サッカーの試合を観ていると、試合後に選手がスタンドのサポーターにユニフォームをあげるシーンを見たことがある人は多いのではないでしょうか。
実に心温まるシーンですが、それはもしスタジアムでサッカー観戦をする機会があれば、誰でも憧れの選手からユニフォームをもらうチャンスがあることを意味します。
この記事では実際にサッカー選手からユニフォームをもらうことに成功した経験のある筆者が、その実践テクニックを徹底解説していきます。【2023年7月更新】
チケット購入前:主にSNSによる情報収集
サッカー選手からユニフォームをゲットするうえで、最も重要なステップが事前の情報収集です。
現代ではSNSの発達により現地人ではなくても多くの情報を得ることができるので、ぜひ活用しましょう。
サッカー中継やチームの公式SNSはもちろん、各メディアや一般サポーターのSNSでも試合終了直後の選手たちの様子を映像や動画でチェックすることができます。
そうすると選手がスタンドのサポーターに自身のユニフォームをあげる場面がしばしば見られるので、それをなるべく多くの試合でチェックすることが大切です。
どの選手がユニフォームを頻繁にあげているか
まず確認したいのは、お目当てのチーム(クラブor代表)のどの選手がよくユニフォームをあげているかです。
何試合、何十試合と確認していると、よくあげる選手とそうでない選手の傾向が掴めるはずなので、その傾向を踏まえてターゲットを決めるのもアリと言えるでしょう。
もっとも選手は適当にユニフォームをスタンドに放り投げることは少なく、ユニフォームをおねだりする自分のファンに対して直接あげるのが一般的なので、仮にそれまではあげていなくても、いざアピールするファンがいればあげる可能性ももちろんあります。
どこの席のサポーターにあげているか
当然ですが、5階席でいくらアピールしていてもユニフォームを手にするチャンスはありません。
チャンスは1階席に限られている訳ですが、その中でもどのエリアのサポーターにあげているかは把握したいところです。
一般的には、
・ベンチ付近
・バックスタンドの前目
・ゴール裏
が目につきやすく、良いポジションだと言えるでしょう。
もらったサポーターはどのようにアピールしていたか
やや仕入れにくいですが、これも知っておきたい情報です。
これはユニフォームゲットの際に限った話ではありませんが、どのクラブにも熱狂的でSNSもよくアップするサポーターが必ずいますよね。
有益な情報や現地の画像、動画を流してくれるサポーターのSNSを地道に探し、フォローすることで、ユニフォームゲットに成功したファンがどのあたりの席で、何をボードに書いて、どのように選手に気づいてもらい、栄光の瞬間を迎えたのかが分かる場合があります。
可能性の高い席のチケットを購入
事前の情報収集が整えば、それを元にチケットを購入します。
一般的にゴール裏は熱狂的なサポーターが陣取る席で、スタジアムによっては立ち見席の場合もあります。
またベンチ付近である1階メインスタンドや、1階バックスタンドは料金の高いカテゴリーの席です。
しかしここでケチっていては、ユニフォームをもらうチャンスはありません。
一応情報として書くと、特にヨーロッパのスタジアムでサッカーの試合を観ていると、試合終了前から席を立つ人が結構多いです。
どのブロックにも入口付近にチケットを確認するセキュリティスタッフがいますが、帰る人にはスルーなので、試合終了間際に続々と帰る人にこっそり紛れて違うカテゴリーの席に行ける場合があります。
しかしこれは確実ではなく、あっさりチケットチェックを要求されバレる場合もあり、おすすめしません。
この後にも解説しますが、ユニフォームゲットには試合後だけではなく試合前のアピールも重要なポイントなので、ここは裏道を探さず高くてもきちんと1階席のチケットを取りましょう。
愛を込めて『おねだりボード』を作成
チケットも無事に取れたら、いよいよ選手にユニフォームをアピールする際に欠かせない『おねだりボード』(正式名称不明)を作成します。
人によっては魂の叫びによる己の声のみのアピールでゲットしてるサポーターもいますが、シャイな日本人にはハードルが高い気がします。
