【在住者視点】オランダ移住のデメリットってどんなこと?

オランダ
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海外生活を夢見る人の中で、移住のしやすさから近年注目を浴びている国が、オランダ。
憧れのヨーロッパ移住に期待を膨らませる人が多い一方、中には実際に移住してみたら失敗だった…という人も。
この記事ではオランダに移住して約7年の筆者が、オランダ移住のデメリットなどをまとめました。

【独断】オランダ移住のデメリット6選

筆者は以前こちらの記事で、オランダ生活を完全なる独断と偏見で、治安からグルメまで様々な分野別に採点しました。

インターネットが発達し、SNSが生活に溶け込んでいる現代では、誰もが地球の隅々の様子までいつでもライブで詳細に知ることができるようになっています。

この記事を読んでくれているあなたも、きっとオランダ移住に興味がある、すでに計画している、しかし心配もある・・・といった感じで検索をしていて、このサイトに辿り着いたのではないでしょうか。

言うまでもなく、オランダに移住する人・すでに移住した人・移住後に様々な理由で帰国した人は数知れず、その動機や年代、職業などもバラバラです。

そのためこの記事で書いていることは個人の見解・意見であって、オランダに移住した人全てを代弁している訳では全く無いことをご了承ください。

ではオランダにフリーランスとして単身で移住して約7年の筆者が、オランダ移住やオランダ生活のデメリットを独断で解説していきます。

【追記】デメリットだけじゃないのよ、ということでメリット編もまとめてみました。

冬が長くて地味

夏は22時頃まで明るく気温も非常に快適なのに対し、冬は朝8時過ぎてもまだ暗く17時にはすでに夜モード、カラッと晴れる日も少ないどんよりした雰囲気に。

これが1〜2ヶ月ならまだしも、11〜3月頃まで続くので、さすがに長い

街を彩るイルミネーションや屋内で家族や友人とのんびり団らんするなど冬は冬なりの楽しみはあるけど、うーーーん、、、やはり長い

食や娯楽のバリエーションが少ない

オランダがグルメ大国でないことは隠しようのない事実ですが、実際には移民大国であることも手伝って、世界のグルメをレストランやスーパーで気軽に味わえます。

しかしやはり日本と比べると、その高めな値段の割に質やバリエーションは乏しいと言わざるを得ません。

例えば日本では夜遅く、あるいは真夜中でも居酒屋やバー、ファミレスにコンビニなど昼と変わらないぐらい多種多様なグルメを時に安く・時に贅沢に味わうことができます。

それは食に限らず、カラオケやネットカフェ、ゲームセンターにスーパー銭湯etc、あらゆるジャンルの娯楽施設が365日ほぼ休まず稼働。

これに比べるとオランダ(だけではないが)では食・飲・遊スポットが限られていると感じます。

特に日本で食べ歩きや様々なエンタメ施設に行き慣れている場合、退屈・物足りない・暇という印象を持ってしまう可能性は否定できません。

協調性がない

オランダや欧州では『個』が尊重される自由主義の趣が強いことは、日本でも認知している人が多いと思います。

これは良い面でもありますが、周囲や社会との協調を重視する日本人からすると、ワガママや自分勝手に感じるかもしれません。

それはコロナ禍で顕著になった、と個人的には感じています。

マスク着用やソーシャルディスタンスなどは義務でなければ実施しない人が多く、だからこそ政府は義務化にせざるを得ません。

外食・夜遊び・旅行なども、自ら我慢・自粛しようとする人は極めて少なく、ロックダウンのような強力な規制で実際に不可能にならない限りは、お構いなく自分の意志を優先させる人が多いです。

日本から遠い&時差が大きい

インターネットさえあればスマホ一つで世界のどこにいても日本の家族や友人と無料で話すことができる現代は、数十年前と比べれば遥かに世界が狭く・便利になっていると強く感じます。

