クリスマスや年末年始は、イベントが盛りだくさんの華やかな時期。
海外でも多くの人がこの煌めく日々を楽しむ一方、周りに家族や友達がいない人は過ごし方に悩むことも。
この記事では海外で何度もクリスマス&年越しを経験した筆者が、一人でのおすすめの過ごし方を紹介します。
海外の一般的なクリスマスや年越しの過ごし方は?
日本でも何年か前から「クリぼっち」「ボッチマス」などという単語が聞かれるようになったように、クリスマスや年末年始を一人で過ごす人は珍しくありません。
日本だと少し前まではクリスマスは恋人やパートナーとロマンチックに、年末年始は実家で家族とのんびりというのがごくごく一般的な過ごし方でしたが、現代では生活の多様化などによりそれに当てはまらない人もたくさんいる訳ですね。
では、海外ではクリスマスや年末年始をどのように過ごすのが一般的なのでしょうか?
この記事を書いている筆者はオランダに住んでいますが、さすがに海外と一言で言ってもヨーロッパ・アジア・中東・アフリカなどでは全く習慣や文化が異なりますし、全ての国をひとくくりにするのは大雑把すぎます。
しかしキリスト教徒が多いいわゆる西側の各国、ヨーロッパやアメリカ、オセアニアなどでは、国は違えどある程度共通するポイントはあるでしょう。
クリスマスであれば家族や親戚と集まって伝統的な食事やギフト交換をすること、年越しは友達同士でパーティーをしたり打ち上げ花火が上がったりするのが典型例。
キリスト教圏に住む数十億人が揃いも揃って同じことをする訳ではもちろんありませんが、クリスマス=家族とのんびり・年越し=友達やパートナーと楽しむというのが、多くの人の過ごし方と言っていいでしょう。
海外でも「クリぼっち」が当たり前に?
しかし、海外でも伝統的なクリスマスや年越しの過ごし方をしない人は珍しくなくなっているようです。
「2018年のイギリスにおけるクリスマスシーズンの孤独感(Loneliness at Christmas time in the United Kingdom in 2018)」というデータがStatistaというサイトから発表されており、6つの質問に対しそう思うか思わないかという形でアンケートが取られています。(参照サイト:Statista)
・クリスマスシーズンを友達や家族と楽しむ・・・78%
・クリスマスシーズンの期間を一人で過ごしたい・・・29%
・クリスマスのソーシャルな集まりを避ける・・・22%
・クリスマスシーズンはより孤独に感じる・・・17%
・クリスマスの人混みでは一人ぼっちに感じる・・・17%
・一緒に過ごす人がいないのでクリスマスは一人で過ごすだろう・・・8%
8割近くが家族や友達と楽しむと答えた一方、3割近くが1人で過ごしたいと答えており、実際には人との集まりを楽しめていない人も少なくない様子が伺えます。
一方で実際に1人で過ごす予定と答えたのは8%のみで、本音はともかく形式的に家族や友達と過ごす人が多いのかもしれませんね。
欧州の一人クリスマスや年越しは日本より寂しい?!
そして仕事や留学、ワーホリで海外に住む日本人やこの時期に海外旅行する旅人の中には、クリスマスや年越しを一人で過ごす(予定の)人もいるでしょう。
筆者自身もシングルで旅好きのため、何度かのクリスマスや年越しを異国で経験したことがあるのですが、日本との違いに少々戸惑ったことも。
それはどんな点でしょうか?
