000人と、EURO2020の開催スタジアム12ヶ所中(※11ヶ所に変更)、断トツの少なさ。
観客が少ないと迫力がないのでは?と思うかもしれませんが、サッカー専用スタジアムで2階席までしかないので、最安の席でもピッチが近く見やすいという利点があります。
EURO2020では全てのスタジアムで、それぞれ3つのカテゴリーのみに分けたシンプルなチケット価格になっています。
そのため巨大スタジアムであるほど同じカテゴリーでも席によって見やすさに差が大きく、コペンハーゲンでは2階席で観れるチケット価格でロンドンでは5階席、という事もありえます。
また収容人数が少ないことで、行き帰りの交通機関や道路の混雑もマシになるというのもポイントです。
メトロは24時間運行!アクセス至便のスタジアム
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スタジアムはコペンハーゲン中心から北に約4kmの自然豊かなエリアにあります。
街中心部とのアクセスは至便で交通機関1本、乗換なしで行けるので旅行者にも非常に分かりやすくなっています。
ここではコペンハーゲン中央駅からスタジアムの行き方を確認してみましょう。
なおここで紹介した方法以外にバスもありますが、中央駅からだと1本で行けないうえ所要時間も長いです。
他の場所からだとバスが便利の場合もありますので、バスを含めたコペンハーゲンの交通機関の詳細は、こちらの公式サイトから確認してみてください。
メトロで行く場合
中央駅から最も便利で早い行き方はメトロで、山手線式のメトロ3線コペンハーゲンH(København H)駅からKongens Nytorv周りトリアングレン通り(Trianglen St.)駅下車、徒歩約4分。
全体の所要時間も15分と早い上に、メトロは24時間運行していて夜の試合観戦でも安心!
電車で行く場合
地下に潜りこみたくないお年頃ならS-Togと呼ばれる電車で中央駅からウスターポート駅(Østerport Station)下車、北西に徒歩18分ほどで全体の所要時間はおよそ25分です。
電車はメトロより路線が多いので、駅の案内板でよく確認するか係員に確認するといいでしょう。
EURO開催時には外国からのサポーターも激増するでしょうから、覚えにくいデンマーク語の駅名でなくても「To the stadium?」だけで通じるはずです。
徒歩で行く場合
コペンハーゲン中心から北に約4kmなので普通に歩くと1時間ほどかかりますが、カラフルで美しい街並み、川や公園の豊かな自然、ウィンドウショッピングなどを楽しみながら歩けば意外とすぐかもしれません。
試合当日の熱気溢れる街の雰囲気を存分に味わいたい&歩くのが好きな人は、スタジアムまでの1時間のウォーキングツアーを実施してみては(^^)
観光客に便利なチケットはある?
コペンハーゲンの主な交通機関はメトロ・電車・バス。
スタジアムをはじめ主な観光スポットの多くは街中心にコンパクトにまとまっていますが、色々足を伸ばしたければやはり交通機関の利用が便利。
デンマークは物価がかなり高いですが観光客に便利な様々なチケットがあるので、観光プランや滞在日数に合わせた最適のチケットで旅をするといいでしょう。
ここでは代表的なタイプを取り上げます。
たっぷり観光をしたい人にはコペンハーゲンカード
サッカー観戦だけではなくとことん観光もしたい人には87ヶ所のミュージアムや観光スポットの入場券、交通機関のフリーパス、レストランなどでの割引といった特典満載のコペンハーゲンカード(Copenhagen Card)が最適。
24時間/€56〜120時間/€134まで、1〜5日の利用が可能(注:公式サイトにならい通貨はユーロで表記しています)
詳しくは公式サイト(英語)より
観光はあまりしないが交通機関は使いまくる人にはシティパス
交通機関のみのフリーパスに当たるのが、シティパス(City pass)。
こちらはシティパススモール(小)とシティパスラージ(大)の2タイプがあり、名前の通りより広いゾーンをカバーしているのがシティパスラージです。
シティパスも大小それぞれ1〜5日用があり、スモールは24時間/80DKK(2020年6月現在約1280円)から、ラージは24時間/160DKKから。
交通機関もあまり使わないが計算が面倒な人にはライセコート
デンマーク版PASMOと言えるのがライセコート(Rejsekort)。
