イベリア半島をスペインと分け合う大西洋に面した国ポルトガルは、美しい街並み、雄大な自然、そこから生まれる絶品グルメなど多彩な魅力に溢れた国。
そんな日本人の観光客も急増中のポルトガルを旅行する際に知っておきたい、気候の特徴とベストシーズンをまとめました。
ヨーロッパ中が憧れる?!日光が降り注ぐ温暖な気候
日本では長年スペインがイベリア半島のエースでポルトガルはそのついでみたいな扱いだったものの、近年はポルトガル単独で訪れるツアーや旅行者も増えています。
スペインと似ているようでちょっと違う、ポルトガルの良さは挙げ出したらきりがないですが、年間を通して眩い日光が降り注ぐ温暖な気候もその1つ。
その快適な気候を求めて英国や北欧、ドイツやオランダで太陽に飢えた多くの人が移住、あるいはセカンドハウスを買って自国と往復する生活を送っています。
ポルトガルが北欧に比べると日照時間が年間で約2倍、東京との比較でも約1.5倍と晴天が多いのは間違いないですが、実際には季節と都市によってかなり差があるのも事実。
ざっくり言うと北に行くにつれて雨が多くなり、夏が乾季で冬が雨季です。
そのため冬にポルトガル北部を旅行すると平均で2日に1日は雨になり、冬は雨が少ない日本から行くとむしろ雨が多い印象に。
ポルトガルという国は雨の少し憂いを帯びた雰囲気も非常に似合うのですが、陽キャなポルトガルを期待して行くなら、適切な季節と行き先を選ぶことは大切です。
ポルトガル人気観光都市の気候をチェック!
それではポルトガルの人気都市の気候をチェックしてみましょう。
北部代表ポルト、中南部代表で首都リスボン、南部代表ファロ、離島代表フンシャル(マデイラ島)をピックアップしました。
なおファロを含む南部アルガルヴェ地方とマデイラ諸島の気候&ベストシーズンは、別記事でより詳しく書いていますのでそちらもチェックしてみてくださいね。
ポルト
リスボン
ファロ
日本の約1/4ほどのかわいいサイズのポルトガルですが、やはり都市によって差がいくらか見られます。
どの都市にも共通する特徴としては、
・夏は雨が少なく冬が最も多い
・夏の暑さも冬の寒さもマイルド
・夏はもちろん冬でもそれなりに日照時間がある
といった点でしょうか。
大西洋のリゾートアイランドとして知られるマデイラ島が本土より夏の日照時間が短いのはやや意外ですが、逆に言うとマデイラ島は夏と冬の差が小さいので1年中絶え間なく観光客が訪れます。
対して本土の各都市は夏と冬では1日あたりの平均日照時間が2〜3倍も違うので、明るい太陽が燦々と輝く6月〜9月頃がピークシーズンです。
春と秋は気温としてはとても快適ですが夏よりは雨が多く、1日の中でも急な天候の変化が見られるので、雨具は忘れずに。また真夏でも朝晩は意外と気温が下がることもあるので、長袖1枚は持っていくといいでしょう。
この4都市はいずれも沿岸部の街ですが、ポルトガル本土の内陸部(スペイン側)は夏と冬・昼と夜で寒暖の差がより大きくなります。
夏だと日中と朝晩の気温差が20℃近くになることもあるので、気温の変化に対応しやすい服装がベストです。
ポルトガルの目的別ベストシーズン
やはり単純に気候の良さで考えると、ベストシーズンは雨が少なく晴れが多い6月〜9月頃ということになるでしょう。
しかしそれはほぼ夏のバカンスシーズンと重なるため、人気観光地の大混雑やホテル料金の高騰なども招きます。
そこで気候の特徴も踏まえつつ、より具体的な目的別のベストシーズンを紹介します。
街歩きやグルメを満喫したい
雨が多い冬(11月〜2月)と観光客で埋め尽くされる7月8月を除いた、3月〜6月と9月・10月がおすすめです。
ただしポルトガルは日本と同様四季があり、どの季節にも異なる風情とその時期ならではのグルメがあるため、ハズレの時期はありません。
リスボンなど大都市であれば飲食店の数もジャンルも多いので、観光客の増減に関係なく年間を通して様々なグルメが楽しめます。
逆に夏がピークのビーチリゾートであるアルガルヴェの特に小さい街では、閑散期の冬は閉まるお店が多いので必然的に冬以外の季節の方が選択肢は増えます。
ビーチでひたすら遊びたい
アルガルヴェなら7月〜9月、気温が上がれば6月と10月も。
それ以外のエリアは8月と9月、同じく暑くなれば7月も泳ぐのに適しています。
ポルトガルのビーチは寒流であるカナリア海流が流れる大西洋のため、お隣のスペインの地中海ビーチに比べると意外と水温が低く、泳げる時期も短いのが特徴です。
夏のバカンスど真ん中の8月はやはりどこも混雑するので、9月がベターでしょう。
混雑を避けてのんびり旅行したい
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基本的にクリスマスから年末年始を除いた11月から3月が閑散期で、静かに観光しやすい時期です。
逆に混雑するのは3月から4月の移動祝日イースター、7月〜8月と前述のクリスマス時なので、最低それを外せば大混雑は避けられます。
ただし地域の人気イベントやフェスティバルがあるとホテルは満室、街も人だらけになるので、主なイベント情報はチェックしておきましょう。
イベント情報参考サイト
ハイキングや巡礼路を楽しみたい
ピークシーズンの7月と8月を除いた5月〜10月が、長時間歩きやすい気温&雨も少なめでベスト。
ポルトガル本土もそこから遥か1000km離れたマデイラ諸島も大都市や人気観光都市は沿岸部に集中していますが、それぞれ内陸部ではハイキングも人気です。
また最近日本人にも人気のサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼はポルトガルからもいくつか巡礼路がありますが、夏休みで混みまくる7月8月、逆に巡礼者用宿が閉まることも多い冬は避けた方が無難です。
まとめ
多種多彩な魅力を持つポルトガルの気候とベストシーズンを解説しました。
どの季節でもそれぞれ異なる良さがあるので、目的や予算によって日程を組んでみてくださいね。
ポルトガルの主な観光都市はお隣のスペイン南部辺りを想像して行くと意外と涼しいので、それに合わせた服装で出かけましょう。
しばらくは新型コロナウィルスの影響で旅行は慎重にならざるを得ませんが、少しでも早く安心してポルトガルを訪れられる日が戻ることを願います。