多くの店や施設が閉まる
日本の特に大都市ではクリスマスだろうが年末年始だろうがオープンしている飲食店や商業施設は多いため、例え一人でもなんだかんだで様々な過ごし方ができます。
しかし欧州では、特にクリスマスと元旦は大部分の店が閉まります。
そのため食べに行く所・飲みに行く所・買い物に行く所・遊ぶ所etc.の何もかもが少なく、一人だとやることがなくて困ってしまうかもしれません。
小さな都市や村だとスーパーすら容赦なく閉まるので、事前に買い出しをしていないと外食もできない・自炊もできないという悲惨な目に遭う可能性も。
家族がいる人は家族優先
言うまでもないかもしれませんがクリスマスは元々キリスト教の祝日のため、普段は別々に暮らしている家族や親戚が一同に集う重要なイベントと考える人は現代でも多いです。
そのためいつもは一緒に遊んだり食事に行ったりする現地人の友達がいても、クリスマスは家族と過ごすことを優先されることは極めて普通です。
特にEU内での移動が自由なヨーロッパの場合、仕事や勉強で他のEU国に住んでいてもクリスマス休暇は母国に帰って家族や親戚と過ごす人も多いので、周りの友達や知り合いがごっそりいなくなってしまうことがあるかも。
日本人が少ない
もしクリスマスや年越しを一人で過ごすことになりそうでも、日本であれば完全な孤独を避ける手段はいくつもあります。
知り合いに片っ端に連絡を取ったり、SNSで同じ境遇の人を探したり、バーなどに繰り出したり。
しかし海外ではそもそも日本人の絶対数が少なく、その中で同じように遊び相手を探している人は一部のみでしょう。
もちろん現地語や英語ができれば外国人とも繋がれますが、そうでないと時間や性格の合う遊び仲間をタイミングよく捕まえるのはなかなか至難の業かもしれません。
人前でも堂々とイチャイチャする
クリスマスが伝統的な行事であるのに比べると、年越しは飲んで騒いでの賑やかな過ごし方をする人が多い欧州。
年越しの際には花火やライブ、様々なイベントが街中で開催されますが、場合によっては右も左もカップルだらけ、ということも。
しかも欧州では人前でもハグもキスもガンガンする人が多いので、普段はあまり寂しさを感じない人でも、周り360度を熱愛カップルに囲まれると孤独感がこみ上げてくる可能性も?
欧州在住者がすすめる8つの過ごし方
ううう、そんなことを書かれるとどう一人で海外のクリスマスや年末年始を生き延びればいいんだ・・・(´;ω;`)
と不安になっているあなた、安心して下さい。
続いて複数の国で一人クリスマスや年越しを乗り切ってきた筆者が、具体的な案を紹介します。
大自然の中で過ごす
街を歩くと周りは楽しそうなカップルや家族、友達同士だらけで一人でいるのが悲しくなる😭という人は、人の少ない大自然の中で時を過ごしてみると良いでしょう。
波の音を聴きながら海岸を散歩したり、森林浴をしたり、天体観測をしたり。
自然界にはクリスマスも年越しも関係ありません。
欧州の場合、この時期は気候的に厳しいエリアもありますが、海や山や森で自然の美しさに触れれば、小さいことは気にならなくなるのではないでしょうか。
高級ホテルやキャンプで非日常的な滞在をする
世間が華やかに過ごしている時に自宅でしんみり一人で過ごすなんて・・・と感じたなら、1〜2日だけでも環境をガラッと変えてみるのもおすすめ。
眺望の良い部屋のバルコニーで好きな本を読む、プールやスパでリフレッシュする、あるいはこれまた自然の中でキャンピングをするetc,日常の生活ではできないことができればベターです。
旅行者の場合でも普段とはあえて違うタイプの宿泊施設、例えばワンランク上のラグジュアリーなホテルや逆にバックパッカー向きの安宿などに泊まることで、新鮮な気持ちになれるかもしれませんよ。
バーやクラブに繰り出す
ある程度の都市の場合、クリスマスはともかく12月31日には多くのバーやクラブが夜通しオープンしているはずです。
中には予約が必要な店や雰囲気的に一人で行きづらい店もありますが、一人でふらっと立ち寄れる店があればぜひ行ってみましょう。
同じように一人で来ている人がいれば話しやすいですし、運が良ければ新しい友達ができるチャンスも。
そこまでガッツリとは他人と絡まなくても、年越しの瞬間を海外ならではの環境や雰囲気でその場だけでも楽しめれば、きっと良い思い出になることでしょう。
エスニック料理店で舌鼓を打つ
ほとんどの店がごっそり閉まるクリスマスに頼りになるのが、中国人・インド人・トルコ人などクリスマス<商売こそ命の方達のレストラン。
チキンやケーキなどの日本でありがちなクリスマスメニューではなく、スパイスガッツリ系のエスニック料理でエキゾチックな食事を満喫してみては。
お店が忙しくなければ、お店のスタッフとのんびりしゃべるのも良いでしょう。
大切な家族や友達と過ごすクリスマスもあれば、その場で知り合った異国の人と過ごすクリスマスがあっても悪くはないはずです。
地元のクリスマス名物料理を作ってみる
イギリスにせよフランスにせよオランダにせよ、大体どこの国もクリスマスには特別メニューやスイーツがあります。
せっかくなら本場で味わってみたい😍…と思う人は多いでしょうが、肝心のクリスマス当日にはレストランやパティスリーの多くが閉まっているのが現実。
それなら自分で作ってしまいましょう!
