拡大する新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で2021年に延期された、サッカーの祭典EURO2020。
その中の開催予定地の1つが、東欧ルーマニアの首都ブカレストです。
ロンドンやローマなどの開催地に比べるとサッカー観戦地としてはあまりなじみがないですが、どんなスタジアムなのでしょうか?
この記事ではそんなブカレストのスタジアムのアクセスや周辺情報をまとめました。
開閉式の屋根付き!モダンなサッカー専用スタジアム
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そう遠くない過去まで独裁政権が行われていたルーマニア、貧困にあえぐ市民の呪いの言葉が刻まれたおどろおどろしいスタジアムなのでは・・・と妄想してしまうかもしれませんが、そんな心配はいりません。
今回EURO2020の舞台となるブカレストのアレーナ・ナツィオナル(Arena Națională)は、収容人数約55000人のルーマニア最大のサッカー専用スタジアムとして2011年に完成した、極めてモダンなスタジアム。
ただ大きいだけではなくスタジアムには15分で開閉可能の屋根がついており、雨が降っても安心!
実際にブカレストはEUROが開催される6月、次いで7月が1年で最も雨が多い時期のうえ夜は夏でも気温が低くなることがあるので、雨に濡れて観戦しなくて良いのは嬉しいポイントです。
スタジアムはルーマニア代表戦に加えてルーマニアリーグのFCSBとFCディナモ・ブカレスト(Dinamo București)という、大方の日本人には果てしなくどうでもいいクラブの試合にも使用されています。
さらにエド・シーランやレッド・ホット・チリペッパーズなど世界的なアーティストのコンサートも行われており、EURO2020以外にも東欧を代表するスタジアムとして今後も様々なビッグイベントの舞台になることでしょう。
トラムやメトロなどで多数の行き方!
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スタジアムはブカレスト中心部から東に約5kmの場所にあります。
徒歩で行くには少々距離があるものの交通機関がとても充実しているので、街のどこからでもアクセスしやすい利点があります。
さらに複数のオプションがあるということは、利用客が分散されて大混雑を避けることにも繋がります。
ここではブカレストの観光の中心で宿泊施設も多い旧市街(Centrul Vechi)からスタジアムのアクセスをチェックしてみましょう。
トラムで行く場合
ピアタ・スファンタ・ビネリ駅(Piata Sfanta Vineri)からトラム56番線レプブリカ行き、アレーナ・ナツィオナル(Arena Nationala)下車徒歩約6分。
同様にピアタ・スファンタ・ビネリ駅からトラム40番線あるいは55番線でも乗換なしで行ける。
40番線と56番線だと全体の所要時間約35分、55番線だと約50分。
メトロで行く場合
①ピアッツァ・ウニリ1駅(Piața Unirii 1)からメトロ3線アンゲル・サリニー行き(Anghel Saligny)でドリストール駅(Dristor)下車、メトロ1線レプブリカ行き(Republica)に乗り換え1駅、ピアタ・ムンチ駅(Piata Muncii)下車徒歩約20分。
②ウニベルシターテ駅(Universitate)からメトロ2線ピペラ行き(Pipera)でピアッツァ・ビクトリエイ1駅(Piaţa Victoriei 1)下車、メトロ1線ドリストール2行き(Dristor 2)に乗り換え4駅、ピアタ・ムンチ駅下車徒歩約20分。
いずれも乗り換えが必要で駅からも少し距離がありますが、渋滞に左右されないのはメトロの不動の強みです。所要時間は約1時間。
バスで行く場合
ウニベルシターテ停留所からバス90番線アレーナ・ナツィオナル行き、終点下車徒歩約6分。所要時間約40分。
こちらがバスでは最も早くバス停からスタジアムまで歩く距離も短いルート。
他にウニベルシターテからバス70番線またはピアッツァ・ウニリ1停留所からバス104番線でも乗換なしで行けるので、混雑状況等により使い分けるといいでしょう。
徒歩で行く場合
ブカレスト旧市街からスタジアムは約5kmあるので歩くと1時間少々かかりますが、道自体はバスやトラムが通る大通り(Calea Călărași)をほぼひたすら東に進むのみなので、シンプルではあります。
歩くのが好きでゆっくり景色を眺めたり試合当日の熱気を味わったりしながらスタジアムに行きたい人は、己の足で突き進むのもいいでしょう。
また旧市街⇔スタジアムの間にも宿泊施設は点在しているので、少しでもスタジアム寄りの場所に滞在すれば当然歩く距離も短くなります。
ただし夜や一人観戦の場合は、長時間に渡る徒歩での移動は避けた方が無難です。
観光客に便利なチケットは?