日本の多くのメトロなどでも同じですが、通常の乗車券を買う場合目的地への運賃を確認→購入します。
ただし日本ではもし間違えて購入してしまっても下車した駅で差額を払えば良い場合が多いですが、デンマークでは車中で係員にチェックされ有効な乗車券でないと罰金となります。
そのためあらかじめチャージしていれば乗車の度に運賃の確認をしなくて済むICカードは大変便利です。
さらにライセコートはラッシュアワー以外での割引やグループでの利用OKなどの利点も。
カードは80DKKで購入でき、最低70DKKが常にチャージされている必要があります。
交通機関はほぼ使わない人にはシングルチケット
ほぼ交通機関を使う予定がないなら通常の乗車券、シングルチケットで良いでしょう。
コペンハーゲンではゾーン制と呼ばれる目的地のエリアごとに分けた運賃設定になっているので、しっかり目的地のゾーンを確認してチケットを購入しましょう。
中央駅→スタジアムは24DKK、中央駅→空港は36DKKです。
運賃の確認はこちら(英語)から。通常の乗車券のほかライセコートでの運賃も確認できます。
スタジアム周辺には宿泊施設・飲食店・公園が
コペンハーゲン中心から近いとは言えド真ん中ということでもないため、やはり中心部に比べるとスタジアム周辺の宿泊施設は限られています。
それでも最近はローカル気分で滞在できるアパートメントや民泊も徐々に増加しており、EURO開催に向けてさらに増える可能性もあるでしょう。
もっともEURO開催期間中はスタジアムに近い宿泊施設は激混み必至なので、観戦日程が決まり次第早めに予約しましょう。
スタジアムの東側エリアには飲食店やスーパー、ショッピングエリアがあり、試合の前後に立ち寄るのに最適。
ただし他のスタジアムと同様試合時にはA4サイズ以上の荷物の持ち込みはできないため、試合前にあれこれ買い物をするのは避けましょう。
前述の通りメトロは24時間運行しているので、試合直後の大混雑する時間帯をスルーするために周辺のバーやレストランで一杯やっていくのも良いでしょう。
またスタジアム西側には大きな公園があり、晴れた日には気持ちよく散策できる地元民や観光客の憩いの場となっています。
EURO以外にも試合はある?
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さてこの記事は元々EURO2020の前に書いたのでそのEURO中心の内容になっていますが、パルケン・スタジアムではそれ以外の試合も行われています。
最初に少し触れたように、クラブとしてはデンマークの強豪FCコペンハーゲンの本拠地となっており、シーズン中はそのホームゲームが年間数十試合ほど開催。
さらにデンマーク代表戦の多くもこちらで行われるため、W杯やEURO予選、ネーションズリーグの舞台にもなります。
コロナで2021年に延期になったEURO2020では、初戦で中心選手のクリスティアン・エリクセン選手が試合中に倒れ緊急搬送→一命を取り留める→エースを失いグループリーグ2連敗→そこから怒涛のベスト4進出という凄まじい波乱万丈のトーナメントを送り、色々な意味で記憶に残ったデンマーク代表。
ちなみに筆者もそのEURO2020の後、2022年と2023年にデンマーク代表戦を観に行ってみたのですが、やはりサッカー専用スタジアムでそこそこのキャパシティということで、非常に見やすかったです。
また、街中心からの道のりも平坦で分かりやすいので、ある程度歩くのが好きな人なら混雑する交通機関を使わなくても、散歩がてら歩いて充分行けるでしょう。
筆者も歩いて行きましたし、試合の日にはユニフォームを着たたくさんのサポーターが同様にぞろぞろ歩いているので、道に迷う心配はほぼありませんよ!
まとめ
EURO2020が開催されたデンマークの首都コペンハーゲンのパルケン・スタジアムについての情報を紹介しました。
元々英語がガッツリ通じる国のうえ、アクセス抜群の街ナカスタジアムのため旅行者にもとても安心のスタジアム。
2021年6月から開催されたEUROでは初戦で司令塔が緊急搬送されるというまさかの事態に襲われましたが、その後デンマーク代表はベスト4まで大躍進。
そのエリクセン選手も、約9ヶ月後に見事に代表復帰。
今後もこのパルケン・スタジアムで、ファンを熱狂させる白熱した試合が繰り広げられることを願います。