EUは新型コロナウィルス(COVID-19)により実施していた、日本を含むEU外からの一部の国の渡航制限を2020年7月1日から解除する方針を固めました。
これが正式に施行されれば旅行好きの人にとっては非常に良いニュースですが、実際に旅行に行くかは慎重に決めた方がいいでしょう。
欧州在住の筆者の考察をまとめました。【2020年7月時点の情報です】
当てはまる人は要注意?!当面旅行を控えた方が良いタイプ
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コロナ禍によりヨーロッパへの旅行を延期やキャンセルしてしまった人にとっては、夏休み前のこのシーズンでの渡航解禁は3ヶ月以上待ちわびていた朗報と言えるでしょう。
とは言え外務省は7月時点で依然として欧州全域への渡航を「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」に指定しています。(外務省の欧州地域海外安全情報)
そのため仕事や家庭の事情ではなく、普通の旅行としてのヨーロッパ渡航ならまだ控えるべきでしょう。
しかし仮に今すぐではなくてもできるだけ早くヨーロッパ旅行に行きたい!と願っている人もいると思うので、オランダ在住の筆者がしばらく旅行は避けた方が良いタイプの人をまとめました。
あくまでも個人的な見解ではありますが、行ってから後悔するよりは行く前にきちんと情報収集をして行くかどうかを決定する方が賢明なので、少しでも参考になれば幸いです。
神経質・心配性・責任感が強すぎる
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コロナウィルスが世界に拡大するにつれて各国の情報をニュースやSNSで追っていた人は感じたと思いますが、日本人とヨーロッパ人の一般的な危機意識や衛生感覚は全く異なります。
もちろん欧州でも東西南北で国民性から国の規制も違うのでヨーロッパとひと括りにするのは大ざっぱですが、たとえ欧州のどこであっても、日本ほど清潔で、ひとりひとりが危機意識を強く持ち、協調し、自制心で行動を律することができる国民を持つ国はありません。
そのため「私はこんなにきちんとコロナ対策を徹底してるのに何でみんなテキトーなの?あんたもマスクしなさいよ、むきー!!」というタイプの人はすぐの欧州旅行は控えた方がいいでしょう。
またEU各国では、タイミングや内容に差はあるもののほとんどの国ですでに国内の規制緩和を段階的に進めているため、例えば
・空港職員やCA
・ホテルの清掃係
・レストランやカフェのウェイター/ウェイトレス
・現地ツアーのガイド
・観光名所やスポットのスタッフ
などが、それぞれの私生活でどこで誰と会い何をしているかを追跡することはできません。
つまりあなた自身が危ないと思う混雑したビーチやナイトスポット、人気エリアを避けても、そういったあなたと接する人がガンガン行っている可能性もあるのです。
せっかく行くからには100%満喫したい
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もし初めてのヨーロッパや数年に1度しか行けない旅行だとしたら、観光・グルメ・イベント・ショッピングに自然体験etc.思いっきり楽しみたいと思うのはごく当たり前のことです。
しかしEU各国では最初のピークが過ぎてどんどん緩和が進んでいるとは言え、まだ様々な規制があるのが現状です。
そのためホテル、飲食店、公共交通機関、観光地、テーマパーク、美術館、ビーチ、スパなどあらゆる場所で、
・営業時間の短縮
・入場人数の制限
・サービス内容の変更
・予約義務化
など特別なルールが設けられている場合が多いです。
そのためどこに行くにしても最新の情報をチェックしないと、行きたいスポットに行けなかったり内容が違っていて期待外れになってしまう可能性が。
それだけならまだいいですが、規制を破ると罰金を課せられることもあります。
例えばオランダでは6月現在交通機関内でのマスク着用が義務化されており、怠ると罰金€95です。
このような規制はコロナの状況によりたちまち変更になるので、一度調べて終わり、ではなく常に最新情報を追う必要があることを念頭に入れておきましょう。
ガチガチに予定を組んで急な変更に対応できない
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そのようなコロナの状況であることから、いつ、何が起きても不思議ではなく、通常期以上に急な変化に対応できる柔軟性が大切です。
行こうと思っていた観光スポットが急遽閉まってしまった、予約した場所をキャンセルされてしまった、ぐらいならまだしも地域的なロックダウンやフライトの変更もないとは言えません。
また個人旅行の場合、何か変更やキャンセルなどが発生した際には必要に応じて自分自身で問い合わせや返金手続きをしなければならないことも心得ておきましょう。
筆者は6月14日の夜遅くにモンテネグロを推すこの記事を書いたのですが、その14日に同国で約40日ぶりに新規感染者が出て、その後またたく間に感染が再拡大しています。
モンテネグロが旅行先として魅力的でおすすめなのは変わりませんが、やはりコロナの状況に関しては数ヶ月先はもちろん数週間・数日先すら読めないというのを物語る例だと言えるでしょう。
万が一フライトが飛ばなくなってしまったり、帰国後の検疫ルールが変更になったりした場合のことも考えて、旅行後すぐに仕事や大事な用事を予定に組むようなことは避けるのが無難です。
家族、友人、同僚などの中に強く反対する人がいる
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あなた自身がヨーロッパ旅行を望み、情報収集をし、行けると判断しても、周りの身近な人に反対者がいるなら今一度考え直した方がいいでしょう。
やはり新型コロナウィルスはまだ未知の部分が多い感染症のため、各専門家であっても現在進行形で研究や議論を続けている状態で、一般人であればなおさら不明な点が多いのが現状です。
あなたが周囲の反対を押し切ってヨーロッパに旅行に行き、もしも感染してしまったら?