ここは愛と情熱を込めて、さくさくとおねだりボードを用意してしまいましょう。
布or紙or国旗に分かりやすく大きな文字で
名前が分からないのでボードと呼んでみましたが、実際にホワイトボードとかを持っていってしまうと、あえなく入場前の手荷物検査で没収の憂き目に遭う可能性が高いです。
そのため素材は折りたたんでポケットにも入れられる、布または紙にしましょう。
お目当てがクラブの選手でチームに同じ国籍の選手がいないなら、国旗を掲げるのも分かりやすくて良いですね。
バングラディシュとかだと見えづらいですが、白地が多い国旗ならメッセージももちろん書き込めます。
大きさは目立つようにある程度の大きさは必要ですが、大きすぎても他のサポーターとのポジション争いが激しくなり広げにくい場合があります。
そのため2人以上で観る場合でも、1人で両手で掲げられる範囲内の大きさがおすすめ。
とにかくパッとひと目で見ても分かりやすいように大きく、太い字で書くことが大事です。
また雨でも大丈夫なように、水性ではなく油性のペンや絵の具を使いましょう。
ちなみにそれ以外だと、段ボール派も結構見かけます。
段ボールの利点としては、紙や布と違ってペラペラしないのでメッセージが見てもらいやすい点が挙げられます。
一方でポケットには入らないので、雨の日には避けた方が良いかもしれません。
メッセージは選手の母国語?現地語?英語?
例えばレアルマドリードのモドリッチ選手におねだりボードを作るとしたら、①クロアチア語(モドリッチ選手の母国語)②スペイン語(クラブ本拠地の言語)③英語(一般的な共通言語)の3つの選択肢があります。
どれがベストかは、正直なんとも言えません。
①であれば、選手本人に親しみを持ってもらえる利点がある一方(特にマイナー言語の場合)、他の選手が目にしても理解できないため、確実に本人の目に留めてもらう必要があります。
②③は当たり障りのない感じもしますが、チームメイトでも必ず何人かは理解できる人がいるので、仮に本人が気づいていなくても周りの選手が見てくれれば「お前のヲタがいるぜ!」的に本人に伝えてくれる可能性があります。
ちなみに筆者は③でそのパターンで成功しました(選手もクラブも別ですが)。
いずれにしてもグーグル翻訳を使えば各言語に訳してくれるので、おねだりボードのためだけにクロアチア語を学ばなくても大丈夫です。
最もシンプルな例としては、
“〇〇(選手の下の名前orニックネーム),Can I have your shirt?”
で、必要に応じて英語をグーグル翻訳で各言語に変換します。
モドリッチ選手の例だと下の名前がルカ(Luka)ですが、2020年4月現在同僚のセルビア代表ヨビッチさんも同じLukaなので、あなたがどちらの推しかを巡ってヨーロッパの火薬庫が今更爆発しないよう、
・本人の写真を加える
・背番号や国旗のイラストを描く
など一工夫を加えてターゲットを明確にし、うっかり別の選手からユニフォームをもらいメ○カリで売るなんてことは絶対にしないようしましょう。
(プチ追記:ヨビッチさんは移籍したので、当面ヨーロッパの火薬庫が爆発することはなさそうです)
試合前:ウォーミングアップ中にアピール
チケットとおねだりボードを準備できたら、あとはスタジアムで実際にアピールするのみです。
まず最初のタイミングは、試合前のウォーミングアップ中。
基本的に試合前のウォーミングアップはベンチ入りしている選手全員が行なうので、仮にお目当ての選手がスタメンでなくてもアピールができます。
また試合開始までは同じカテゴリーまたはブロック内なら自由に移動ができる場合が多いので、なるべく最前列まで行って渾身のおねだりボードを推しの選手に見せつけましょう。
いざ試合が始まると自分の席に着席する必要があり、デカいボードを掲げるチャンスもほぼありません。
選手もプレーに集中し、のほほんとスタンドを眺めている場合ではないので、試合前が最大のアピールタイムです!
試合開始後だと、席にもよりますがハーフタイムに選手が引き上げる際、ベンチスタートの選手なら試合中に再び行われるウォーミングアップの時にもアピールチャンスがあります。
試合後:最前列で最後のアピール!