便利な世の中になったもので、レシピはグーグルさんに聞けば一発回答。
前述の通り12月25日はスーパーや市場も営業していない可能性があるので、材料の買い出しは24日までには済ませておくのが無難です。
遠くにいる家族や友人に電話で話す
便利な世の中になったのを感じるのはブッシュ・ド・ノエルのレシピをすぐに日本語でチェックできる時もですが、インターネット1つで世界のどこにいても遠くに住む家族や友達と繋がれることではないでしょうか。
筆者の現地人の知り合いで1980年代に日本に住んでいた人が当時の本を持っていたのですが、特に驚いたのが国際電話の料金。
ご覧のとおり、その頃は固定電話間の日本→西ヨーロッパやアメリカは最初の3分で¥4320、イギリスやオーストラリアに至ってはなんと¥5400!
つまり電話3分でデパ地下の人気ブッシュ・ド・ノエルが買えてしまうではないですか!!
ヨーロッパと日本では時差が大きいのはやや不便ですが、それでもLINEやSKYPEで無料&顔を見て話せる時代、ありがたく利用して大切な人とコミュニケーションを取りつつ、浮いたお金でブッシュ・ド・ノエルを買ってきてはいかがでしょうか。
ボランティア活動に挑戦する
特にイギリスやアメリカなどはボランティア文化が根づいていることから、1年中どこかで何かしらのボランティア活動が実施されています。
クリスマスも例外ではなく、この重要な行事を孤独に過ごす施設の人々やホームレスのためのボランティアは、特に積極的に行われています。
経験や知識を必要としないボランティア活動もあるので、まずは地域のボランティア情報をチェックしてみましょう。
人の役に立つ・人の笑顔を作るクリスマスは、グルメやギフトのような物質的な欲を満たすのとは異なる、心の豊かさを生む忘れられない経験になるかもしれませんよ。
祈る/瞑想する
一人でクリスマスや年越しをする人の中には、みんな家族や恋人、友達と幸せに過ごしてるのに自分は独りなんて・・・とネガティブに考える人もいますが、本当にそうでしょうか?
世界には重い病気で苦しむ人や紛争で家族がバラバラになってしまった人も、数え切れないほどいます。
ここ数年のコロナ&ウクライナ侵攻を例に出すまでもなく、時に生活は残酷なまでに一変します。
まずは独りだろうがなんだろうが生きていることに感謝し、より良い1年が来ることを祈ってみましょう。
祈る・瞑想するというのは宗教や人種、経済状況に関係なく誰でもできる、最も普遍的な行動の1つです。
【番外】やっぱり一人は嫌!という人は?
森で散歩するのもケバブをがっつくのもボランティアするのも悪くないけど、やっぱり一人は寂しい(´;ω;`)・・・という寂しがり屋のあなた、まだ希望はあります。
文明の進化は本当にありがたいもので、SNSやマッチングアプリの世界では常に誰かが誰かを探しており、カゴに入れてたりんごを落としたらイケメン紳士が拾ってくれて・・・のような一昔前の映画でありがちな奇跡がなくてもいくらでも人と出会うことはできます。
FacebookやTwitterでは具体的な日時や場所、予算が指定されたイベントの告知も多いので、自分の目的や好みに合った内容のイベント等を探すといいでしょう。
もちろんその全てが安全で信頼できる情報とは限らないので、ネットで知り合った人と実際に会う際には充分注意した上で自己責任で行動するという心構えが大事です。
まとめ
実際に海外に住む筆者が、海外のクリスマスや年末年始を一人で過ごす際のポイントをまとめました。
もちろん海外在住や海外旅行中の人でも、ロンドンやパリのような大都会で過ごすのか田舎で過ごすのか、あるいは経済的に充分余裕があるのかないのかなどにより、できることの選択肢は変わってきます。
そのためこの記事で紹介した行動の中には、全ての人に可能という訳ではないものも含まれているでしょう。
とはいえこの記事を読んでくれたあなたが、少しでも何かヒントを得ることができたのであれば筆者としても嬉しい限りです。
それでは、良いクリスマス&新年を!