それが帰国後の検疫で検査されればまだ良いですが、そこで見逃されてしまったら?
個人主義で自由奔放な性質が強い欧州と違い日本は規律・協調性・責任感をお互いに求める空気が強いため、「あらお気の毒に。お大事に」の一言では済まないのではないでしょうか。
仮に自分は楽しめて感染も免れても、周囲には心の中で「この時期にヨーロッパ旅行?みんな我慢してるのに?むきー!!」と思う人がいても不思議ではありません。
たった一度の旅行で大切な人間関係が気まずくなったりしないよう、旅行を決める前によく話し合いや情報交換を行うといいでしょう。
日本に帰国後すぐスイッチを切り替えられない
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日本に住む平均的な日本人の感覚を持つ日本人旅行者が今のヨーロッパに来ると、欧州人のユルさを目の当たりにすることになります。
マスク無しで1日中外を歩き回ることも久しぶりに体験するかもしれません。
それに戸惑うか日本の厳しい自粛ムードから解放された気分で楽しむかは人それぞれですが、結局旅行後日本に帰ればまた日本の感覚に戻す必要があります。
通常の旅行でも旅先から帰国する時にスイッチをオンにする感覚は必要ですが、現在は未知の感染症が絡んでいるためただのやる気や時差ボケという話ではありません。
欧州のユルい感覚をそのまま日本に持ち帰ってしまうと周囲から浮くのは間違いないでしょう。
それは自分が感染していなければ大丈夫ということではなく、日本人がマスク着用やソーシャルディスタンス、不要不急の外出自粛などを強く意識し実施しているうちは、欧州のユルい感覚や習慣が日本に持ち込まれると嫌でも目立ってしまうのです。
そのため旅行中は各国各地のルール内で自由に楽しむとして、いざ日本に帰ればきっちりスイッチを切り替えるのを忘れないようにしましょう。
【7月7日追記】すでに各地で第二波が発生している
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7月1日にEUが渡航制限を解禁してから、あるいはする前からすでに第二波が発生している国や地域は見られます。
最も顕著なのはEU非加盟国も含まれますがクロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モンテネグロなどのバルカン半島諸国です。
これらの国は最初のピークを西欧諸国に比べて非常に低く抑えたことが高く評価されていましたが、すでに第一波以上のペースで感染が拡大している地域も。
同様に極めて低い感染者数で抑えていたスロヴァキアとスロヴェニアも、6月中旬〜下旬から再び新規感染者が増加傾向になっています。
また全国的な感染拡大ではないものの、スペインのカタルーニャ州とガリシア州ではそれぞれ人口約20万人と7万人が住む地区で、イギリスでは人口約42万人のレスターで感染拡大のために再ロックダウンを強いられています。(7月7日現在)
例え数週間新規感染者数が低く落ち着いていても、また第一波で被害が小さくても、いつどこで第二波が訪れるか分からない事の実例と言えるでしょう。
まとめ
2020年7月からのEU渡航解禁のニュースを受け、日本人がヨーロッパに旅行に行く前に確認したいポイントをまとめました。
現時点ですぐに旅行に行くには色々と注意する点がありますが、渡航解禁に踏み切れたのはなにはともあれ前進ではあります。
この緩和後もそれぞれの国で感染が拡がることがなく、誰もが本当に安心して好きな場所に旅行ができる日が少しでも早く戻ることを願います。