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ブカレストは地上を走るバスやトラムの料金とチケットは共通ですが、メトロは別です。
そして観光都市でよくある全ての交通機関乗り放題になるフリーパスや、それに観光スポットの入場料がプラスされたいわゆるブカレストパスのような物もありません。
代わりに様々なチケットがごちゃごちゃとあるので、ここでは代表的な物のみ取り上げます。
バス&トラム・・・初めに3.7レイ(2020年6月上旬レートで約90円)でチャージ式のカードを購入し、あとは使う分だけチャージします。
1回券は1.3レイで、より多く利用する人には1日券/8レイ、7日券/17レイがあります。
メトロ・・・1回券が2.5レイ、そして乗り放題券としては1日券/8レイ、7日券/25レイとなります。
バスorトラム⇔メトロを60分以内の利用に限り乗り換え可能なチケットもあり、1回券/5レイ、1日券/17レイ、10回券/34レイです。
いずれにしても他の欧州各国と比較すると非常に安いのですが、バスやトラムとメトロはそれぞれ下記のような特徴があるので、それを踏まえて利用するといいでしょう。
バス&トラムのメリット
・路線が多く街中をカバーしている(特にバス)
・安い
・景色を見ながら移動できる
バス&トラムのデメリット
・ピーク時は鬼のように混む
・英語アナウンスがないので分かりづらい
・渋滞でしばしば遅れる
メトロのメリット
・案内板が分かりやすい(行き先や乗換駅など)
・遅延が少ない
・全ての駅のデザインが異なりユニーク
メトロのデメリット
・路線が少なく街全体はカバーしていない
・ピーク時はやはり混む
例として挙げた旧市街→スタジアムも、トラムとバスは1本で行けるのに対しメトロは乗り換えが必要で所要時間も長いです。
しかし実際にはEURO開催中は観光客の激増もあり、渋滞でメトロの方が早くなる可能性もあります。
またアナウンスもないぎゅうぎゅう詰めの車内だと目的の停留所で降りそびれることもありえるので、特にバスやトラムを使う場合は時間に充分余裕を持って行動しましょう。
宿泊施設は少ないが周辺にはショッピングモールや飲食店も
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元々スタジアムは中心地からやや離れていることもあり、宿泊施設はほとんどありませんでした。
最近ではローカル気分で泊まれるアパートメントや民泊が増えてきてはいるもののまだまだ数は少なく、特にEURO期間中は混雑必至です。
そのため宿泊エリアとしては、宿泊施設の数が断然多くタイプもバラエティに富んだ街中心部にするのが王道です。
当然飲食店やショッピング、ナイトスポットも街中心の方が圧倒的に多いですが、かといってスタジアムの周りに何もない訳ではありません。
スタジアムの北約1kmには2015年にできた大型ショッピングモールがあり、買い物はもちろんフードコート、スーパー、映画館なども充実し時間つぶしに立ち寄るのにもぴったり。
またそれ以外にもメトロやトラムの駅周辺を中心に、ゆっくり食事を楽しめるレストランから気軽に小腹を満たせるファストフードまでそれなりにお店はあるので、試合前後に飢えても心配いりません。
ただし他のスタジアムと同様試合時にはA4サイズ以上の荷物の持ち込みはできないので、試合直前にはショッピングには行かないようにしましょう。
これからでもEURO2020のチケットは取れる?
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ここまでこの記事を読んで、うっかりブカレスト愛が芽生えてしまった現時点でEUROのチケットを持っていない人に朗報です。
EURO2020が2021年に延期になったことで今後行けなくなった人のチケットの払い戻し→再販売は確実で、中でもブカレストで行われる各試合のチケットはあのアゼルバイジャンに次いで取りやすいと言って間違いないでしょう。
※【2021年4月更新】ブカレストで行われる試合では収容人数の25%〜33%の観客を動員する見通しであることが、UEFA公式サイトで発表されました。フルで動員できないため、新たにチケットを手にできる可能性は高くなさそうです。
ブカレストで予定されている試合はオーストリア、ウクライナ、そしてルーマニアを含むこれからプレーオフを勝ち上がるもう1チームで行われるグループリーグ3試合とベスト16の1試合の計4試合で、ハッキリ言って地味です。(→追記:その後行われたプレーオフでルーマニアが敗退したため、ますます地味になりました)
このグループの大将格である我らがオランダがアムステルダムに引きこもってブカレストに見向きもしないおかげでこの空前の塩グループが完成したわけですが、ブカレストでの試合のチケットはハンガリー&アゼルバイジャンと共に他の9会場より安くなっています。
地元ルーマニアがプレーオフを勝ち上がればまだ盛り上がりますが、うっかりジョージアとかが来てしまったら選手の親族がチケットを泣く泣く買い占めて知人に売りさばく羽目になるかもしれません(失礼)(→追記:北マケドニアがプレーオフで勝ち上がったため、親戚や友人が総出でチケットを売りさばかないといけない可能性が・・・)
とは言え最安€30からEUROの試合が観れると思えば、それが塩グループだろうが塩試合だろうがお得なのではないでしょうか。
まあ筆者は行きませんけど(おい)
まとめ
2021年にEUROの開催が予定されているルーマニアで最大のスタジアム、ブカレストのアレーナ・ナツィオナルについての情報を紹介しました。
2020年6月現在ルーマニアではスペインや英国ほどの甚大なコロナウィルスの被害は出ていないものの、他の開催国や出場国と同様に終息したわけでもないので、まだまだ予断は許さない状況が続きます。
スタジアムが完成以来最大のイベントとなるであろうEURO2020が無事に開催できるよう、コロナウィルスが一刻も早く終息に向かうことを願います。