白熱した試合が終わると、いよいよチャンスをものにする瞬間が始まります。
試合終了後も、席の移動がほぼ自由になるため再び最前列に向かいましょう。
それがホームでもアウェイでも、試合に勝っても負けても、大抵の試合で選手たちは試合終了後にスタンドのサポーターに挨拶に来ます。
広いスタジアムをぐるりと一周することもあるのですぐに自分の目の前に来ない場合もありますが、なるべく試合終了後からすぐにおねだりボードを絶えず掲げていましょう。
なぜなら、カメラがキャッチして大型スクリーンで写してくれる可能性があるからです。
派手にアピールしようとして振り回すと逆に選手からは文字が見づらいので、おとなしく静止した状態でボードを掲げ、その時を待ちましょう。
【悲報】おねだり禁止にするクラブが続出?!
と、ここまで長々とユニフォームをもらう方法を書いてきましたが、思わぬニュースが入ってきました。
それは選手にユニフォームをおねだりするバナー(なるほどそう呼ぶんですね)を禁止にするクラブが欧州で相次いでいる、とのこと。
あらまあ(´・ω・`)
この記事によるとデンマークの強豪クラブであるFCコペンハーゲンが、オランダのアヤックスとチェコのスラビア・プラハに次いで新たにバナー禁止にすることを発表しており、各クラブの理由として
・リクエストに応えられない際に子供をがっかりさせたり、選手のネガティブなイメージにつながる
・段ボールによる火災防止
・転売防止
なるほど、個人的にこれは充分理解できます。
特にインターネットやSNSが発達した現代、サッカー選手は試合中のプレーだけでなく、その前後の一挙一動まで常にファンに見られていると言っていいでしょう。
良い行動をすればすぐさま「神対応」と崇められる一方、自分の(一方的な)リクエストに応えてくれないと「○○に無視された!」「最悪な対応!!」とSNSで拡散するファンもいて、残念ながらそれを鵜呑みにする人も一定数います。
日本でもよく有名人のサインなどが転売されることが問題になりますが、ヨーロッパでもそれは同様で、選手の善意を金に変えることしか考えていない人が増えればクラブ側もこのような対応を取らざるを得なくなるでしょう。
悲しいことではありますが、ファンのモラルやマナーが向上しない限り、今後同じようにバナー禁止にするクラブや代表チームは増えていくかもしれませんね。
ちなみにバナーが禁止になっただけでユニフォームをねだる/あげる行為そのものが禁止された訳ではないので(今のところ)、小細工なしで魂の叫びのみでゲットするチャンスはまだあります。
筆者があえて書くまでもないかもしれませんが、選手が試合後にファンにユニフォームをあげるのは完全なる善意によるもので、義務では一切ありません。
そのためこの記事を読んでも、くれぐれも「このやり方でねだればユニフォームをもらえて当然」とは解釈しないでくださいね!
まとめ
ここでのテクはヨーロッパのいくつかのスタジアムで実際に筆者が実行した方法ですが、スタジアムによっては警備がより厳しく全く同じテクが使えない場合もありますし、逆にもっと緩い場合もあります。
とにかく試合前の情報収集とチケット代に惜しまずに時間&お金を費やすことが成功への鍵です。
もちろんここまでのテクニックを完全に遂行しても、ゲットできない場合はいくらでもあります。
それでもまずは推しの選手があなたに目に留めてくれれば、次回の観戦時に同じおねだりボードを持っていった際に記憶していてくれるかもしれません。
旅行者だと日程が限られている人も多いと思いますが、もし何試合か行けるのであれば、同じおねだりボードを使ってなるべく毎回近い席で観戦し続けることがユニフォームゲットの近道だと言えます。
誰でも簡単にゲットできるわけではない分、成功した時の喜びもひとしおです。
そして今後もこういったファンと選手のやり取りが可能であり続けられるためには、たとえ成功してもしなくても選手への敬意を忘れないことが大切ではないでしょうか。
試合観戦の際には、ぜひ挑戦してみてくださいね!