が、それでも本当に地球が縮んでいる訳ではないので、いざ日本に行くには直行便でも約11時間、交通が不便な地域に住んでればさらに長くかかります。

また時差もアジアや豪州と違って日本から−8時間(サマータイム中は7時間)と大きく、いざ電話で話したりやり取りがしたくてもすれ違い、ということも。

緊急時はもちろん、ちょっと日本の家族や友人とおしゃべりがしたいな、という時にすぐ繋がれないことがあるのは覚悟しておいた方が良いでしょう。

物価が高い

これも別の記事で少し触れた点ですが、オランダは物価が高め

特に物件探しは競争が極めて激しく、予算や場所、広さなど自分の希望通りの住まいを探すのは非常に困難です。

WorldData.infoのデータによると、オランダの平均年収は$51060(=約587万円)で、日本の$40540(=約466万円)よりかなり高くなっています。

なので現地企業に雇用される形なら高収入が期待できますが、フリーランスとして働くなら、どれだけ稼げるかは自分次第とも言えるでしょう。

それがどんな職種・業種であれ、言葉も文化も国民性も違う異国の地で、誰でも簡単に事業を成功できると考えるのは、少し楽観的過ぎるかもしれません。

【プチ追記】なお2022年にはロシアのウクライナ侵攻により、ガソリン代・光熱費・食費など何もかもが凄まじい値上げをしています。

高騰する光熱費、政府は上限設定について討議 | ポートフォリオ・オランダニュース
オランダ政府は高騰する光熱費対策を先週から討議を進めていたが、本日月曜日も解決策を求め話し合いを続ける。日曜日
何かと忍耐力が必要

これはオランダに限らず世界どこの国に移住しても同じだと思いますが、人々が時間を守らない・謝らない・メールなどの返事をしないetc.は、日常茶飯事です。

個人的には東南アジアやラテン系の国なんかに比べればオランダはかなりマシな方だと思いますが、それでも日本の律儀さ・丁寧さ・迅速さには遥かに及びません。

しかしどれだけイライラしようが騒ぎ立てようが、そこは日本ではなくオランダなので、日本と同じレベルを求めても無駄骨に終わる可能性が高いです。

怒り狂ってちゃぶ台をひっくり返す前にまずは深呼吸をして、忍耐力を持って、すべきことを冷静に考えましょう。

オランダ移住で失敗しやすい人とは?

 
 
 
 
 
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なるほど、オランダ移住にはそんなデメリットもあるのね。

じゃあどんな人がオランダ移住に成功or失敗するの?

・・・と疑問に持つ人もいるかもしれません。

そうすると、まず何をもって成功あるいは失敗と言えるのか?という点から議論になるでしょう。

例えば先に挙げたオランダの平均年収以上を稼いでいても、オランダ生活がつまらない、馴染めない、日本に帰りたい…という人がいれば、果たしてそれは成功と言えるのでしょうか?

逆にそこそこの収入でも、毎日生き生きと充実した暮らしをしているなら、「失敗」の烙印を押す必要はない気がします。

なので成功と失敗の定義は難しいですが、ものすごく曖昧な表現で良いのなら、結局は「本人(&家族)が幸せかどうか」ではないでしょうか。

これもあくまでも筆者個人の見解ですが、オランダに限らず海外移住に失敗しがちなのは、以下のようなタイプだと考えます。

こんな人は要注意?!失敗しがちなタイプ

  • 理想や期待が高すぎる

インターネット社会の現代でありがちなのが、Facebookやインスタグラムなど、日常のごく一部を切り取った情報だけを見て、それを信じ、憧れて、その後現実を知ってガッカリするパターンです。
オランダ移住者のSNSやブログなども探せばかなり見つかるでしょうが、「楽しかった1日」「自慢したい出来事」のみを発信している人は少なくないはずで、毎日キラキラな生活を送っているとは限りません。筆者然り。

  • 変化に対応できない

この『変化』とは、まず日本との変化。国民性・文化・宗教・食・気候などあらゆる変化に順応することは、海外移住において避けては通れないポイントです。
そしてもう1点、世の中は絶えず動いています。コロナはその象徴で、例え今が順風満帆だとしても、明日どうなるかは誰にも分かりません。
流行を読む、悪い流れを察知する、チャンスを逃さないetc、時代や状況に応じて臨機応変に動くことが大切です。

  • 何でも日本と比較する

日本じゃありえない、日本なら◯◯なのに、日本では▲※◎・・・はい、日本は日本、オランダはオランダです。
日本の常識や感覚を他国に持ち込むのは、賢明ではありません。日本人同士でグチったりするのは自由ですが、それを現地人にぶつけてもまずプラスにはならないでしょう。

  • ただ日本が嫌で移住する

日本の○○が嫌、自分に合わない、不満だ・・・という思いからオランダや海外での生活に興味を持つ人は少なくないですが、あくまでも冷静に長所・短所を分析や比較することをおすすめします。
あなたが日本で不満な点は、オランダに住めば本当に解決されるのでしょうか?
日本はユートピアではないかもしれませんが、オランダも世界のどこの国もユートピアではありません

  • 経済的に余裕がない

お金が必ずしも幸せに直結しないとは言え、お金がなければ生活できないのは事実です。
それが物価の高い国ならなおさらで、貯蓄も計画も大してないまま移住すれば、厳しい結果になるのも不思議ではありません。
2022年には強烈な円安&物価高騰で、このポイントはこれまでよりさらに強調されたと感じます。

『憧れ』をキープしたいなら旅行でOK

これもオランダに限った話ではありませんが、もし海外に対して特別な憧れや羨望といった感情をずっと持ち続けていたいなら、移住より旅行の方が向いているかもしれません

普通の旅行であればキレイな景色を見て、美味しい店で食事をし、「ゲスト」としておもてなしされ、爽やかな思い出&名残惜しさと共に日本に帰っていきますよね。

しかし移住するとなると、税金ガー、ゴミ出しのルールガー、隣人の騒音ガー、などなど日本でもおなじみの生々しい問題や悩みのタネが普通に顔を出してきます。

日本のパスポートは世界最強と言われるほど多くの国にビザ無しで容易に旅行できる訳ですから、好きな所にさっと行って表面の美しい部分だけを見てさっさと去るのも、賢い選択だと個人的には思います。

失敗して得られる最大のメリット

こんなことを書くと、やはりオランダ移住は難しいかな・・・自分には向いてないかな・・・やめようかな・・・と心が揺らぐかもしれません。

最終的に決断するのは当然あなた自身ですが、仮にオランダに移住し、結果として成功できず日本に帰国したとしましょう。

しかし、きっとあなたはそこで日本の良さ・ありがたさを移住前よりずっと理解しているはずです。

オランダに限らず、自らの意思で海外移住を考える人は、多かれ少なかれ日本に不満があったり外国の方が良く見えたりしている事が多いです。

自分で自由に選択できない駐在などはまだしも、自ら自国より悪い印象の国に住もうという人はあまりいないでしょうからね。

が、いざ外国に住んでみると、日本で当たり前にできていた事ができない、サービスが悪い、治安も悪い、言葉が通じない、孤独、病気になっても日本語で訴えられないなどなど、ネガティブな出来事やトラブルは必ず出てきます。

結局選択肢はそういった事を乗り越えて外国に住み続けるか日本に帰るかの2択しかないですが、もし日本に帰ると決断しても、それは敗北ではありません

様々な経験や挑戦を経て、そこから新たに自分なりの「成功」を築いていけば良い訳ですし。

ただ人から話を聞いたりネットで情報をかじったりするだけか、自分自身が実際に体験して、喜怒哀楽を味わい、五感でその国のその瞬間を日々感じるかでは、雲泥の差があります。

挑戦せずに後悔する事こそが最大の失敗だというのが、筆者の考えです。

まとめ

オランダに移住した筆者が、独自の視点でデメリットを解説しました。

ところで実際にオランダに移住して、オランダ人や他国籍の在住者からよく聞かれるのが、「何でオランダに移住したの?」という質問。

なぜなら、オランダ人や世界の多くの国の人にとって、日本は『豊かで住みやすい国』というポジティブな印象を持っている人が多いからです。(実際に日本を訪問したことがある人も含め)

オランダには、シリアやソマリアなど紛争や貧困から命からがら逃れてくる難民、そこまではいかなくても「お金のため」と割り切ってor必要で移住するアジアや中東、中南米の人も多く、そもそも自分の意志や好みで他国に移住できるのは世界でも本当に僅かで限られた人だと感じます。

もしオランダに移住せず日本に住んでいるだけなら、その恵まれた特権とも言えるメリットに気付けなかったことでしょう。

日本を含め、どの国にも必ず良い面・悪い面はあります。

それがオランダであれ日本であれ別の国であれ、あなたにとって最も良いと感じられる場所で生活できることを願います。

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